パワステの修理パワステ・リレーの交換 |
今回トラブルを起したパワステ・リレー
最終更新日 : 2002.1.12
先日、パワステの使いすぎか突然パワステが死んでしまいました。PSワーニング・ランプがずっと点灯したままです。ディーラーに持ち込む方が安心できそうですが、折角買った修理書ですので、自分で直せるか少しやってみることにしました。
まず、パワステの故障原因を調べます。エンジン・ルームにはダイアグノーシス・コネクタがあり、ここのTc端子とE1端子をショートさせると、運転席のPSワーニング・ランプが点滅して、故障内容を教えてくれます。TcとE1端子をショートしたあと、エンジンを掛けると、しばらく短く点滅した後、エラーコードを出力します。コードの出力形式は、0.5秒毎に点灯・消灯を繰り返す場合は正常、何度(1度の場合もある)か点滅後、1.5秒置いて、再度何度(1度の場合もある)か点滅、そして4秒置いてから、この繰り返しというのが基本パターンです。私の場合は、最初に1回、後から1回で、1−1というエラーでした。これは、ベーンモーターとバッテリの間で断線しているというコードです。
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ちなみに、ベーンモーターとは、ステアリングをモーターを使った油圧ポンプでアシストするもので、MR2はエンジンが後ろにあるため、パワステは電動式になっています。ゆえに、このモーターには80Aという巨大なフューズが付いたトルクの有りそうなモーターが使われています。先のエラーコードでいうと、フューズが飛んでる、配線が断線、パワステ・リレーの異常、パワステ・コンピュータの異常、のいずれかになりそうです。
そこで、フロント・トランクを開けてパワステ関連の装置を調べてゆくと、パワステ・リレーのケーブルがかなり痛んでいます。当初、パワステ・リレーがショートして配線が焼き切れたのかと思いました。このパワステ・リレーはとっても怪しく、配線を切断し、また接続した後があります。それも、+12V側は半田付け、アース側は圧着で接続し、なぜかアース側だけに汚くビニル・テープが巻かれているのです。どうみても、素人の細工です(^^;)
この車は、一度パワステ・リレーを破損し、リビルト品か何かを素人が取り付けた感じです。よくよく見ると、痛んだ配線は熱によるものではなく、擦って傷をつけた感じでした。事故車から外したリレーなのかもしれません(^^;)
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怪しそうなリレーに通電してみると、カチャカチャと音を立てます。死んでいるわけではなさそうです。そこで、パワステ・コンピュータのリレー・ドライブの端子を調べてみると電圧がでていません。うむ、リレーが腐って、コンピュータのドライブ回路を飛ばした感じです。そこで、リレーとコンピュータを取り外し自宅に持ち帰りテストしてみることにしました。
コンピュータのリレードライブ回路には、2SB553というトランジスタが使われていました。トランジスタを基板から外し、チェックしてみるとトランジスタは動作するようです!おかしいと思い、再度車に積んで詳しくしらべてみると、エンジン起動後数秒間だけリレーをONにし、異常を発見したあとリレーをOFFにするようです。ゆえに、一人でエンジンかけて、それからテスターで調べていたのではドライブ回路が死んでいたようにみえたのです。壊れているのはリレーの方でした。
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しかし、リレーに通電すればカチャカチャ音がするので、死んでいるのは接点のようです。早速テスターで調べてみると、なんとONにした状態で2KΩの抵抗がありました。これでは電流は流れません(^^;)
しばらくリレーをいじっていると、接点をON/OFFするたびに接点間抵抗が変ります。数100Ω〜数100KΩとかなりばらつきます。どうやら、接点の表面が炭化しているようです。そこで、接点に12V/1Aの安定化電源(フの字保護回路付き)を繋ぎ、何度か接点をON/OFFして接点に溜まったカスを火花で飛ばしてみたところ、なんとなく上手く接点間抵抗が無くなりました。失敗すると、接点を飛ばしてしまって、2度と導通しなくなる危険もありましたがラッキーでした。
もっとも、ベーン・モーターには、かなりの電流が流れるので、テスターでの導通が有っても、モーターを回したら、また接点が炭化するのでは無いかと疑心暗鬼でしたが、とりあえず車にリレーを取り付けてみたところ、なんと、ちゃんとパワステが使えるようになったのです。とはいえ、また、何時死ぬかわからないですから、そのうち新品のパワステ・リレーを購入しようかと思ってはいます。
パワステ・コンピュータ内のトヨタ製ワンチップマイコン
パワステが無い時の様子
SW20はパワステが有っても、かなりハンドルが重く感じます。では、本当にパワステが無くなったらどうなるか・・・
パワステが死んだのは実家での出来事でした。壊れたのが帰宅予定の当日だったのと、既に夕方でディーラーに持ち込めそうに無かったのと、修理書を持って無かったので、そのまま100km程をパワステ無しで走行しました。さすがに、左折や車庫入れは、かなり気を入れてハンドルを回さないと手アンダーが出てしまいますが、時速40km/hも出ると、パワステが無い時と殆ど変わらないような手応えです。ただ、蛇角を大きく切ると、ずしっとハンドルが重くなるので危険回避などにはとても不利で危険そうです。
2002.1.12
近くのパソコンショップの駐車場で、また、突然パワステが無くなった・・・ 慌てず騒がず、スペアタイヤを外し、内装カバーをずらしてリレーを叩いてみたが直らない。仕方が無いので自分の駐車場に帰り、整備書見ながらダイアグノーシスを確認する。ダイアグノーシスは、リセットしないかぎり前のが残ってしまうようで、まともに表示しない(^^;) リセットは、エンジンルーム内のEFIフューズを抜いて行う。で、結果は、前回同様のエラーコード11だった。リレーを叩いてもだめだったので、リレーだけ取り外して自宅に持ち帰りチェックしてみた。はやり接点が死んでいる・・・ でも、叩いたくらいでは直らない。そこで、リレーの接点にテスターを付け、コイルに通電したまま叩いてみたところ、導通が回復した。通電したまま叩くのが良いようだ。そのうちに、持ち歩ける接点回復装置でも自作してみよう(^^;)
そういえば、今回はパワステ無くても、さほど苦もなく扱えた。あまりチマチマとハンドル回す気にはならなくなるけど、手アンダーだけは出なかった。スポーツ走行になれて、結構重いステア操作に慣れてきたのか? それともタイヤのミゾの深さの違いか?
2003.10.19
久々に車に乗ったら、パワステが死んでいました(^^;) で、簡単復活(するかもしれない)方法を発見したので、載せて置きます。出先で死んだとき、とりあえず試してみるといいかも?
パワステリレーはここにある |
こんな風に取り付けされています |
方法は簡単、リレーを叩くだけです(笑) でも、叩くにはコツが必要です。まず、エンジンスタートしてから、パワステのチェックランプが点くまでに叩かねばなりません。時間にすると数秒です。ボンネットを開けておき、パワステリレーの所在を確認後、エンジンを掛けます。小走りでパワステリレーに走り寄り、フロントトランクの内装を少しだけめくり、スパナの柄か何かで、リレーの取り付け部のアームをコツコツと振動を与えるように叩きます。運が良ければ、チェックランプが点かなくなります。ダメなら、何度かやってみましょう。叩きすぎてリレーを壊さないようにしましょう(笑) まあ、どうせ壊れているんだからダメモトくらいの気持ちでやれば、リレーが永久死しても未練はありません(笑) ・・・ 直らなくても、永久死しても、責任は負えませんのであしからず ・・・
このあたりの内装をめくる |
このアームを叩く |
さて、パワステリレーは何処にあるでしょう? スペアタイヤを外し、内装を剥がせば簡単にお目にかかれますが、タイヤを外すのも、内装を剥ぐのも結構大変です。でも、内装に傷を付けても笑って居られる度胸(諦め?)が付けば、タイヤが付いたまま、内装をちょっとめくるとリレーのアーム部分が見えますので、これを叩きます。内装を止めるクリップは外さないとなりません(私のはクリップがありません)。上の写真(準備中)を参考にしてください。