大阪府公文書公開等条例


昭和59年3月28日 (1984/9)
大阪府条例第2号

目次

前文
第1章 総則
 第1条 目的
 第2条 定義
  第1項 公文書の定義
  第2項 公文書の公開の定義
  第3項 公文書の本人開示の定義
  第4項 実施機関の定義
 第3条 実施機関の責務
 第4条 利用者の責務
 第5条 個人に関する情報への配慮
 第6条 情報提供
   第2章 公文書の公開
 第7条 公文書の公開の請求等
 第8条 公開しないことができる公文書
  第1号
  第2号
  第3号
  第4号
  第5号
  第6号
 第9条 公開してはならない公文書
  第1号
  第2号
  第3号
  第4号
 第10条 公文書の部分公開
 第11条 公文書の公開の請求の方法
 第12条 公文書の公開の決定及び通知
 第13条 公文書の公開の実施
 第14条 費用負担
 第15条 救済手続
 第16条 他の法令との調整等
  第1項
  第2項

第3章 公文書の本人開示及び自己情報に係る記載の訂正
 第17条 公文書の本人開示
  第1項 公文書の本人開示の請求
  第2項 適用除外事項
   第1号
   第2号
  第3項 公文書の本人開示の請求の方法
  第4項 公文書の本人開示の決定及び通知
  第5項 委任
 第18条 自己情報に係る記載の訂正
  第1項 自己情報に係る訂正の請求
  第2項 訂正の義務及び適用除外事項
  第3項 訂正の請求の方法
  第4項 訂正の決定及び通知
  第5項 委任

第4章 雑則
 第19条 公文書の目録等の作成
 第20条 制度の公正な運用等
 第21条 運用状況の公表
 第22条 委任
附則

大阪府公文書公開等条例

前文
  情報の公開は、府民の府政への信頼を確保し、生活の向上をめざす基礎的な条件であり、民主主義の活性化のために不可欠なもである。
  府が保有する情報は、本来は府民のものであり、これを共有することにより、府民の生活と人権を守り、豊かな地域社会の形成に役立てるべきものである。
  このような精神のもとに、府の保有する情報は公開を原則とし、個人のプライバシーに関する情報は最大限に保護しつつ、公文書の公開等を求める権利を明らかにすることにより、「知る権利」の保障と個人の尊厳の確保に資するとともに、地方自治の健全な発展に寄与するため、この条例を制定する。

第1章 総則
 (目的)
 第1条 この条例は、公文書の公開等に関し必要な事項を定め、公文書の公開並びに公文書の本人開示及び自己情報の訂正を求める権利を明らかにすることにより、府民の府政への参加をより一層推進し、府政の公正な運営を確保し、府民の生活の保護及び利便の増進を図るとともに、個人の尊厳を確保し、もって府民の府政への信頼を深め、府民の福祉の増進に寄与することを目的とする。

 (定義)
 第2条
  (公文書の定義)
  第1項 この条例において、「公文書」とは、文書、図画、写真又はスライド(これらを撮影したマイクロフィルムを含む。)であって、実施機関が管理してる次に掲げるものをいう。
   (1) 府の機関が職務上作成し、決裁を終えたもの
   (2) 府の機関が職務上受領し、閲覧を終えたもの

  (公文書の公開の定義)
  第2項 この条例において、「公文書の公開」とは、実施機関が、この条例の規定(第3章の規定を除く。)により、公文書を閲覧に供し、又はその写しを交付することをいう。

  (公文書の本人開示の定義)
  第3項 この条例において、「公文書の本人開示」とは、実施機関が、第9条第1項に該当する情報が記録されている公文書のうち、個人の氏名、番号等により当該個人の情報を検索することができる公文書で実施機関が定めるものについて、第17条の規定により、当該情報に係る個人(以下「本人」という)に対し、これを閲覧に供し、又はその写しを交付することをいう。

  (実施機関の定義)
  第4項 この条例において、「実施機関」とは、知事、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会、監査委員、地方労働委員会、収用委員会、海区漁業調整委員会、内水面漁場管理委員会及び水道企業管理者をいう。

 (実施機関の責務)
 第3条 実施機関は、公文書の公開並びに公文書の本人開示及び第18条第1項に規定する訂正を求める権利が十分に保障されるように、この条約を解釈し、運用するとともに、公文書の適切な保存と迅速な検索に資するために公文書の管理体制の整備を図らなければならない。

 (利用者の責務)
 第4条 この条例の定めるところにより公文書の公開を受けたものは、それによって得た情報を、第1条の目的に則して適正に用いなければならない。

 (個人に関する情報への配慮)
 第5条 実施機関は、この条例の解釈及び運用に当たっては、個人に関する情報であって、特定の個人が識別されうるもののうち、一般に他人に知られたくないと望むことが正当であると認められるものをみだりに公にすることのないよう最大限の配慮をしなければならない。

 (情報提供)
 第6条 実施機関は、府民の府政への参加をより一層推進し、府民の生活の利便の    増進を図るため、積極的な広報活動を行うとともに、府民の求めに応じ、わか    りやすい情報を迅速に提供するように努めなければならない。

 (公文書の公開の請求等)
 第7条 次に掲げるものは、実施機関に対して、公文書の公開(第5号に掲げるも    のにあっては、その利害関係に係わる公文書の公開に限る。)を請求すること    ができる。
   (1) 府の区域内に住所を有する者
   (2) 府の区域内に存する事務所又は事務所に勤務する者
   (3) 府の区域内に存する学校に在学する者
   (4) 府の区域内に事務所又は事務所を有する法人その他の団体
   (5) 前各号に掲げるもののほか、府の行政に利害関係を有するもの
  2 実施機関は、前項各号に掲げるもの以外のものから公文書の公開の申出があ    った場合においても、公文書の公開に努めるものとする。

 (公開しないことができる公文書)
 第8条 実施機関は、次の各号のいずれかに該当する情報が記録されている公文書    については、公文書の公開をしないことができる。

  第1項
    法人(国及び地方公共団体その他の公共団体(以下「国等」という。)を除    く。)その他の団体(以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む    個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は    当該個人の競争上の地位その他正当な利益を害すると認められるもの(人の生    命、身体若しくは健康に対し危害を及ぼすおそれのある事業活動又は人の財産    若しくは生活に対し重大な影響を及ぼす違法な若しくは著しく不当な事業活動    に関する情報を除く。)

  第2項
    公にしないことを条件として任意に個人又は法人等から府の機関に提供され    た情報であって、当該個人又は法人等の承諾なく公にすることにより、当該個    人又は法人等の協力を得ることが著しく困難になると認められるもの

  第3項
    府の機関が国等の機関と協力して行う事務又は府の機関が国等の機関から依    頼、協議等を受けた事務に関する情報であって、公にすることが、当該協力し    て行う事務又は当該依頼、協議等の条件及び趣旨に反すると認められるもの
 (公開してはならない公文書)
 第9条 実施機関は、次の各号のいずれかに該当する情報が記録されている公文書    については、公文書の公開をしてはならない。

  第1項
    個人の思想、宗教、身体的特徴、健康状態、家族構成、職業、学歴、出身、    住所、所属団体、財産、所得等に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関    する情報を除く。)であって、特定の個人が認識され得るもののうち、一般に    他人に知られたくないと望むことが正当であると認められるもの。

  第2項
    法令又は条例の規定により、公にすることができない情報

  第3項
    法律又はこれに基づく政令の規定により知事その他の執行機関の権限に属す    る国等の事務に関して、主務大臣等から公にしてはならない旨の明示の指示が    ある情報
 (公文書の部分公開)
 第10条 実施機関は、公文書に次に掲げる情報がが記録されている部分がある場    合において、その部分を容易に、かつ、公文書の公開の請求の趣旨を損なわな    い程度に分離できるときは、その部分を除いて、当該公文書の公開をしなけれ    ばならない。
  第1項
    第八条各号のいづれかに該当する情報で、当該情報が記録されていることに    よりその記録されている公文書について公文書の公開をしないこととされるも    の

  第2項
    前条各号のいずれかに該当する情報

 (公文書の公開の請求の方法)
 第11条 第7条第1項の規定により公文書の公開を請求しようとするものは、次    に掲げる事項を記載した請求書を実施機関に提出しなければならない。

  第1項
    氏名又は名称及び住所又は事務所若しくは事業所の所在地並びにその他の団    体にあっては、その代表者の氏名

  第2項
    請求に係わる情報の内容

  第3項
    前2号に掲げるもののほか、実施機関が定める事項

 (公文書の公開の決定及び通知)
 第12条 実施機関は、前条の規定による請求があったときは、直ちに(相当の理    由がある場合にあつては、当該請求を受理した日から起算して15日以内に)    、公文書の公開をするかどうかの決定を行わなければならない。

  第2項
    実施機関は、前項に規定する期間内に同項に規定する決定を行うことができ    ないことにつき正当な理由があるときは、その期間を15日を限度として延長    することができる。この場合において、実施機関は速やかに、当該延長の理由    等を同項に規定する請求をしたもの(以下「請求者」という。)に通知しなけ    ればならない。

  第3項
    実施機関は、第1項に規定する決定を行つたときは、速やかに、当該決定の    内容を請求者に通知しなければならない。

  第4項
    前項の場合において、実施機関は、公文書の公開をしないことの決定を行つ    た旨の通知をするときは、その決定の理由を付記した書面により、これをしな    ければならない。この場合において、当該公文書に記録されている情報が、第    10条各号に掲げる情報に該当しなくなる期日をあらかじめ明示することがで    きるときは、その期日を当該書面に付記しなければならない。

  第5項
    第1項に規定する期間(第2項の規定により当該期間が延長された場合にあ    っては、当該延長後の期間)内に、実施機関が公文書の公開をするかどうかの    決定を行わないときは、請求者は、公文書の公開をしないこととする処分があ    つたものとみなすことができる。

  第6項
    実施機関は、第1項に規定する決定を行う場合において、当該決定に係る公    文書に記録されている情報が第三者に関するものであるときは、あらかじめ当    該第三者の意見を聴くことができる。

 (公文書の公開の実施)
 第13条 実施機関は、前条第1項の規定により公文書の公開をすることの決定を    行つたときは、速やかに、請求者に対し当該公文書の公開をしなければならな    い。

  第2項
    前条の規定にかかわらず、実施機関は、公文書の公開をすることにより当該    公文書が汚損され、又は破損されるおそれがあるとき、第10条の規定による    公文書の公開をするときその他相当の理由があるときは、当該公文書を複写し    た物を閲覧させ、又はその写しを交付することができる。

 (費用負担)
 第14条 第7条第1項の規定による公文書の公開の請求又は同条第2項に規定す    る公文書の公開の申出をして、公文書の写し(前条第2項に規定する写しを含    む。)の交付を受けるものは、当該写しの作成及び送付に要する費用を負担し    なければならない。

 (救済手続)
 第15条 実施機関は、第12条第1項に規定する決定について、行政不服審査法    (昭和37年法律160号)第6条に規定する異議申立てがあつた場合は、そ    の異議申立てが明らかに不適法であるときを除き、遅滞なく、大阪府公文書公    開審査会(以下「審査会」という。)に当該異義申立てに対する決定について    諮問しなければならない。

  第2項
    審査会は、前項の規定による諮問があつた日から起算して60日以内に答申    するよう努めなければならない。

  第3項
    審査会は、第1項の規定による諮問に係る亊案の調査審議を行うため必要が    あると認めるときは、異義申立人、実施機関の職員その他当該亊案の関係者に    対して、出席を求め、その意見を聴き、又は資料の提出を求めることができる    。

  第4項
    実施機関は、審査会が第1項の規定による諮問に対する答申をしたときは、    これを尊重して速やかに、当該申立てに対する決定を行わなければならない。

  第5項
    実施機関は、異義申立てを受理した日から起算して90日以内に当該異義申    立てに対する決定を行うように努めなければならない。

  第6項
    審査会の委員は、職務上知ることのできた秘密を洩らしてはならない。その    職を退いた後も同様とする。

 (他の法令との調整等)
 第16条 この章の規定は、他の法令の規定により、公文書を閲覧し、若しくは縦    覧し、又は公文書の謄本、抄本等の交付を受けることができる場合における当    該公文書の閲覧及び写しの交付については、適用しない。

  第2項
    この章の規定は、大阪府立中之島図書館その他の府の機関が府民の利用に供    することを目的として管理している公文書の閲覧及び写しの交付については、    適用しない。

第3章 公文書の本人開示及び自己情報に係る記載の訂正
   (公文書の本人開示の請求)  第17条第1項 本人は、実施機関に対して、公文書の本人開示を請求することが    できる。

 (適用除外事項)
 第17条第2項 実施機関は、前項の規定による請求に係る公文書に次の各号のい    ずれかに該当する情報が記録されている場合を除き、当該公文書の本人開示を    しなければならない。

  第1号
    第10条各号に掲げる情報(第9条第1号に該当する情報にあつては、本人    以外の者に係るものに限る。)

  第2号
    個人の指導、診断、判定、評価に関する情報であつて、本人に知らせないこ    とが正当と認められるもの

 (公文書の本人開示の請求の方法)
 第17条第3項 第1項の規定により公文書の本人開示を請求しようとする者は、    本人であることを明らかにした上で、次に掲げる事項を記載した請求書を実施    機関に提出しなければならない。

  第1号  氏名及び住所
  第2号  請求に係る情報の内容
  第3号  前2号に掲げるもののほか、実施機関の定める事項

 (公文書の本人開示の決定及び通知)
 第17条第4項 実施機関は、第1項の規定による請求に対する決定を行つたとき    は、速やかに、当該決定の内容を当該請求をした者に通知しなければならない    。この場合において、公文書の本人開示をしないことの決定を行つた旨の通知    をするときは、その決定の理由を付記した書面により、これをしなければなら    ない。

 (委任)
 第17条第5項 前各項に定めるもののほか、公文書の本人開示の実施等について    は、実施機関が定める

 (自己情報に係る訂正の請求)
 第18条第1項 前条の規定により公文書の本人開示を受けた者は、当該公文書に    記録されている第9条第1号に掲げる情報のうち当該請求に係る者の情報(以    下「自己情報」という。)の事実の記載に誤りがあることを発見した場合は、    自己の人権を守るため、実施機関に対して、その訂正を請求することができる    。

 (訂正の義務及び適用除外事項)
 第18条第2項 実施機関は、前項の規定による請求があつたときは、訂正につき    法令に特別の定めがあるとき、実施機関に訂正の権限がないときその他訂正し    ないことにつき正当な理由があるときを除き、当該誤りを訂正しなければなら    ない。

 (訂正の請求の方法)
 第18条第3項 第1項の規定による請求をしようとする者は、当該誤りを証する    資料を添えて、次に掲げる事項を記載した請求書を実施機関に提出しなければ    ならない。

  第1号  氏名及び住所
  第2号  請求に係る公文書の件名及び誤りとする箇所
  第3号  訂正を求める内容
  第4号  前3号に掲げるもののほか、実施機関の定める事項

 (訂正の決定及び通知)
 第18条第4項 実施機関は、第1項の規定による請求に対する決定を行ったとき    は、速やかに、当該決定の内容を当該請求をした者に通知しなければならない    。この場合において、訂正しないことの決定を行った旨の通知をするときは、    その決定の理由を付記した書面により、これをしなければならない。

 (委任)
 第18条第5項 前各項に定めるもののほか、自己情報に係る記載の訂正の実施等    については、実施機関が定める

第4章 雑則

 (公文書の目録の作成等)
 第19条 実施機関は、公文書の目録等公文書を検索するための資料を作成し、公    衆の縦覧に供しなければならない。

 (制度の公正な運営等)
 第20条 実施機関は、府民、学識経験のある者等の意見を聴いて、公文書の公開    等の制度の公正かつ円滑な運営及び改善に努めなければならない。

 (運営状況の公表)
 第21条 実施機関は、毎年、この条例の運営状況について、公表しなければなら    ない。

 (委任)
 第22条 この条例の施行に関し必要な事項は、実施機関が定める。

附則
 (施行期日等)
  第1項 この条例は、昭和59年10月1日から施行する。
  第2項 この条例の規定は、この条例の施行の日前に作成され、又は受領された    公文書で、永年保存の定めのあるもの及び同日以降に作成され、又は受領され    た公文書について適用する。
 (附属機関に関する条例の一部改正)
  第3項 附属機関に関する条例(昭和27年大阪府条例第39号)の一部を次の    ように改正する。

   第1条第1号の表 大阪府総合計画審議会の項の次に次のように加える。
+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
|大阪府公文書公開審査会|大阪府公文書等公開条例       |
|           |(昭和59年大阪府条例第2号)   |
|           |第15条第1項に規定する異義申立てに|
|           |ついての調査審議に関する事務    |
+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+


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