栄山寺の前を吉野川が流れている。きれいなエメラルド・グリーンだ。源流は約70km遡った大台ケ原にあり、ここから西へ約60km下って紀の川と名前を変え、紀伊水道に注いでいる。上流の吉野・宮滝には、飛鳥時代から歴代天皇が行幸した吉野宮跡がある。 持統天皇の行幸に随行した柿本人麻呂は、「見れど飽かぬ吉野の川の常なめの絶ゆることなくまた還り見む」と詠んだ。この辺りは持統天皇にとっては、夫とともに兵を挙げた壬申の乱の記憶が残る王権の聖地だったから、人麻呂はそれを詠ったのだろう。 戻る