神奈川月記9711

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愛用IME・WX III for OS/2はまだVer.3なのだけれど,A.I.Softは熱心に面倒を見てくれてリヴィジョンナップを繰り返している。現在は3.04だ。WXシリーズはそのすばらしい性能に比して一般の知名度が報いていないのだけれども,このWX(II?)を下敷きにしながら大タコなMS IMEが人口に膾炙しているのは皮肉なことである。
リヴィジョンは主としてバグ取りの結果upされるものであるが,3.04に上がる際格段に進歩した部分がある。FEPスルーができるようになったのだ。IMEを起動したまま半角英数字をエディタなりワープロなりに直接ながしこめる機能を言う。
この辺ATOKを遣っている向きには解りかねる所であろう。ATOKなら[変換]で半角モウドに切り替わった瞬間,無条件にIMEを切ったのと同じ動作になるもんね。外のIMEでは半角入力のときでさえパレット内に文字列が一旦プールされ,[Enter]するまで紙上に落ちないのだ。ユーザは1回よぶんなキイタッチを強いられるわけで,ATOKを知る者にとってはまことに莫迦莫迦しい手間である。
喜んでFEPスルー(WX言うところの漢字直接トグル)にしてみたら,うーん,FEPスルーにすれば成る程FEPスルーになるのであるが,英数字が全角で入ってしまう。いかんいかん,これはおれが環境設定で全角優先にしているからである。んじゃ半角デフォルトにすれば良いじゃん。でもね,そうすると[ ]や[,]がFEPオンのときも半角になっちゃうのよ。" "はあまり出てこないから我慢できなくもないけれど,おれ横書きの読点に","を遣うから困っちゃう。辞書登録して「てん」とかで","が来るようにするのも何だかなあで,それに1桁の英数字は全角で書きたいし。
あちら立てればこちらが立たず,結局WXのFEPスルーは諦めた。残念至極である。完全にATOKのようになれば良いんだけどなあ。

wa la ya ma ha na ta sa ka a
wi li mi hi ni ti si ki i
lu yu mu fu nu tu su ku u
we le me he ne te se ke e
wo lo yo mo ho no to so ko o
va ぁ:xa pa ba da za ga
vi ぃ:xi pi bi di ji gi
vu っ:xtu pu bu du zu gu
ve ぇ:xe pe be de ze ge
vo ぉ:xo po bo do zo go
rya ゃ:xya bya nya cha ja gya
ryu ゅ:xyu byu nyu chu ju gyu
ryo ょ:xyo byo nyo cho jo gyo

仕事場にあるPCは当初MS IMEかATOK7しか入ってなくて非常に困った。どちらもロウマ字入力のキイカスタマイズができないからだ(ATOKも8ならできる)。
50音は概ね右表のように打つ。日本語のロウマ字表記は日本式か訓令式を好むくせにロウマ字入力でヘボン式を多用するのは,1ストロウクでも打鍵を少なくしたいが故である。
おれはOlivettiのタイプライタで英字配列を憶えキャノンのワープロと日立のワークステイションで以てキイボウド文化に馴染んできており,[L][A]と打ったら"ら"が出てこないと,むきょきょきょーと怒りが沸騰する。だって"LA"だぜ,どう考えたって"ら"じゃねーか。それが"ぁ"では裏切りの街角である。どういう訳かWX IIIもATOK8も初期値は[L]打ちが拗音ア行なんだよなー。"ぁ"は[X][A]じゃ,莫迦。
ロウマ字を割り当て直すのはなかなかに面倒な作業なんだけど,もう指が憶えてしまっているので入れ替えないわけには行かない。実にこうした所がOS選びの決め手だったりするね。好き勝手な設定のできるIMEがないと,外がどんなに優れたOSでも遣う気にならぬ。
Win・Mac・OS/2にはWXやATOKが居るから良いけれど──Windows以外のATOKはヴァージョンが低いのだが,9以上のミスタッチ自動補正なんかは小賢しい感じがして好かん。8で充分でないの──PC UNIXはどんなんかんな。うんぬ。
それから他社IMEの辞書コンヴァータは必須だぜ。OS/2ネイティヴのWritingHeads/2を遣ってみたいのは山山なのに,WX IIの辞書しか読み込まないからそれを持たないおれは空っぽのユーザ辞書を一から鍛えねばならない。そうまでして試す気持ちになれないのだ。
はて,WX IIIの辞書に不可触なのはIBMがA.I.Softに遠慮した結果なのかしらんね。


自室で何か書いたりプラモを作ったりしていて熱中し,腰の痛くなることがある。全高35cmのガラステイブルを前に床座りというスタイルを10年以上つづけており,座布団はそれなりに姿勢保持や腰痛回避に効のある(らしい)物を宛ってあるとは言えども寄せては返さない年波というものがある。折りを見て机と椅子の生活に戻そうと考えた。
PC関係を十把一絡げに収めることを前提とすれば,書斎机や座卓・キチンテイブルはそぐわない。畢竟歴史の浅いPCラック乃至PC机から選ばねばならぬ。
条件は大したことない。

  1. 17in.モニタが楽に入ること
  2. ミニタワが楽に入ること
  3. キャスタ付きであること
  4. プリンタを置ける天板のあること
  5. 側板なし(骨格のみ)で圧迫感・閉塞感のないこと
  6. 2万円もしないこと

前前からPC用の机は欲しかったん。長期に渡って放っておいたのはおれの腰の重いせいもあるが,気に入る机が見つからなかったことが大きい。腰を気にするようになるまでは逆に「床置き式(ユーザは床に胡座)であること」の一項がトップにあって,これが選択肢を厳しく狭めていた。椅子OKとならばがぜん見晴らしが良くなる。意外な所で見つかった。セシールの通販である。
棚板を奥に向かって傾斜させてディスプレイを落としこむタイプなのだが,ミニタワの本体を下段に収める都合があってそれは不可。ごく普通に水平設置する。椅子はガス圧式の最廉価品(座面の高さ調整をする支柱にガスが封入してあるだけであって,座り心地や背凭れの位置決めには無関係)である。
この机と椅子を置くのに家財の大幅なレイアウト変更となり,オウディオ関係でリアスピーカが食み出した。まだ部屋の真ん中で所在なげに立っているが,これは想定内のことである。メインのフロントスピーカと共に廃棄して新しくコンパクトなキャビ(とMDデッキ用のラック)を作りなおすつもりだったのに,埃を払ったりして見直しているうち何だか急に惜しくなった。うーん(今回よく唸るね)。
いろいろ考えてはみたものの現物合わせをしてみるとどうしてもメインのスピーカが入らない。どうやらメインキャビの交替とラックの製作は不可避である。リアのキャビのほうはどうやらフロントの壁際に置いて救えないでもないと判り,先月設計のキャビと合わせて4本キャビに8ユニット・フロント音源のみのマトリクス展開を試みることにした。
こうなるとユニットが2本たりなくなるのだけれど,おれまだFE87(8cm防磁型ユニット)を6本死蔵してたんよね。莫迦に歴史あり。新規メインはFE107+FE87の全防磁型に差し替え──このほうがTV脇に密着できて都合が良い──リア(サイド)は現行FE103Σのまま,これで行ってみよう。キャビの容積なんかを計算しなおすべきなんだろうが,代わるのは差信号ユニットだから細かいこと言わなくたって大丈夫だろ。

1997年11月1日


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IME
 各アプリで共通に用いる日本語入力ソフトのこと。以前はFEP(Front End Processer)と呼ばれていたが,いつの間にかIME(Input Method Editor)が主流になっている。もちろんWXもATOKもIMEであって,MicrosoftのIMEを指すにはMS IMEと長ったらしく言わねばならない。

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大タコ
 MS IMEでは全角のSPACEを打てないのにたまげた。SPACEバーを叩いても半角のSPACEしか入らないのだ。ずっと後になって[Shift]+[SPACE]で全角なのだと判ったが,MS IME2でもそのままなのかな。"…"を入れると半角のナカグロがみっつ並ぶらしいのだけれど,どうしてそんな仕様を良しとするのか理解に苦しむ。

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完全にATOKのように
 FEPオンのときは全角の" "が・FEPスルーなら半角" "が入ってもらいたい。実はこれ,Win-OS/2側ではなるのだ。生のOS/2のIME仕様がFEPスルーを困難にしているらしい。ATOKは端から独自のアーキテクチュアで,OS/2に限らずOSのIME仕様を無視しているのだそうな。

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裏切りの街角
 えーと,誰だっけ。甲斐バンドは裏切りの歩道だよなあ。

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"ぁ"は[X][A]
 [X][A]は"ザ"ではないかと言う向きもあろうが,そこがほれ,カスタマイズしたいのココロ。

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Windows以外のATOKはヴァージョンが低い
 Macのはこの度ATOK11になった。おめでとう。

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written by nii. n
裁断図1 MX-111改1 MX-111(1) MX-111改2