やっとJaguarを入れた

2002.09.23


●気分は盛り上がっていたけど

とにかく、気分は盛り上がっていた。けど、入れたのは発売から1ヶ月近く経とうとする頃だった。私のJaguarインストールである。

発売自体がイベントになり、メジャーアップデーションとしてアップル社直々に大々的なマーケティングが展開されて、8月24日に無事発売された。私もアップルストアのクーポンがあったので、気持ち安く事前予約しておいた。もちろん、当日のお昼には届いた。

あぁ、インストールしたい! でも、最大の問題は、今現在も仕事に使っているマシンであること。Mac2台体制ではないこと、もう一つMac OS Xを入れる余裕のあるパーティションもないことから、ハードディスク交換も考えたが、焦る前に情報収集を、という正しい道筋を思い浮かべて、インストール大会などを見学もさせていただいた。様々なWeb上の情報も読んだ。

今回はどうも、何も考えずに上書きインストールをするとまずいようだ。となれば、仕事で使うマシン、ますます現在の安定度を捨てるわけにはいかない。とにかく、PHSのデータ通信カードの抜き差しさえ行わなければ、びっくりするほど安定しているのだ。

何度も考えた。Classic環境がかなり速くなる。起動なども速い、動作速度は期待したほどではないが、遅くなることはまずない、インストールが最大の関門でそこさえうまくいけばかなり安定している、などといった情報を聞いたり、実際に動かしているところを見たりすると、いいなーとは思う。思いつつも、特に問題のないMac OS X 10.1.5で生活していた。


●秋分を前にインストール決行

知らずしらずのうちに耳年増(?)になっていた頃、MacOS 9の入っているパーティションを整理したところ、意外に空き容量があることに気づいた。というか、十分入るな、これは。

結局、従来のMac OS X 10.1.5とは別のパーティション、MacOS 9が入っているパーティションにインストールした。したがって、新規インストール。時間こそかかったが、まったくなんのトラブルもなしにいきなり起動してくれた。起動した瞬間、ソフトウェアアップデートが動作して、10.2.1へのアップデートと、セキュリティ対策、iTunes3.0.1が入ってきた。私は、いきなり10.2.1から経験することになった。

最初に、まず本当に起動が速くなったことを実感。これはかなりありがたい。起動してログインして、操作可能になる時間がずいぶん長く感じていただけに、やっといい感じで立ち上がるようになったと実感できた。

前宣伝のあった画面描画は、いうほど速くなった印象を受けない。ただし、システム環境設定、Mail、OmniWebなどに触れて、いわゆるCocoaアプリケーションのレスポンスがよくなっていることに気づく。もちろん、Classic環境のアプリケーションも、噂通り速い。

そんな風に何となく設定関連を行ってから、ファイルやディスク関係、つまりFinderを触ってみた。実は、これがいちばん驚いたかもしれない。たとえば、ディスクのアイコンをダブルクリックすると、ディスクからすーっと白い枠が飛び出してきて、ウィンドウが開く。MacOS 9まで存在していた、ウィンドウの開閉に伴うズーミングの復活である。

私は、これがなくても特に困る感じがなかった。しかし、この動作が出た瞬間に「あぁ、マックに触れてるんだ」と思った。なるほどと思い、あちこちいじると、動作速度の向上に伴って、動作のリズム感が磨かれていることに気づく。たとえば、カラム表示のウィンドウで、フォルダに触れると、ぽんとウィンドウが右にスライドしていく。ごみ箱にファイルを入れると、かちっと音がする。いわゆるマッキントッシュの動作のテイストとでもいうものが、あちこちに感じられる。

つまり、画面描画速度や動作速度が向上して生まれた余裕を、開発者は心地よいリズム感を生み出す方向に注ぎ込んだのだ。一見速くなっていないように思えるが、実は裏側の処理にずいぶんと力を注いでいるようだ。速度のことで不満を覚える人も多いだろうが、これはなかなか面白い方向だと思う!


●Sambaサーバも入って、なおよい

私にとって、Mac OS X 10.2.1への変更で最大のポイントは、実はSambaのサーバとなるための設定を、表に出したことだ。もちろん、従来からあったのだが、一般ユーザに設定も含めて扱えるようにはしていなかった。ここが、10.2以降、システム環境設定で扱えるようになった。

手順としてはこんな感じだろうか。

1.システム環境設定の「アカウント」で、ユーザを選んで編集ボタンを押す。

2.選択したユーザについての編集シートが出てくるので、「ユーザがWindowsからログインするのを許可する」チェックをオンにする。

3.システム環境設定の「共有」で、「サービス」タブを開き、「Windowsファイル共有」チェックをオンにする。

これで、きちんと動作する。ただ、2.にはちょっとしたコツがある。編集シート上では、チェックボックスがグレーアウトされているので、触れないのだ。慌てずに「現在のパスワード」欄に、パスワードを入力してそのまま改行キーを押す。グレーアウトがとれて、チェックできるようになる。実は私、これにわからずハマってしまった。

なお、普通、Windowsのファイル共有を行う場合、ワークグループ名を変更することが多い(そうでないと、危ないしね)。これは、システム環境設定では行えない。アプリケーションフォルダ → ユーティリティフォルダの中にある、ディレクトリアクセス(英語名DirectoryAccess)。これを起動する。そして、SMB(Sambaのこと)を選択してから、設定ボタンを押す。これで、適切なワークグループ名を入れる編集シートが出てくる。ここを変更すれば、めでたく成功。

このあたりの仕組みは、実はMac OS X Server 10.2と期を一にして変更されたようで、様々なディレクトリサービスに柔軟に対応していくために、あえてUNIX密着型の設計から一歩置くような、Mac OS Xチームの思惑が見え隠れする部分かもしれない。

動作感覚の向上とあいまって、触っていてとても気持ち良いOSになってきた。そう大きな見かけの変更があったわけではないのだが、もう10.1時代に戻る気にはなれない。不思議なバージョンアップだ。


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