水無瀬恋十五首歌合―目録―


水無瀬殿恋十五首歌合 建仁二年九月十三夜

 題
春恋  夏恋  秋恋  冬恋  暁恋
暮恋  羇中恋 山家恋 故郷恋 旅泊恋
関路恋 海辺恋 河辺恋 寄雨恋 寄風恋
 作者
左馬頭藤原親定 後鳥羽院 *1    左大臣 良経
前大僧正 慈円          権中納言公継
俊成卿女           宮内卿
大蔵卿藤原有家        左近衛権少将藤原定家
上総介藤原家隆        左近衛権少将藤原雅経
 読師   家隆朝臣 *2
 講師   定家朝臣
 判者   皇大后宮大夫入道釈阿
  当座付勝負追書判詞 *3

【註1】「左馬頭藤原親定」は後鳥羽院の隠名。当時同名の人物が実在し、当歌合の前年の建仁元年(1201)八月、左馬頭に任じられている(「公卿補任」)。水無瀬流藤原氏、大納言定輔(後鳥羽院の琵琶の師)の子で、従二位参議に至った人。嘉禎四年(1238)に五十六歳で薨じている。
【註2】読師は、他の諸本では空白となっており、家隆の名が記されているのは群書類従系統の本のみである。上記メモに記したように「明月記」には当日の出席者に家隆の名は見えない。
【註3】「当座付勝負追書判詞」は、「その場で勝負をつけ、判詞は後日書いた」ということ。歌会当日、衆議判がなされ、それに基づいて釈阿(俊成)が後日判詞を作成したものと思われる。



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最終更新日:平成14年3月5日