瓊瓊杵尊 ににぎのみこと

天照大神の孫。天忍穂耳(あめのおしほみみ)命の子。母は高木神のむすめ万幡豊秋津師(よろずはたとよあきつし)比売。神武天皇の曾祖父になる。
大国主神の国譲りを受け、父に代り葦原中国を統治するため天降(あも)りした。日向の高千穂峯に降り立ち、ここに宮を建てた。大山津見神のむすめ木花咲耶姫(このはなのさくやひめ)を娶り、火照(ほでり)命・火須勢理(ほすせり)命・火遠理(ほおり)命をもうけた(以上古事記による)。
日本書紀巻二に歌一首を伝える。

霧島神宮
霧島神宮 鹿児島県姶良(あいら)郡霧島町。
瓊瓊杵尊を祀る。

 

沖つ藻は ()には寄れども さ寝床も あたはぬかもよ 浜つ千鳥よ

【通釈】沖を漂ってる海藻だったら、浜辺に打ち寄せるけどさぁ、そんなふうに彼奴は俺に寄ってくれなくて、寝床を一緒にすることもかなわないのさ。仲の良い浜千鳥たち、お前たちが羨ましいよ。

【補記】日本書紀巻第二。瓊瓊杵尊が大山祇(おおやまつみ)の神のむすめ豊吾田津姫(とよあたつひめ)を娶ったところ、一夜にして孕んだので、瓊瓊杵尊は己の子であることを疑った。豊吾田津姫はウケヒによって疑いを晴らすが、夫を恨んで寝床に近づけなくなった。これを憂えた瓊瓊杵尊が詠んだ歌という。


更新日:平成15年03月21日
最終更新日:平成21年04月16日