----和歌山県篇(1)ー1----
----WAKAYAMA----
■和歌山県の郷土玩具ガイド■(掲載されていないもの、廃絶品を含みます)
和歌山市:瓦玩具。淡嶋神社の守雛。 海南市:紀州雛。 粉河町:粉河寺の流し雛。 高野:五輪塔土鈴。真田土鈴。壷坂寺観音土鈴。 御坊市:練り物。張り子。 白浜:白浜円月島土鈴。紀州てまり土鈴。椿温泉土鈴。 那智勝浦:熊野古式くじら舟。熊野大漁舟。火祭り人形。えんぎ三猿。 くじら舟土鈴。いるか土鈴。 新宮市:なぎ人形。羽子板。プロペラ舟(廃絶)。 ■施設■ 和歌山県経済センター(1F:県内物産展示室) 和歌山市西汀丁26 TEL:0734-33-1500 紀州漆器伝統産業会館:海南市船尾222 TEL:0734-82-0322 |
■和歌山の瓦玩具■ 和歌山市内には古くから瓦猿・瓦牛・瓦蟇(がま)が作られてきました。これは、屋根瓦と同じ素材で、黒一色で部分的に彩色されています。 「瓦猿」:市内の若宮八幡宮の境内の日吉神社で、安産、子授けの祈願に授与されています。 「瓦牛」:市内の津泰(つばた)天満宮で授与されています。この瓦牛は、牛が草を喰うことから、昔は子供の腫物(はれもの)、つまり「クサ」(皮膚病)を喰わせて治そうという呪い(まじない)に用いられたものです。かっては、同社の床下には奉納された瓦牛が、山のように積まれていたということです。 いまは、受験合格、就職祈願として瓦牛が授与されています。 「瓦蟇」:かっては、加太大国主命で授与されていましたが、現在は廃絶しています。 この蟇(がま・ひきがえる)は、淡嶋神社の遷徒(せんし)殿の蟇で、これを奉納すると勝負ごとや訴訟に、また、男女の縁結びにご利益があるといわれました。 この蟇の由来は、「古事記」に記されている大国主命に供をした多邇具久(たにぐく)で、大国主命と小彦名命をとりもった縁で、淡嶋神社境内の小社にまつられ、その象徴としての蟇が奉納されるようになったものです。 制作者:野上泰司郎:和歌山市田中町4-18..TEL:0734-25-1988 ■土馬■ 現在は無くなっていますが、以前には「和歌山の馬」と呼ばれた、素焼の小型の飾り馬がありました。瓦牛などの発想は、この土馬からではないかと考えられています。 ■淡嶋神社の守雛■ この神社の雛は一般的な男女一対ではなく、 御守雛の包みを開くと、ご小さな、烏帽子のある首に千代紙の着物の人形と、千代紙のお包(くるみ)につつまれた赤子が付いています。 御守雛の包み紙の内側に書かれている縁起:「御守雛は神功(じんぐう)皇后此淡嶋にいたらせ給い小彦名命御容いと小さくましましければ小さき御容をきぬにて作り此社頭に納め給ひてより淡嶋雛又は小米雛と云ひて身の守りとせり--」 本来、このような紙の人形(ひとがた)=雛は、悪疫の祓(はら)いに海や川に流したものであり、それがいつのまにか守りの人形(雛)の形式になったものと考えられています。 この淡嶋神社の「雛流し」の神事は有名で、3月3日に行われ、白木の船に乗せた雛人形が、加太の浦から流されます。 ■粉河寺の流し雛■ この「流し雛」の行事も有名で、昭和56年3月、50年ぶりに復活され、「紀ノ川流し雛」として、毎年、3月3日に町の行事として行われています。 この流し雛は同寺務所で平素も分けていただけます。 ■田辺の面子(めんこ)・船霊様■ 次ページに掲載の三番叟や首人形とともに、一時、復元された玩具で今は廃絶しているものです。(次ページをご覧ください) |
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