Phonic PAA3 スペクトラム・アナライザー

 

PAA3は、ハンディーサイズで、しかもわずか39800円で買える31バンド・オーディオ スペクトラム アナライザーです。

この種の機械の過信は禁物であり、最後は耳で決めるのはいうまでもありませんが、基準となるフラットな特性はどこか、部屋の構造から来るディップやギャップはないか、など、アナライザーで把握しておくことは非常に効率的なのは言うまでもないでしょう。

とくにJBL4344のように4Wayで、かつ、連続可変アッテネーターの調整がユーザーにゆだねられている場合、左右でも特性が異なりますし、PAA3なしで耳を頼りに最適値に追い込んでいくのは非常に困難と思います。  

 昨今は、調整部分がなく、とにかく最初からでもそこそこの音では鳴る使いやすいスピーカーが多く、4344のように調整しないとひどい音で鳴るようなスピーカーは今となっては特殊です。でも、きちんと使えさえすれば、JBL43446の調整キャパシティーは膨大であるといえます。ただし、うまく調整するには、やはりPAA3のような道具が必須と私は感じています。JBL4344のアッテネーターにも目盛はありますが、ほぼ当てにならないと考えなければならないようです。普通は、個体差に加えて部屋の影響もあり、左右でかなり違う設定になります。全部を指定値にしておいても、決して左右で同じバランスにならないです。

 

 現実的調整としては、スピーカーの調整だけで、左右ともおおよそフラットに追い込んだ後、耳を頼りにレンジ別に左右のバランスを取り、その後、デジタルイコライザ、DEQ2496で微調整していきました。

 ただし、アッテネーターで高域を下げたのと、イコライザーで下げたのでは、同じような特性でも質感が非常に異なることもわかりましたので、PAA3があろうとも、やはり耳で確かめながらの試行錯誤が必要です。

 JBL4344のスーパーツイーターのアッテネータの調整を通して、実はこの領域の調整が全体の質感に大変な影響を及ぼすことも学びました。

 

 JBL4344 の欠点と思っていたものの多くは、調整可能でした。ただ、その欠点がまた魅力でもあったりして、あえてもとに戻したりして、やはり最後は自分の耳だけが頼りです。

今では、本当にすばらしく素直で聞きやすいシステムに変貌しました。DEQ2496と合わせ、このPAA3の39800円は安すぎるといってよい投資でした。

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