ELAC BS312
スピーカー



ELAC BS312

 JBL4344を100Hz以下の低域で生かし、それ以上の中高域を現代最新スピーカーに入れ替える、というアイデアを実現するための実験は、最初は、たまたまサブとして所有していたELAC 310CEを使って始めたものでした。

 低域用パワーアンプのAudio Design DCPW240、チャンネルデバイダーAshly XR-1001導入から、パッシブ・ローパス、パッシブハイパス・フィルターの製作も経て、現在のPIEGA COAX 711 + JBL4344の低域のシステムに到る研究期間のうち、一ヶ月半ほどの間だけ、実験のために導入したのが、ELAC 310CEの後継機、このELAC BS312でした。
 310CEではハンドリングパワーが足りず、高額なPIEGA COAX 711を一気に導入するのには、十分な試験が出来なかったためです。



 310CEからのハンドリングパワーの向上と音質の変化は著しく、BS312は、310CEとはかなり違うスピーカーでした。

 実験という意味では、JBL4344と組み合わせるには、ハンドリングパワーは、そのBS312をもってしても全然足りない、というのが結論でした。その結果、PIEGA COAX 511ではなく、711を選択することに決めたのでした。

 BS312の音質は、一般論としては素晴らしく、310CEよりかなり良く(かつ使いやすく)なったと言えると思います。ただ、310CEに出会った時に私を打ちのめしたインパクトある音は鳴りを潜め、鳴らしやすい超高性能スピーカーになっていたのでした。
 310CEがこの音だったら、私は310CEを導入していなかったかもしれないですね。オーディオ機器との出会いと言うのは、そういうものだと思います。

 定位という意味では、小型のBS312は、上下方向でも定位幅が狭く、その点では、少し縦長に定位するCOAX 711よりシャープで、究極のピンポイント。ボーカル用に置いておきたかったのですけれど、COAX 711とBS312を同時に置スペースはなく、手放さざるを得なかったのです。遥かに小さいBS302なら置けるかな、なんて妄想も時々描いてしまうくらい、その定位は驚きでした。

 

オーディオのページトップへ