伝統ゲーム紹介


投扇興の道具


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投扇興の道具

 投扇興に必要なものは、投げる扇、的、的を乗せる台の3つです。 この3つがあれば遊ぶことはできます。 もっと楽しむためには、点数表があれば良いでしょう。
 歴史的な資料では、重さや長さにこれといった細かい記載は無く、 若干の記載があっても資料によって異なっています。決まったものはありません。

 今は投扇興専用の扇というのが売られています。軽く飛ぶようにということでしょうか、骨の数を減らしたり、紙を両張りでなく片張りにしたりしています。
しかし、江戸時代にそういう専用の扇はありませんでした。扇は普段の持ち物であり、特殊な遊び道具ではありませんでした。投扇興の元は投壺という遊びと考えられていますが、投壺は矢や壺といった特殊な道具を使うため、日用品でもっと手軽に遊べるようにと生まれたのが投扇興だったと考えられます。ですから普通に売っているものを使って遊ぶことが充分可能です。 なるべく軽いものが良いのですが、軽くても小さいものは浮力が弱く良く飛びません。 しかし、飛ばないのであれば的から投げるところまでの距離を短くすれば良いだけです。 要はその家や団体の内で統一されていれば問題はないものです。
扇は何度も投げ、的や床に当たるので早く痛みます。ですから安いものが良いでしょう。
当会でも斡旋いたします。

 歴史的な資料では蝶、花、的などと呼ばれています。当初は「文銭十二枚を芯に、銀紙でくるみ、金銀の水引をかけ」たものが使われていました。二度目、三度目の流行の折には、「蝶の形や銀杏の葉の形」をし「両端から鈴を垂ら」したものに変わりました。最近市販されているものも、皆、この後者の形をしています。
 しかし、これは投扇興の本の話で、実際に遊ばれたところを記述した本を見ますと、貨幣何枚かを懐紙でくるんでお捻(ひね)りとしたものや、蝋燭(ろうそく)などが的とされています。実際はそういうものだったようです。
 現在でしたら硬貨を10〜12枚ほど重ねて作ってはいかがでしょうか。手芸が得意な方でしたら、布で作ってみるのも良いかもしれません。ただ、その辺の適当なものを載せても一向に構わないでしょう。ティッシュペーパーなどにコインを入れてお捻りを作れば、立派な的になります。

 木枕、花台などと呼ばれています。縦横10cm、高さ20cmほどの木の箱があれば結構です。サイズや大きさにはこだわる必要はありません。文献にサイズが書かれたものはほとんど無いのです。 あまり倒れやすいものは適していませんので、重いものか、下に台があって倒れにくいものにしましょう。お茶や海苔の缶に重石を入れても良いと思います。

専用セット

 扇店などに行くと、扇と的と台を一緒にした専用の投扇興セットを売っています。しかし、3万円も4万円もしてかなり高価で個人で楽しむのに適しているとは言えません。何人かで集まってお金を出し合えば良いのでしょうが、中には美術的に美しく、観賞用で実際に投げるのには適していないものもあります。元々投扇興は、そのあたりにあるもので遊んだもので、それがために流行したといえるでしょう。扇以外は簡単に手作りできます。当会でも手作りの格安のものを斡旋していますのでお問い合わせください。

市販の道具を購入したい方は下記で扱っています。

   宮脇売扇庵(京都市、東京にも営業所あり)


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