伝統ゲーム紹介


投扇興の遊び方

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投扇興の遊び方

1.投扇興の本によれば

(1)台を置きその上に的を乗せます。
(2)一定距離離れたところに座ります。2人で行う場合は一定距離離れて向き合って座ります。
 この距離は文献によって、扇3本だったり、4本だったり、5、6尺だったりしています。
(3)扇を投げます。投げた後の形で点数が与えられます。
(4)2人の場合は交互に決まった数投げます。途中で席を交替するものもあります。
  文献では5回、10回、12回というのが残っています。
(5)点数の合計で勝敗を決めます。

2.実際の記述によれば

 上記の遊び方は「投扇興を紹介する本」や「点式図」に載っているものです。従って実際にそのように遊ばれていた、ということにはなりません。実際に遊ばれた内容は、第三者の目から見た本に書かれている内容は、上記とはかなります。例えば江戸の街で起きた事象を綴った本や、遊びのことを書いた本には、「一人で」遊び、「銭を包んだ紙」や「蝋燭」を的にしていたという記述があります。こちらの方が実体ではなかったのかという感じがします。昨今復活させている人たちは「紹介する本」を盲信しているようです。
 江戸時代の本や点式による投扇興の役は、不十分で実際に遊ぶには問題がいくつもあります。それらが実際に使われていたとは思えない節が多々あります。ゲームはシンプルな方がとっつきが良く、大勢の人間に好まれます。カジノゲームを見ても、複雑なゲームは賭けの対象となることは少なく、大勢の人間が熱狂することはありません。おそらく幕府により禁止されるまでは本とは異なる単純な遊び方で行われ、禁止の後に点式図にあるような複雑な遊び方に変わっていったのだと思われます。

3.今、遊ぶなら

 投扇興には作法も格式もありません。ただ一定距離離れたところから扇を投げて的を落とすだけです。判定は点式図を用いれば良いのですが、すべての場合が網羅されているわけではないので、そこは家庭ルール、ローカルルールを適用すればよいでしょう。点式図、ルールの問題などはメールにてお問い合わせ下さい。


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