ゲームのイベント探訪記


「菟橋神社盤持大会」


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石川県小松市。駅から歩いて10分ほどのところにある菟橋神社。 ここで8月の26日から3日間行われるのが西瓜祭りである。 西瓜の豊作を祈ったり、西瓜に感謝したりするわけではなく、水と火の祭りで、もともとは水火と書いたらしい。 その祭りの中、27日と28日の盤に行われるのが盤持大会である。 この盤持ちとは、重いものを持ち上げる行事である。 同様の行事は日本各地の寺社にあり、祭礼の余興や若者の大人の仲間入り儀式として行われてていると考えられる。 ここ、菟橋神社では、持ち上げるのは120kgの石、80kgの米俵、50kgの米俵の三種。80kgが一般男子用、50kgは女性と中学生用である。 行事の開始は午後6時。少し前まで子供の奉納相撲が行われていた、境内に作られた土俵が会場である。 すぐ横のテントに事務所が作られ、おじさんがマイクで案内を始める。参加希望者は、申し出るようにとのことだが、時間になっても希望者は2、3人。 土俵の回りの観客も4、5人である。「これでは10分ほどで終わってしまうのではないだろうか。なんともショボいイベントだ。」そんな落胆が感じられた。 行事開始。マイクアナウンスがで紹介が行われる。「それでは盤持ち大会を始めます。最初の挑戦者は○○町の○○○○さんです。」 アナウンスが終わり、挑戦者が土俵に登場。米俵の持ち上げにかかる。持ち上げの大会は全国何ヵ所かにあるが、それぞれ成功の基準が異なる。 ここは肩まで担ぎ上げて成功となる。一度で地面から肩まで担ぎ上げてしまう人、3、4分粘って股の上までの人、様々である。いつのまにか土俵の周囲には五十人ぐらいの見物人が集まっており、挑戦者も途切れることなく続いていた。 商品だが、見事持ち上げた人間には、一升瓶の日本酒が授与されていた。未成年者は図書券か商品券らしかった。 また持ち上げられなかった者にも、参加賞か残念賞ということで、ハンカチかミニタオルのようなものが出されていた。 ときおり、石に挑む者がいたが残念ながらこの年は成功者はいなかった。話によれば前年は一人成功した人がいたそうである。挑戦者は途切れることなく続き、大会が終わったのは夜の9時近く。 大会といっても順位などは決めず、持ち上げた人もそうでない人も、自分の番が終わるとそのまま帰ってしまう。そんなシンプルなイベントであった。 (2014. 8)

 

 

 

 

 


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