ゲームのイベント探訪記


「北奥羽軍鶏闘技大会六戸場所」


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青森県上北郡六戸町の祭りは5月のゴールデンウィークの期間、様々な行事が行われるわけだが、その中に奥羽軍鶏闘技大会六戸場所が含まれている。2010年、場所は川沿いの資材置き場。メイン会場の舘野公園からは少し離れる。車なら数分だが歩けば結構な距離だ。そのためか、集まっているのは関係者ばかりのようだ。
10時。円形の闘鶏場が20ほど並び、すでに対戦は始まっているようだ。
 会場の一角には3張りのテントが立てられている、一つは受付、一つは賞品置き場になっており、もう一つでは食品が売られていた。近辺に食事のできるところがないので設けられているのだった。テント横には板塀が立てられ、協議事項が貼られていた。
1.3キロ以下の鶏も受け付ける。
2.勝負制限時間は一時間とする。
3.勝負は夏、冬同じ十分からとする。
4.十分に達しない時間内の座り(胸をついた時点)はキレとしてノーゲーム。
5.1回目は一呼吸おいて十秒座った時点で勝負とする。(胸つき、横座り、仰向け、肘つき)
6.飛びは、しばに鳥が上がった時点で勝負とする。飛びを二回試みた時点で勝負とする。
7.合わせワザを勝負とする。
8.組み合わせ重量差は、0.2キロまでとし、0.3キロ以上は両鶏主の了解をとる。
9.逃げは鳴くまでとらない。
10.Aが座りBが飛んだ場合、Aが十秒に達しない場合Bが負けとする。
11.五十九分五十一秒以降の座りは分けとする。
12.審判は勝負〆に両鶏主に時刻を知らせ時計を確認させ直ちに掲示する。
13.出場料は今年度一律に一羽当り三千円とする。
14.受付後に組み合わせが決定した場合、ノーゲームでも返金は無いこととする。
15.各会で仲間割れをして新たに連盟に加入することは絶対認めない事とする。
16.闘鶏中(鶏)に妨害した者には双方に対し参加料を支払うと共に罰金一万円とする。
かなり詳細なルールで、競技として問題が起きないようにとの配慮が伺える。
 受付の横には、大きな板が張られ、次々と対戦が書き込まれていた。土俵番号の下に、地名と氏名、その下に鶏の体重が書かれている。土俵ではそれぞれ対戦が行われていた。いずれの土俵でも、審判が一人おり、ストップウォッチを持って、中を注視していた。一声鳴いたら負けとなるのだから集中力していなければならない。60分ずっと注意していないのだからこれは大変だろう。
 掲示板を見直してみると、結果が出たところでは10分台から50分台まで様々で「分け」も何件か出ていた。1時間たっても勝負がつかないことは、稀ではないようである。取り組みはほぼ150組。トーナメントのように、勝ったから上へ行く、というような対戦ではなく、すべて一試合ずつであったが、後で聞いたところ鶏が元気な場合、新たに参加料を払って取り組ませる鶏主もいるということである。一試合は60分と、とにかく長い。さすがに行事と鶏主以外は一つの土俵を見続ける者はいない。夕方前に取り組みを終えて閉会となったが、表彰式兼閉会式が行われた。表彰と言うのは、決着までの時間で決まり、短いものと長いものの上位3名ずつが名前を呼ばれ飼い主に賞品が授与された。長いというのは、制限時間ぎりぎりで決着がついたものである。
 主催の六戸中央闘鶏愛好会の人に聞いてみると、北東北の愛好会が集まって北奥羽軍鶏闘技連盟が組織されており、同連盟の主催する大会は4月から8月の間に年に13回行われるが、本拠地であるこの六戸の大会が最も大きいということであった。軍鶏は国内各地の産地から購入し、近くにある鶏の孵化場を借りる者もいるし、自宅に設備のある者は自宅で孵化させるとのことであった。

 

 

 

 


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