ゲームのイベント探訪記


「かるた始め」


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 1月3日、京都の八坂神社でかるた始めが行われる。日本かるた院本の共催である。日本かるた院というのはあまり馴染みのない名前だが、明治末期に競技かるたのルールがほぼまとまり、様々な団体ができ、それがほぼ統一されるに至った。それが分裂して日本かるた協会と日本かるた院になり、協会の方は名人戦やクイーン戦などマスコミで紹介され、各地に支部をも受けるなど広く活動しているが、院の方は地味で、どのような活動をしているのかよくわからない。ただこの「かるた始め」と「かるた忌」だけは毎年ニュースに登場する。

会場は八坂神社の能舞台。まず司会者の解説がある。小倉百人一首について解説をするが、

いよいよかるた始め。十二単を着た女性と子供が登場する。男の子は水干姿、女の子は小ウチギ姿と、どちらも平安時代の衣装である。  続いて「かるた奉納の儀」と説明があり、正面に台を置き、女性や子供たちが奥から百人一首かるたの箱を出してその台の前に置くというのを繰り返す。

そしてかるた取りに入る。まず2人のかるた姫による1対1の対戦。競技かるたは25枚ずつ50枚を場に置き、100枚を読むが、今回は20枚ずつ40枚と解説。見物が飽きないようにとの配慮であろう。それが終わると20人ほどが2列に分かれて、1対1のかるた取り。序歌がかるた協会のものと異なるだけで、普通の競技かるた、つまり明治末期に始まった、たかだか100年の歴史しかない遊びである。それを「古式床しい行事」とマイクアナウンスするのは、偽装と言う他無いであろう。観光も重要な仕事なのだろうからするなとは言わないが。事実と異なることはきちんと説明すべきであろう。

 それが終わると、一同は整然と順番に退出。かるた姫と童子たちは外でカメラマンの要請に応じて記念撮影をしていた。 (2009. 1. 3)

 

 

 


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