ゲームのイベント探訪記


「近代ゲーム」系イベント


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 平成17年8月、奈良県大和郡山市において金魚すくい大会が開催された。  場所は総合体育館。JR郡山、近鉄線の近鉄郡山駅前からバスで30分というところだが、駅前にそろいのジャンパーを着たスタッフが立っており、整っているようである。  バスはこの日のために会場と往復する臨時シャトルバスが15分おき程度に通る。至れり尽くせりだ。  会場は周囲に幟を張り巡らし、場内は模擬店で一杯だ。やきそばなどは当たり前。 大和郡山市の特産品を売る店、金魚グッズを売る店、夏なのでかき氷や缶ドリンクもある。中でも目立つのは金魚すくい屋。ちゃんと選手練習用と一般用の両方がある。  1500人を越す人間が集まっているのだから大変である。しかも、前日に奈良県大会が開かれており、そこでの成績優秀者しかこの日の大会には参加できない。奈良県人にとっては出場が大変な大会なのである。

 会場へ入ると、一面の正面にステージ、巨大なスクリーンが壁にかかっている。その前にUの字型にビニールシートの上に金魚の入った水槽が配置されている。長さ1m、幅50cm、高さ30cm程だろうか。これが25用意され、すでに各水槽千匹の金魚が泳いでいる。  まず女子校のチアリーダーによる踊りで開幕だ。それに続いて若い女性の司会者が壇上に上がる。次に紹介されて上がってくるのはタレントのタージン。第1回から司会を引き受けているらしい。さらに2名の女性リポーターが紹介。場内実況をするらしい。そんなことが必要とは思えないが、それだけ盛り上がる大会なのである。  来賓の議員を紹介して、いよいよ競技開始。 中央の空いたところへゼッケン1から25、26から50は集まれと、アナウンスが入る。揃うと音楽が鳴り、最初の100人が女子高生のプラカード持ちを先頭に行進。25の水槽に4人ずつついていく。一つの水槽には係がいてポイの入った箱を持ち、選手はそこからいくつかをまとめて取って、一つずつ入念にチェックしていく。本来均一でなければならないポイだが、善し悪しがあるようで、ポイの選択で勝負が決まるようなこともあるため、真剣に見定める必要があるのである。なにしろ使えるポイはただ一つ。破れても交換はできないのである。ポイはプラスチック製の枠に鷲を張ったものである。この糊のつき具合が勝敗を分けると言っても過言ではない。  水槽の選手全員がポイを選び終えると係が合図を出す。さらに旗を持った係が4人おり、各自の担当する水槽の全員が合図を出すと旗を揚げる。旗が4本揚がると実況のタージンがその旨を告げる。するとステージ横の審判長が開始の笛を吹く。賑やかな音楽が鳴って3分間の競技がスタートする。
 取り方は人によって様々。巧い人はほとんどポイを動かさず、待っていて金魚が通ったところですくい上げている。なるほどその方がポイを動かさないため破れることが少ないのだろう。
 競技の最中もタージンは喋りっぱなしだ。何番の席のだれは第何回の何位で、何番の席のだれはどこの地区の第何位だとか、よくネタが尽きないなというほど休みなくしゃべり続けている。同じような光景が続くのだから飽きさせないようにと必死なのだろう。カウントダウンが始まり、3分が経過し笛が吹かれる。水槽毎に審判がいるので、このあたりはしっかりしているようだ。音楽が鳴り、バトントワラーを先頭に選手退場である。すでに次の班は入場口に待機しており、休みなく次のグループの入場となる。退場した先程の班は退場口近くの体育館の隅に座っている。ここで、結果が告げられるのである。次に進めるのは上位 名。同点の場合はジャンケンとなる。入場から退場まで 分。これが延々と繰り返され予選 が終わるのが 時。この後、小中学生の部があり、その後に団体戦がある。団体戦は3人一組だが、一つの水槽に2組6人が割り当てられるのだが、金魚すくい自体は個人競技であって、団体はその合計数を競うものであり、協力したり妨害したりといったことは無い。

 一般の部一回戦、準々決勝、準決勝、子どもの部一回戦、準々決勝と、これが延々と繰り返される。実際に参加している者や知り合いがいれば面白いのかもしれないが、そうでなければちょっと退屈だ。外では物産の販売や、軽食、金魚すくいの出店が出ているので、それで時間をつぶせばよいだろう。

 やがて準決勝、決勝となる。さすがに上位は見ていて面白い。よくもまあというほど、見事に次から次へとすくい上げる。

 すべて終わると表彰式。賞品はハワイ旅行だそうで、ここまで豪華な賞品を出すゲーム大会も珍しい。駅からやや遠いことを除けば、なかなか派手なイベントである。


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