ゲームのイベント探訪記


「第38回本家野球拳全国大会」


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 4月。桜の開花が早いため、あっという間に葉桜になってしまった松山市。春祭りが行われ、その1イベントとして「第38回本家野球拳全国大会」が、松山城山頂広場特設会場で行われた。野球拳はこの松山の人が考案した。地元では毎年大会が行われている。2007年は第38回を数える。テレビ番組のお陰で野球拳自体は全国的に有名になったが、負けた方が服を脱ぐという誤ったルールとともに広まってしまった。松山の人は複雑な気持ちに違いない。もちろん本家は脱がない。

 出場は3人一組。事前に申し込みを行っていた様であるが、あちこちお願いしたとも聞くので、出場者集めは結構大変なのかもしれない。2007年の参加者は60組180人。これがトーナメント形式で勝負をしていく。場所は松山城山頂広場。天守閣が見え、市内が見下ろせ、桜が見られる。絶景の地である。
 11時。開会式が始まる。司会はよくわからないが男女2名。タレントさんか、司会業者か、素人では無さそうである。家元あいさつ。前回優勝者の優勝旗返還、選手宣誓と続いて、いよいよ第1試合。囃子は三味線3枚に、太鼓・笛・鐘と歌。なかなかの構えである。  舞台両袖から出場チームがプラカードを持って登場。軽く商会をした後、勝負開始。よく知っている「や〜きゅうう〜、す〜るなら〜」の歌詞であるが、抑揚が若干違う。元歌は「元禄花見踊り」とのことであるが、それに近い。「アウト、セーフ、ヨヨイノヨイ」で拳を打つが、これは必ずグーでなければならない。続いて「ジャンケンポイ」の掛け声でじゃんけんをする。アイコの場合は勝負がつくまで「アイコでショ」を繰り返す。勝負がつくと「ヘボノケヘボノケオカワリコイ」で、選手交替となる。先に3人。負けてしまった方が負けだ。ちなみに「ヨヨイノヨイ」でグー以外を出すと即負けとなる。厳しいのである。
勝負がつくと、軽くインタビューなどがあって退場。1回戦28試合だが、一試合が3分はかかるため、2時間弱が経過した。テンポよく2回戦16試合が進み、ベスト16が決定する。3回戦ともなると、進出者は見慣れた顔となる。勝負はじゃんけんなので、踊りが上手なところが勝つとは限らない。揃いの法被を着た、野球拳保存会と言った達者な者たちが3連敗したり、2連勝したチームが、ヨヨイノヨイでグーでないものを出してしまい、そのまま敗退、などというのも愛嬌だろう。この辺りの敷居の低さが、野球拳人口や大会参加者を増やす鍵のような気がする。
 午後3時近くにめでたく優勝者が決まってお開きとなる。表彰は上位の他、仮装の面白かった者、熱演した者などに特別賞が贈られる。花見の季節、満開の桜を見にきた観光客、地元の花見客、そして参加者にも、よい肴となったようである。 (2007. 4. 7)

 

 

 


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