ゲームのイベント探訪記


四半的(四半的)


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 10日。宮崎県日南市飫肥(おび)町。小京都といわれる城下町である。この町に伝わる遊びが四半的(しはんまと)。屋外で行うミニ弓道である。人から的までの長さが四間半(約8.2m)、弓と矢の長さが四尺半(約1m37cm)、的の直径が四寸五分(約14cm)、とすべて4.5なのでこの名がある。宮崎県日南市の飫肥(おび)町が発祥と言われている。戦国時代、伊東義祐が島津忠親を攻めた際、付近の農民が手製の弓矢で支援し戦いに勝利した。そのため、伊東氏は農民に娯楽のために弓矢を持つことを許したのが始まりだと言う。最近は老若男女が楽しめる簡単なスポーツとして、九州南部はもちろん日本各地で広がる動きが見えており、九州では月に2、3回はどこかで地方大会が行われているといった盛況振りある。射ること自体はそれほど難しくは無いが、的の中ほどに当てようと思ったら、経験と集中力が必要なのは、普通の弓道と同じである。

 飫肥駅から約1km。少し高台の飫肥城大手門の手前、観光バス駐車場の横に四半的場がある。矢場が4、5あるだけの小さなものだが、行くと管理人のおじいさんが持ち方や射方を丁寧に教えてくれる。

 正座をして弓を構える。8m程度なので結構近く感じるが、的が小さいので簡単には当たらないというのはわかる。矢をつがえてみると、この矢が思ったより長く、狙いがつけにくい。長いのが問題なのではなく、材質が柔らかいために、矢の先のほうが下がってしまうのである。指を離せば矢はひゅんと飛んでいく。的に当たるのは実に気持ちが良い、が簡単ではない。重力があるため、少し上を狙えば良いのだが、矢自体が反っているためなのか、いつも同じように飛ばないのだ。一人でするので勝敗は関係なく楽しめる。建前は1回10本だが、サービスで15,6本射させてもらえるのもうれしい。広い土地があれば病み付きになってしまうかも知れない。

 余談だが飫肥の名物の卵焼きは絶品である。ぜひお土産にされることをお勧めする。


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