ゲームのイベント探訪記


彦根カロム


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 2000年7月2日(日〉、滋賀県彦根市で第13回カロム日本選手権大会が開催された。 カロムは西アジア発祥らしいゲームで、約1m四方の板の上で、直径4cm程の木製の円盤を指で弾き、 四隅に開けられている穴から落とす遊びである。日本では闘球盤と呼ぱれているが、 カロムと似たような遊びにクロキノールというものがあり、実際には闘球盤というのはクロキノールの事を指すようで、 カロムは闘球盤ではないようである。

 このカロム、海外のゲームで正確には日本の伝統ゲームではない。 しかし何故か滋賀県彦根市で昔から遊び続けられており、地域限定ゲームのようになってしまっている。 これを青年会議所が目を付け、市の伝統ゲームとして広めようと日本カロム協会なるものも組織して普及活勤を行い、その結果見事に根付いたわけである。 年一回日本選手権と称して大会を行って来たが、今年は13回目を迎えるに至ったわけである。 今では立派なホームページもできている。 今年の大会のパンフレットを見ると、テレビ局、新聞社、JRなど多数の協賛団体を得ており、地方テレビ局の放映もあるなど、 すっかり行事として定着したようである。 会場は彦根市郊外の市民体育センター。彦根市と言うと彦根城が有名であるが、 その彦根城から徒歩で15分ほどのところにある市民体育館が会場である。駅からバスで10分、 歩いても30分ぐらいのところである。 日程は午前中がペア戦、午後が個人戦となっていた。空きがあれば出てみようと思ったが、 事前申込制となっていてすでに締め切られていた。 取材に訪れたときはペア戦の開始直後。体育館の床半分ほどにカロム盤が所狭しと並べられ、 それぞれの周囲に4人がしゃがみこんでゲームに熱中していた。 体育館の周囲の壁一面には結果記入表の模造紙が張られていた。 ただの体育館でなく市民センターと言うことで側面には立派な観覧席が付属している。 ただ見学者も自由にゲームをしているすぐ側まで行って見ても良いので、疲れて座りたい人だけが観覧席に座っているようであった。 ペア戦は大体80チームぐらいの参加のようで、2チームが1つのボードを使って総当たりを行う予選から始まった。 行く前は皆かなりの腕前で百発百中かなと思っていたが、そうでもなく、ミスしたりはじいた盤を枠の外に飛ぱしたりと、 本場だからいって全員が上級者というわけでも無いようであった。 良く見ていると、次から次へ敵の駒を落として行く実に見ていて惚れ惚れするような上手い人間が何人もいることに気がついた。 こういう人たちは、整然としており、静かに次々進めて行くので目立たないことに気がついた。 何よりこういう人がいるボードはゲームが早く、あっという間に終わってしまうので目立たないのであった。 いつまでもやっていたり、動きが派手で気をひくボードは、どちらかというと下手な部類のようなのである。 パンフレットには「カロム博物館を併設」と書いてあったので、係の人に聞いてみると、 会場の一角にカロムのボードが10台ほど置いてあり、そこを指すのだということであった。 少々拍子抜けではあったがこれはご愛矯ということで。 カロム大会は10年を越え、かなり充実してきている。 伝統ゲームの大会の中では最も安定しているものの一つであろう。 彦根で遊び継がれている埋由は未だ不明であるが、たとえ判明しなくともマイナス要因ではあるまい。 今後も長く続けていって欲しいと感じた。

彦根カロムのホームページ

(2000(平成12)年7月2日)


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