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目次 はじめに 42.1 正しい温暖化量はどうやってわかったか? 42.2 日本のバックグラウンド温暖化量(自然の変動) 火山噴火との関係 太陽黒点数との関係 気温・水温のジャンプ 漁獲量の長期変動 42.3 都市化による気温の上昇(人為直接的) 42.4 これでよいのか気候監視 まとめ 参考書これは2008年6月~11月に(予定も含む)各地の気象台・ 測候所、大学や市民講座、気象研究所や農業環境技術研究所などで行った講演 内容である(質疑応答を含み90分間)。
1.正しい温暖化はどうやってわかった? 観測の方法や器械が時代によって変化したこと、日だまり効果 (都市化による効果も含む)による補正 2.日本のバックグラウンド温暖化量(自然の変動) 自然の変動=地球温暖化(CO2などの増加による)+その他(火山噴火などによる) 火山噴火や太陽黒点数との関係、気温や水温のジャンプ、漁獲量の長期変動 3.都市化による気温の上昇(人為直接的)・・・熱汚染量 都市では熱汚染量が天然変動の昇温率を超えていること 4.これでよいのか気候監視! 観測所の周辺環境を守らなければならないこと |
(1)ごく最近の気温上昇の傾向 1980年代以後の気温上昇は大きく、今後の監視が重要である。 (2)気温のジャンプ、ダウン、平坦時代の繰り返し 気温は単調に上昇しているのではない。気温ジャンプの大きさは高緯度 ほど大きい。 (3)太陽黒点数と気温変動幅の関係 気温変動は高緯度ほど大きい、相関係数が大きい時代がある。 (4)大規模火山噴火と気温下降の関係 噴火直後の2~3年間、地球規模では気温の下降域と上昇域がまだら模様 にできる。 (5)水温ジャンプ・ダウン、漁獲量の長期変動 数十年の間隔で、海水温度はジャンプ・ダウンをしており、東北地方の冷夏 による飢饉・凶作頻発時代があり、世界の漁獲量にも豊凶がある。 |
気象台・測候所のある全国91都市について 都市化による昇温(熱汚染量)の経年変化をもとめよう! 結果として、過半数の都市では熱汚染量がバックグラウンド温暖化量 (100年間についき0.67℃)を超え、実際の温暖化量(=バックグラウンド 温暖化量+熱汚染量)はバックグラウンド温暖化量の2~4倍となっている ことがわかる。 |
赤文字は重要地点、太字は特に重要な地点、(内陸): 内陸として重要な地点 環境保全のため敷地の売却を中止すべき観測所: 浦河、寿都、宮古、 深浦、相川、日光(奥日光:内陸)、勝浦、石廊崎、御前崎、潮岬、 津山(内陸)、境、浜田、多度津、 室戸岬、清水、宇和島、平戸、枕崎 その他の重要な観測所: 網走、屋久島、西表島 と 与那国島 その他の観測所: 稚内、根室、伏木、飯田(内陸)、 銚子、名瀬 |
(1)正しい温暖化量とは 時代による観測の方法や測器の変更による誤差と、日だまり効果(都市化の 効果も含む)による気温の観測誤差を補正することで正しい値がわかった。 (2)温暖化の実態がはじめてわかった 気温は数十年にわたり下降する時代、変化の少ない平坦な時代、上昇する時代 があり、その境界年に大きなジャンプが生じている。 (3)都市化による昇温(熱汚染量)が区別できた 都市化による昇温(熱汚染量)の経年変化をもとめたところ、過半数の都市 では熱汚染量がバックグラウンド温暖化量(100年間についき0.67℃)を超え、 実際の温暖化量(=バックグラウンド温暖化量+熱汚染量)はバックグラ ウンド温暖化量の2~4倍となっていることがわかる。二酸化炭素の削減 努力のほか、都市では気候緩和の都市構造に変えていく努力が必要である。 (4)これでよいのか気候監視 このまま放置すると、気象観測は正しくできなくなってしまう。 田舎にある重要な気候観測所(20ヶ所ほど)の敷地売り出しは最小限にとどめ、 住民の理解と協力のもとに、観測環境を守っていかねばならない。 |
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