昔の日記

1/11〜1/20


1/11(火)

 ライアルワトソン『ロミオ・エラー』を買い、つい読み始める。ワトソンは久しぶり。


1/12(水)

 一日本を読んでいた気がする。ああおもしろくない日記だ。こういう時こそなんかネタをぶちかますべきなのだが。

 ところで、結婚するかー、と決めて以来、やたら結婚にまつわる夢を見る。
 しかも、別の人と。
 ちょっと切ない夢だったりすると、しみじみ回想してしまったりする。昨日の夢は、余命幾ばくもない遥か年上の教師で、しかも趣味がフラメンコダンスの人が相手だった。一旦字面にするとお笑いだが、それはそれは悲しくも美しい小さな結婚式でした。って、自分で言うなよ。つけ添えておくが、その相手の人に、具体的な心当たりはない。
 そんなもんなんでしょうか。>既婚の人。


1/13(木)

 雨降りの中を、日用品を買いに出かける。いつも家にいるのになんでわざわざ雨の中を、と自分でも思うが、物資がいよいよ枯渇した、と切迫しないと動かない性格なのである。

 夜は、まただらだらと『レジェンドオブドラグーン』を見る。ロイドが強くて強くて。


1/14(金)

 『101』をテレビで観る。途中なんべんか「つまらんからもう止めたれ」と思ったのだが、近所から波及して数多の犬その他動物の協力体制ができかけて行くあたりから、急におもろくなって、おおやったれー、と入れ込んでみた。山田邦子の吹き替えが、意外なほどはまりまくっていて感動したが、佐野史郎の声はいかがなものか。

 タモリ倶楽部で『第6回空耳アワード』をやるのを知り、あわてて録画。
 総集編は1年半振りらしい。そうなると、たしか前回も前々回も無事録画できているはず。
 賞もらったのも無論面白かったが、それ以外の方がツボ多かった。


1/15(土)

 レンタルで借りて来た『ドグラ・マグラ』を観る。
 88年の映画で、主演の青年が、高校生にしか見えない松田洋治、正木博士が桂枝雀だ。
 以前から観たい観たいと思っていたのが−廃盤なのである−今回レンタルビデオ屋で偶然見つけて、ようやく借りた。
 確かに怪作です。鈴木清順系が好きなわたしは、錯綜する視点に耽溺していたのだが、清順ものにそそられない相方には、こいつもまたあんまり良くなかったようだ。
 わたしはも一度借りてもいいかな、と思っている。


1/16(日)

 ちょっとお絵書きモードなので、クロッキー帳を買う。実際デッサンすると、自分の下手さ加減にうんざりするんだけどさ。なんの錯覚か「もしかしてうまくかけるかもー」なんて思う瞬間があって、これに結構つけいると、だましだまし絵が描けるんだよね。
 まあ、自分につけいったり、だましたりするのは、なかなか面倒なものなのですが、なんらかのカタチでモノを作っている人は、誰しも経験していることに違いない。

 昼にホットケーキ。夜はCoCo壱のカレー。どっちも食べたくて食べたのだが、どう考えても身体に悪いぞ。
 つうか、もうだるかったり。

 『ドクラマグラ』を返して、メル・ブルックスの『新サイコ』を借りてくる。
 バカだバカだと聞いていたが、ほんまにバカ映画だった。こういうの大好きや。
 元ネタは『めまい』(原題もそうなっているらしい)なのに、『新』サイコなのは、通りがいいからに違いないが、おかげで(映画を観つけていないわたしは)イントロで視点をあわせるのにいらん苦労をしてしまった。
 主人公の恩師が出てくるシーンが、おバカで気にいっている。


1/17(月)

 本屋で、『いつでも会える』『きみのためにできること』をふらふら読んで、泣いてしまう。
 こういうのをあざといと感じる部分がわたしの中(もっぱら物書きの部分)にあって、今まで避けていた。だって、タイトル見ただけで、内容が全部わかるじゃん。
 でも、やはり手にとってしまったのは、女の子の名前が『みきちゃん』だったからだ。
 読後は後悔。しかも店頭でうるうるしてしまった自分が情けなかったり悔しかったり。
 読者としては、いいお客さんなんだろうけどわたし。
 が、この手のものは、絶対買わないぞ。
 こういう経験は現実だけで沢山。

 『アロンジフェア』をやっていたので、そこで立ち読みして気を紛らわす>買わんかい!
 阿東さんの日記で『…すぎなレボリューション』が出ているのを知ったので、それは買う。なんちゅう展開になっておるのや。まあ、これもあざといと言えばあざとい(笑)


1/18(火)・1/19(水)

 なんも思い出せん。


1/20(木)

 午後、えりちゃんが訪ねてくる。冬コミは、えりちゃんは具合が悪くて来れなかったので、そのあとで発行したSMAP本などをもらう。似顔絵は相変わらず似ている。やおいなしの健全な作り。

 夕刻、ロフトプラスワン。主催エニックス、司会津原泰水さんの《12幻想》前夜祭である。
 7時半の開演ちょうどくらいに着き、入り口すぐの受付で、『十二宮12幻想』『エロティシズム12幻想』を買い、トークの会場の方を覗く。

 が、席はほとんど満員。入り込めないこともないが、一見して知った顔がみつからないので、挫けてスタッフルームに顔を出す。
 津原さんは、女性何人かとウクレレの練習をしている。その後の舞台で弾いたそうだが、あの感じでは、もっと長い時間演奏するつもりだったのでは(笑)
 長椅子に竹本さんを発見。そそくさと隣にいき、こんちまた良いおひよりでなどと話していると、田中啓文さんホラー組と話していたとおぼしき我孫子さんがこっちを向く。
 「我孫子さんひさしぶり…。ぷ」
 髪をブリーチしていたのは知っていたが、あのまま髪が延び続けていたとはしらなんだ。
 いきなり別人なので、思わずふきだしてしまった。

 ゲストメンバーは、津原さんの告知から引用する。
 我孫子武丸 飯田雪子 飯野文彦 菊地秀行 北原尚彦 倉阪鬼一郎 小中千昭 高瀬美恵 竹本健治 田中啓文 早見裕司 東雅夫 フレデリック・ボワレ 皆川ゆか 南智子 森奈津子 他 (敬称略)

 牧野修さんは、急な用事がはいり、大阪にとんぼ返りしたそうで、欠席していた。
 綾辻さん、京極さんは、告知されていなかったが、壇上にのぼった。

 スタッフルームでは、会場のトークは殆ど聞こえず。
 もっぱら、モニターの画面を見ながら、それにまつわる感想を言ったり、雑談をしたり、一部では営業も行われていたようだ。

 予定されていた『エニックスからの重大発表』と言うのは、各本最終ページに載っていた3/31より募集開始の『ENIXエンターテーメントホラー大賞』のことらしい。

 河内「竹本さーん、賞金総額1000万円以上だって」
 竹本「プロアマ問わずだって。短編だったらぼくにも希望があるかなあ」
 か「何言ってるんですか。あ、でもコミック部門もありますよ」
 た「ぼくが原作を書いて、河内さんが漫画にするのはどう?」
 か「竹本さん、自分で描けるのになんで(笑)」
 た「それよりも『匣の中の失楽』をあげるから、漫画化してもいいよ。漫画の原作って何割もらえるの?」
 か「わたしの言うことを聞いてませんね〜」
 た「1500枚の原稿用紙を綴っておいて、何人かでぐるぐる回したら、あっという間に長編が5本できるよね。それの方がいいかなあ」
 あくまで楽がしたい竹本さんなのだった。
 曰く「ぼくって、プロデュースの方が向いてるのかも」。 だが、1500枚の原稿用紙ぐるぐる回したら、自分も参加しないと執筆者が許してくれないと思うがいかがか。

 壇上には、飯野文彦さんと田中啓文さんと我孫子さんと司会の津原さんが喋っている。良く見るまでもなく、へべれけ部隊である。大丈夫か?なにを喋っているのか?平気なのか?
 ちょっと外に出て聞いていると、我孫子さんは、プロ野球のテレビ中継がいかにダメか、を滔々と語っている。
 ああ、持ちネタや。
 会場にいた皆さん、我孫子さんは普段からあんな風です。

 じっとみていたら、てもちブタさんになった田中啓文さんは、他の3人の見えないところで、幔幕に『キツネの影絵』を作っていた。

 次々と相手を変えながら、津原さんと同じくらい壇上にいた我孫子さんが、ようやく戻ってくる。
 「我孫子さん、プロ野球がダメな話してたでしょう」と聞くと、「プロ野球はええの。TV中継の延長のせいで、ぼくに迷惑がかかるのがイヤなの」と5分くらい説明(説教?)される。
 はい、そうですね。それはイヤですね。

 喜国さん、大森さん、遅れてよしこさん、C塚さんK木さんも来る。

 深夜にさしかかって、わたしと一緒に来ていた相方が先に帰宅。わたし自身も朦朧となってきている。 見渡したら、喜国さんがいない。2Fにいるよ、と聞いて見に行くと、京極さんと秘密の話をしているようなので、おいとまする。
 そして、田中さんとわたしで秘密の話。よしこさんを交えて『昔のみんなの歌』の話なんかもする。
 終電後、秘密ゲスト(?)の綾辻さんと京極さん、竹本さんが壇上へ。
 竹本さんの声だと、モニターからは絶対聞こえないなあ、とC塚さんと会場に出るが、どっちにしろ全く聞こえなかった。すごすごと、今度は喜国さんがいるはずの2Fに、田中さん我孫子さん大森さんC塚さん岩井志麻子さんなど、数人で移動する。

 そこで我孫子さんが炸裂する。
 「『エロティシズム12幻想』の有栖川さんの短編なあ。あれ、ぼくのこと書いているのかと思ったわ」
 大森「10才の女の子と一緒に写生する話」
 我孫子「ぼくは一般的にはロリコンと言うことになってるけど…」
 田中(啓)「一般って、どこの一般」
 河内「自分ち?」
 我孫子「京大ミステリ研での話やな」

 えらく狭い一般ですな。

 我孫子「少女を好きになるのはやな。大人として好きになるんでなく、同じ年頃をして好きになるンや」
 岩井「うちの子も10歳だけど」
 我孫子「それは関係ないんや!

 いやあのそれはあんまり…
 かなり酔いが回っていることが判明する。

 よしこ「つまりそれは、思春期の初恋の反復と言う…」
 河内「…ここで一般論言っても仕方ないよ」
 我孫子「そう! ぼくはぼく自身の話がしたいんや!

 そうですね。そのようですね。
 後から来た京極さんは、その話を聞いて「『みんな俺であれ』の我孫子さんが自分の話するのは、もっともでしょう」と言っていたが、岩井さんはちょっと怒っていたみたいだぞ(笑)

 舞台に出ずっぱりの津原さんに、よほど頼りにされているらしく、我孫子さんは再び壇上に召還される。
 竹本さんが京極さんを誘いに来「コーヒー飲みに行くの〜」と言うので、外へぞろぞろと連れ一服。

 16人ほどだったが、各々思い思いに飲み食いし、一息ついたところで「我孫子さんはどこにいるの?」と各所で声が発せられる。こういう場には、いて当然と思われているようだ。人気者だな。

 再びロフトプラスワンに戻った頃、わたしはスイマーに襲われていた。
 『嘔吐する宇宙飛行士』(SFマガジンに載った啓文さんの短編)の我孫子さんによる挙げ足取りなどに茶々入れをしていたのだが、限界になり、ひとりで退散。時刻は午前4時過ぎだった気がするが、よく思い出せん。タクシーで帰宅。


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