昔の日記

7/1〜7/10


7/1(水)

 西澤保彦『ストレート・チェイサー』をようやく読む。といってもノベルスの方ではなく、EQ122号に一挙掲載だったほう。
 いやあ、びっくり。いつもと地の文が違うなあとは思っていたんだ!なるほど、西澤保彦、いつもそうだが、今回もすごい!
 そして、情けない男とかっこいい女の書き方が、ぐんぐん面白くなっていると思う。14才のエミリイの痛快なことと言ったら。

 新聞や雑誌を見ているとフリーマントルの『ユーロマフィア』の話題が結構出てくる。普段、実録犯罪ものやルポルタージュはあまり読まないのだが(だって怖いんだもん!)、これは読んでみよっかな、という気になっている。高校生くらいの頃にフリーマントルのスパイものを3〜4冊読んだことがあるのを思い出したからなんだけど。でも、新聞にかいつまんで紹介されていたマフィアの麻薬密輸の手口を読むと、かなり怖い。(一旦ここに書いたけど、あまりにおぞけだつので、削除してしまいました)
 話はそれるが、この間TVで心霊写真特集をやっていて(夏ですねえ)何気なく見た。ううむ、わたしもこういうのを何気なく見られるようになったのだ。以前は怖くて断固としてチャンネルを替えていたのに!ともあれ、そういう訳で写真を見たのですが、怖くないどころか、なにが写っているのかさっぱりわからない、という結果に終ったのだ。見えなきゃそら怖くないよねえ。人物の背景のもやもやの中に「人の顔が!」と言われて「きゃ」と反応できれば効果抜群なのだろうが、「え?どこどこ?え?ここが鼻なの?こっちじゃない?え?そこだと顔の輪郭の外?とすると輪郭はどこ?」と質問を繰り返すと、一緒に見ている方の興もそがれるというものだ。
イマジネーションがなくなってしまったのかねえ。(しゃべりにちょっとバアさんはいってます)
 でもまあ、心霊写真にも人の顔が写っていると思うから怖いんであって、猫の顔だったらそんな怖くない(…怖いか)、バセットハウンドだったらお茶目だし、ましてや象だったら「なんで象が?」ということで…別の物議を醸し出してしまうか。
理屈抜きに怖がれるのは、やっぱ人の顔だ、ということで、あの世もこの世も怖いのは人間です。ってありがちの結論に落ち着いてよかったよかった。どこに行っちゃうかと思った(笑)


7/2(木)

 怖いもの、の続き。
 一番最初に、グラビアを見て怖かった記憶は、千葉の海の家に積んであった、少年マガジン(多分)の巻頭特集ですね。古今東西のフリークス達の特集でした。世界一背の高い男、とかね。その頃は、まだそういう人々のことが、なんの説明もされずに、見世物になっていたわけです。(今でも女性誌には『世界一大きな赤ちゃん』とか『拒食症姉妹』とか、載ってますね)子供心に怖かったのは、めくってもめくっても、写真ばかり、という異様さのせいもあったでしょう。その前後の号には、永井豪の『心の旅』という短編が掲載されていて、2人組の犯罪者が、事件のせいで(なんの事件かは覚えていない)気の狂ったまま拘置されて、自由な花園の夢を見ている、というこれまた奇怪な話でした。
 小さい頃から、物事の成り立ちから理解しないと、何事も覚えられなかったので、そんな風な『不条理さ』は受け付けませんでした。って、言いながら、自分は不条理漫画描いてたりするけど。
漫画で、鮮烈に怖かったのが、小学5年の時に読んだ、日野日出志の『地獄の子守歌』と中学2年で立ち読みした、山上たつひこの『光る風』です。
 『地獄』の方は、作者の自伝、のような体裁をとっていて、小さい頃の動物殺しやら、遺体保存、美しい母親の殺人、などを語って行くのです。
 これは、ショック体験と同時に『衝撃の1行』(1コマ、というべきか?)の初体験でもありました。こんなんでも怖かったのです。小学生ですから。1週間びくびくして過ごしました。多分どこかの文庫で出ていると思うので、興味あったら読んでみてください。わたしは2度と読まんが。同時収録の『博士の実験室』(タイトルあやふや)も、時々思い出します。『世界一美しい獣』を作るために、移植や異種間掛け合わせをして失敗を繰り返すマッドサイエンティストの話です。これもマッドサイエンティスト初体験かな。これも、因果がめぐる、というのか、どんでん返しがあります。
 『光る風』は、1か月くらい不眠症になりました。第三次世界大戦後という設定で、冒頭はフリークス達の踊りでした。わたしには丁度その頃好きな人がいて、戦争が起こったら自分が死ぬ、ということより、その人が死んだらどうしよう、とそればかり考えて、毎晩泣いていたのでした。わたしがよっぽどのことがないと泣かないのは、この時涙が出つくしちゃったからかも。彼は今、どこでどうしているんだろう。


7/3(金)

 パソコンの置いてある部屋が2階なので、この気温になると地獄。いきおい足が遠のく。

 ちょっと『MYST』を触ってみる。新しいメモリーカードを買わねば。

 先月下旬『今年の6月は湿疹が出なくて、まし』と書いたような気がするが、甘かった。今ごろ来た。陽気も7月にして『梅雨の中休み』だもんなあ。なにもかも半月遅れてるんだろうか。
右手小指の第一間接がぱんぱんにふくれあがり、かろうじてキーボードは打てるが、漫画の仕事に支障が出てきそう。早く進めててよかった。顔から首にかけての肌もかなり荒れてきて、ヤバい、という感じ。かゆみはまだこないが、この時期に病ったら、生きるのが倍つらい。日中は極力外に出ないようにしないと。蚊に刺された後の回復もかなり悪いし、どうも油断してしまった。

 ここで、以前書いた、かずめさんからの『アレルギー=猫洗い』のメールのお話。

 メールをいただいたきっかけは『いぬたまねこたま探訪』にて、「アレルギーの人間が触っても平気な『毛なし猫スフィンクス』に、喜んで触った途端、かゆくなった河内(;_;)』の件でだったのですが。猫アレルギーの人はかなり多そうなので、ちょいと役立つかもしれない情報ということで、ご紹介。 情報源は『日経サイエンス』だそうです。以下イタリック文字はかずめさんのメールより。

少し長くなってしまいますが、その書き込みの雑誌の記事の要約の部分を以下に載せておきます。御参考までに。
元々の報告はちゃんとした(? 実はちゃんとしてない場合も結構あるのですが・・・)学術論文のようですが、こんな「猫洗い」の実験を延々とやっている研究室って、なんか想像するとかわいいですねえ。きっと担当者には笑い事じゃないんでしょうけども。

日経サイエンス3月号「ANTI GRAVITY 猫好きのためのネコ・アレルギー対策」より
(p116,117 「副題 くしゃみを選ぶか、生傷を選ぶか」
 この欄は海外で発表された論文についてのコラムを翻訳した物らしいのですが)

 「猫アレルギーだけれども猫なしでは生きられない」と言う人のための情報です。

 Journal of Allergy and Clinical Immunology誌に発表された、バージニア大学アレルギー性疾患センターのウッドフォークらの研究で、「猫を洗うことがアレルギーにどのような効果があるか」についての実験を行った結果が示されています。

 実験では、以下の3グループに付いて

  1・毎週一回、38℃の湯に首までつけて3分間体を洗い、タオルで拭いて自然乾燥

  2・1のグループのやり方に加えてきれいな湯を入れた別のたらいで
    さらに3分間体をゆすいだ

  3・毎週一回、石鹸とホースから出るお湯で約1分間体を洗った。

 といったそれぞれの方法で猫を洗い、その後猫アレルギーの主要な犯人であるFeld1という蛋白質が猫の体や室内の空気から減るかどうかを調べたもの。
 風呂の後3時間かけて行った計測の結果、空気中のアレルゲン(アレルギーを起こす原因となる蛋白質)の減少は、グループ3・ホースの湯で洗えば44%、グループ1・全身を湯につければ79%、グループ2・さらにきれいな湯でゆすげば84%となった

ということです。(つまり、丁寧に洗って濯げば8割以上はアレルゲンがなくなってアレルギー症状が改善すると言うこと?)
 しかしアレルゲンの濃度は1週間もすれば元に戻ってしまう上、大抵の猫は風呂嫌いであると言う問題が残っています。
 また医者の意見では、「ぜんそくとアレルギーもちの猫好きは深刻な状態になる可能性があり、用心が必要」とのこと。
 猫を洗うと同時に空気をきれいにし、家中のカーペットを減らすのも有効ですが、
「どれだけ気をつけるかは患者自身が決めること」と、締めくくられています。

 てなわけです。タメになる上に面白いですね。でもネコには気の毒ですね。災難ですね。
 かずめさんの文にもありますが、この方たちは、来る日も来る日もひたすらネコを洗ってるんですね。NHKのサイエンスアイ内『名物研究室』で放送してほしいです。 果たして『ネコは素手で洗っているのか』『素手じゃなくても、やっぱり手は荒れるんじゃないのか』『ネコは観念しているのか』(でも大抵の猫は風呂嫌いであるって書いてあるしなあ。あ、じゃ、観念しているヤツも中にはいるのか)
 かずめさんからは、後日インターネット上の検索ページを使った結果の続報がありまして、

 (前略)そのアレルゲンの名と「wash」の単語の検索で3件だかヒットしました。3つとも違う研究機関のようです。全部が全部猫洗いの文献ではないようでしたが・・・
 つまりなんですね、世の中には猫アレルギーの原因を洗い落とそうと研究してるグループが少なくとも3つはあるらしいです。そしてかの論文を出したグループはきっと今も別の猫洗いの方法を研究しているのですね。(違うかな;)

 おもしろいぞ。かずめさん。
 でも、やはり人間側のデーターも必要なんではないだろうか。『長毛種、剛毛、3匹飼育、人間4人家庭の掃除の方法と、有効な空気洗浄機の種類および猫洗い』とか総合的なデーターね。ネコに悪いじゃん「どれだけ気をつけるかは患者自身が決めること」じゃ、めんどくさい実験から逃げているようにも見える(笑)

 ところで、
『人間に触るとかゆくなるネコ』というのも、いるんだよね。
 きっと。


7/4(土)

 『MYST』の始めでどうにもわからないことあり。
 『マーカーポイント』ってなんのことだ?
 『YAKATA』をやって気づいたが、ゲームに付属の解説書は、初心者に不親切すぎないか?まるで、パソコンのマニュアル読んでるみたい。
 で、『MYST』をクリアして攻略本も持っているアキに電話。そのまま4時間くらい話す(爆)
 終えて、4時半までネーム。あと13枚。ゲームしてなきゃ終ったんだよねえ。ちょっと内省して、その後やっと寝る。


7/5(日)

 ネーム終り。今度は原稿用紙に写す作業。

 タイ帰りで、修羅場のハシゴ継続中のみゆさんから電話。そしてまた長電話。3時間くらい?(爆)
 夏のコミケ前なので、どこの仕事場もスタッフがいなくて、困ってるらしい。

 二階堂さんからいただいた『わたしが捜した少年』ノベルス版の再読が終る。渋いぜシンちゃん。
 ハードボイルド(風)な文体を読んでいると、『警句』つうの?ああいうの言ってみたくなるよね。でもはずすと、思いっきりハズかしいのが、あれの宿命つうか、難しいとこなんだよね。わかってるんだけど。


7/6(月)

 Imagoの臨時増刊『夢』を再読。理由はなんとなく。でも発行年が1991年だもんねえ。学術的記述は、古くて問題ありなんだろうなあ。

 夜は千織さんと長電話。怖くて時間が書けない(爆) 内容:いつもラーメン食ってるオバQの小池さんって、なんの職についている人なんだろう、とか。


7/7(火)

 久しぶりに良く眠れた。しかし、道に迷う夢だったりする。この内容の頻度が高すぎるような気がする。(因って、既に悪夢の範疇には、はいらないのであった)

 七夕さん。珍しく雨が降らないなーと思っていたら、大夕立ち。

 またちょっと『MYST』をやる。間違え。マーカーポイントって、マーカースイッチのこと(汗)なんとなく乗ったエレベーターから、なんとなく水辺の世界(CHAN?)へ行ってしまった。何をすればいいのかがわからんと思いながらやっていて、いつのまにかMYSTに逆もどり(笑)

●竹本さんのコーナー、新着コメントありますんで、よろしくです。


7/8(水)

 昼頃だらだら起きると、仕事場に留守電。どうやら、えりちゃんから。

「かわちさーん、変更なければ、明日からはいりまーす」

 一瞬にして、血が引く。
 え?なに?どういうこと?
 日付は昨日の23時ころ。…ってことはもう今日か!
 あわてて電話。
 出発前だったえりちゃんがつかまる。聞くと、どうやら先月のワタシは、8.9.10日の日程で、えりちゃんに背景アシスタントを頼んだそうだ。こっちのスケジュール表には書いてないが、えりちゃんの手帳には書いてあるので、確からしい。

 何考えてたんだ、先月のワタシ!

 昔、コミックスの穴埋めページに、『先月のわたしは今月の敵』と書いたことがあるが、まさしくそれを体現してしまった。平謝りして、来週の日程に替えてもらう。えりちゃんもよくできたもので、「月末〆なのに、一桁の日付なんて変だなあ。怖いから、来週も空けとこ」と思ったそうだ。うう、情けなや。壊れてるのか。わたし。しくしく。

 なんか、喝を入れられたようで、ネームの写しの進みがよくなる。ああ、情けない。

大ショックアイコン・再録


7/9(木)

 頑張ってんだけど、やっぱ進みはカタツムリのごとし。湿疹がすれて痛い(;_;) 指は収まってきたが、手の甲から肘まで、肌がざらざらで真っ赤。もしかしてあせもか。しかし肘裏・膝裏ならわかるが、甲の部分っていうのが解せん。かゆいより痛いし。この程度で支障が出るって、やっぱ、漫画は肉体労働だわ。(帯状疱疹でないと、わかっただけマシか)

 いつも5時〜6時の間に、犬の散歩だが、ここんとこ夕立ちが多い。暑いよりはすこぶるいいけど、今日みたいにヒョウ降られてもなあ。痛いし。(痛い思いばっかじゃ)

 アキにカンニングさせてもらって、ちょっとMYSTする。やっぱり、こんな風にぼんやり歩き回ってるの似合ってるかも。STONE時代終って、MECA時代に行く。赤紙青紙みつけたはいいが、帰れない(;_;) STONEでも同じパターンでした。詰めが甘いのねえ。ぶらぶら歩き回っているのは構わないが、アクナーの部屋が気味悪いので、なるべくなら行きたくないんだ!わたしはお化け屋敷が嫌い。だから、早く帰りたい!
(数日前のトッコロさんの番組で園内をお化け屋敷に改造して『幼稚園児にきもだめし』つうのやってたのだが、爆泣する園児にもらい泣きなのである>わし>もらい泣きなら簡単にする(笑))
 やっぱRIVEN買おうっと。


7/10(金)

 ヤマトのブックサービスで頼んだ本が届く。『水妖』(井上雅彦編・廣済堂文庫)、『未発掘の玉手箱』(二階堂黎人監修・立風書房)と、例の『ユーロマフィア』
 『帰郷』(太田忠司・幻冬舎ノベルズ)は版元品切れ。どーも店頭で見かけないはずだ。ああ、太田作品コンプリートが…(笑)

 Koiさんが、メールで『MYST WORLD』の場所を教えてくれたので、早速行ってみる。これでいちいちアキの手を煩わさなくてよくなったというか(笑)ありがとうです>Koiさん\(^o^)/
 で、イッキにラストを目指す。なんといってもセレーネが難しい。出だしの調律から。前から音痴だと思ってたけど、これほどとは(爆)>自分。半音はすぐ会うのだが(師匠のおかげかしら)「これでばっちりぃぃ」と確認してみても、ダメが出てしまーう。わたしゃバイオリンを近似値で弾いてきた人間だから、キーものはニガテなんだい!と開き直った。で、そこでふと気づく。
 「テレビの音質が、ステレオだ」
 モノラルにしたら3回目であっさり合ってしまいました。どっとはらい(;_;)
 この世界は音がキーか、と思って歩き回るが、あたりが静か過ぎる。またふと考える。
 「BGM OFFの設定にしてた」
 …皆さん、気をつけましょう。って、わたしだけだよ。こんなの。
 地底船では、方向がわからなくなり、泣きそうになる。学習能力ゼロ。
 でもMYSTは、ヒントをもらっても、自力でやらなきゃならないとこが多いので、あんまり敗北感がない。

 明け方、一応クリア。(仕事はしてたぞ)
 見れそうなエンディングも全部見たが、ちょっとムカツくこともあった(笑)。やっぱ人を安易に信じちゃイケナイっていうか(笑)。
 だからというわけではないが、『ユーロマフィア』をちょろっと読んで寝る。



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