昔の日記

2/23〜2/25 八方クヌルプスキーツアー前編


2/23

まずは訂正。2/15のバンバンジーはトウバンジャンの間違いです。『バン』しかあっとらんやんけ。

では、23日。時間調整して寝ついたつもりが、ネームが心配で寝られない。
結局、眠れたのが3時。あきらかに寝不足。
起きてNifのログを落とすと、FSUIRIの子温さんからメール。わたしがトップにあげたメールアドレスにハイフンが多いのではないかとの助言。とにかくそれだけでもと訂正してアップし直し、即座に旅立つ。ありがとう子温さん。

埼京線が少々遅れ、新宿に着いたのは発車5分前。待ち合わせ15分前に目的地にいないと不安になるわたしは冷や汗である。大森さんと合流。さいとうよしこさんは仕事でこられなくなってしまった、残念。もしかして平沢話ができるかもしれないと思ったのに。しばらく雑談のあと、ふたりしておもむろに仕事。
八王子で喜国さん、由香さん、貫井さん、C塚さんが乗ってくる。
しゃべくりばっかりなので、いつの間にか白馬に到着。

昨日までのオリンピックの飾りつけが、そこここに残っている駅前。迎えのワゴンでクヌルプへ。
気がおかしくなるほどプレイした、ゲームと同じ正面玄関である。あたりまえか。おみやげ小屋件レンタルスキー置場が向かって右手にある。
笠井さん、翔(かける)くん親子が先に着いていた。笠井さんは「仕事で寝ていないので、家にいると寝過ごしそうだから早めにきた」そうだ。
京都組はまだ来ていない。
初心者は、スキー教室に時間に間に合わないから、今日はいかないほうが賢明とオーナーの助言もあって、仕事をつづけるふんぎりがつく。わたしは食堂のテーブルを借りて作業。2徹の喜国さんは歩いて露天風呂。他の皆はゲレンデへ。
勤勉の甲斐あって原稿用紙への写しが38まで終了。残りのネームは、直しの関係上、我孫子さんが来ないとできない。
ロビーで漫画を読んでいると、露天でのんびりしているはずの喜国さんが早々に引き上げてきた。
そんなんアリかなあという出来事に遭遇してしまったのだが、喜国さん自身のネタになるかもしれないし、我孫子さん大森さんの方の日記には載るやもしれんってことで、HP初心者のワタシは、喜国さんの名誉のために省略。

スキー組帰還後、ロビーでたまる、そこへ京都組ようやく到着。
まず、晴れ晴れとした法月さんの顔が見えて驚く。
生れて初めて見る、曇りのないのりりんの顔である。
さすが新婚。よかったね、と心でつぶやく。
続いて千織さん、我孫子さん。で今日のメンツがそろう。

温泉に出かけ、クヌルプに戻ってごはん。夕食後、皆が雑談している横で、我孫子さんと打ち合わせ。我孫子さんの持ち分が終了して、隣の輪に混じったあとも、わたしはそのままネームの完成まで続行。23時終了。
Mr.ビーンって本当に流行っているのか、という話題で盛り上がったが、皆、「ちょっと、アレは」という割に、結構目にしているのだった。知らないのは貫井さんだけだったみたい。ちなみにワタシも、ま、ちょっとアレは、派です。ごめん。

リサーチしてみると、前の晩3時間以上寝たのは小学生の翔くんのみ。
異常な寝不足集団だったが、解散したのは午前1時を回ってからだった。

翌日につづく。


2/24・午前

解散したあと、部屋で千織さんと3時まで話し込んでしまった。予定調和。

8時くらい?に起床。夕べは初スキーやらネームやらでいれ込んでいて気づかなかったのだが、クヌルプのごはんはおいしいぞ(爆)。なんてトロいわし。

まずは、スキーウエアとグッズを借りる。実をいうと、ついこの間まで、スキー靴の下に靴を履くものと思ってました(泣)。
装着して出た言葉は、「ガンダムー」。千織さんと「ドム、ザク。ゲルググ〜」と繋ぎながら、ペンションの前を初歩き。ああ、濃い会話。それにしても、まったくの初心者はわたしだけなのね(;_;)

ワゴンに乗って、ゲレンデ。ゆ…雪山って、こんなに目にしみるものだったの?右も左もわからない。スキー2回目の法月さんと一緒にスキー教室初心者組にはいる。

受講者用の名札を作ってもらったとき、法月さんが「のりづきです」と申し出ていたのに感心。いや、わたしはペンネーム=本名なので、そういう時どっちを使うものなのか、一般人と同じくらい興味があるのだった。

教室では、カニ歩き、片足すべり、ボーゲン、カーブをやる。初心者といいつつ、他の人はあきらかに何度か滑っている模様。当方ふたりは「…ずるい」とぶつぶつ文句(笑)

最後、ちょっと高めの場所にリフトで移動して、下降。
ぐおんと言う風圧に圧倒される。
「おお、なんかすごいスピード出てるような感触だけど、こういうのって、傍から見るとのろのろしてるものなのよね」
と思って、インストラクターの先生の元に戻ると「…もっとスピードセーブするように」と諭される。
…やっぱ、速かったんか。

教習を終えて、もう一度教習コースを復習しようと、リフトに乗る。わたしは高所恐怖症だが、法月さんもそうだった。曰く「自分が信用できない」
河内も全く同じ感覚で、信用できないのは「恐怖のあまり飛び降りてしまうかもしれない自分」です。でも法月さんって、つくづくキャラ立ってますわ。

3回ほど転びつつ、下降。先に行ってしまった法月さん。くちょう。やはり2回目の人にはかなわない。

休憩所で、皆と合流。全員わしわし昼食をとっているが、わしは食欲なし。とにかく暑い。転びまくったせいらしい。エネルギー補給のケーキとレモンソーダでお茶を濁す。でもま、まだ身体がしんどくないのが、助かったと言えば言える。


2/24・午後

午後、法月さんは、皆が滑っている山の中腹まで行くと言う。「なんか感触思い出してきたから」ううむ(汗)。
聞けば初心者だった2年前、いきなりそこまで連れて行かれたとのこと。初心者は必ずその洗礼を受けていて、千織さん由香さんよしこさん竹本さんもそうだったとか。ううむ。

我孫子さんが「河内さんも行けるかどうか見てみる」なんて言う。にゃにおう。
千織さん由香さん我孫子さんにくっついて、先ほど2回経験した山の裾野のインストラクターコースへ。がふんがふん転びながら、滑る。
我孫子さん、こちらを観察しながら言う。
「全然ハの字になってない…」
「?」(そうかなー?)
「全然スピードセーブできてない」
「?」(そうなのか)
「曲がれてない」
「?」(そんな気はしていた)
「危ない。その、女座りの転び方」
「?」(そう?)
「骨が折れてるみたいに見える」
「平気平気」
すっくと立ったつもりが、そのままずざざざと仰向けで落ちて行くわし。
あーどこまでいくのかしら。このまま尻スキーでもいいわ。
気がつくと、我孫子さんが横で転んでいる。あれ?我孫子さん、自由落下より速いなんてすごい。
千織さん「…河内さん、自由落下じゃないない」と首を振る。
ああ、我孫子さんたら、身を挺して止めてくれたんですね。ありがとう。原作が遅れようとなんだろうと、やっぱりあなたは今んとこ頼れる唯一の男性です。かっこいいです。
しばらくつきあってくれた女性ふたりも、林間コースのある中腹まで戻るという。
んで、わたしを連れて行くことを断念した我孫子コーチがひとりでいろいろ教えてくれるが、開眼には程遠い。ものすごい親切丁寧なのに、やっぱり飲み込みが悪いようだ、わし。

ややもして、ついに足にきた。自力で立ち上がれなくなりそうな予感に襲われ、一旦休憩所にもどることにする。
やはりがふんがふん転びつつ、降りていくわたしを、途中で止まりつつ辛抱強く待つ我孫子さん。道道3人ほどひきながら、やっと休憩所まで10メートル。
ファイナルアプローチで、とうとう立っている我孫子さんのおかまを掘る。もんどりうって倒れ込むふたり。スキーやらストックやらがからみあって、どう立ち上がったもんかわからん状態。
「スキー板はずして」
「あああ、手が届きません」
「この重なっている板を上へ〜」
「ありあり」
このたこ足状態に『これで我孫子たこまる』などと考えていたわたしは、なんというふとどきものなのでしょう。
3時半で河内リタイア。休憩後、我孫子さんはようやく中腹まで戻って行ったのだった。
休憩所で待っている間、両足がつる。あまりにも転ぶので、スキー靴の中に雪がどっさりはいって冷えたのだ。今日初めて泣く(;_;)。頭の中は、このあと行く温泉のことで一色になった。


2/24・夜

一旦クヌルプに戻ってから、温泉へ。帰り道、お土産屋、セブンイレブンをハシゴして、原稿のコピーをとる。大森さんはお土産を買い、由香さんはぬいぐるみの犬の前で動かない(笑)。そして酒を探す我孫子さん。(なかったけど)

夕飯の後、それぞれカードゲームに興じる。女性陣と大森さんで、よしこさんが購入した『ニャントロ星人の陰謀』。これはハマるかもしれない。千織・河内、由香・河内間で友情が壊れそうになる。悪いのはオレか。結局C塚さんのひとり勝ち。

直後、今回のメインイベントのために皆が円陣を組む。明日、一足先に帰らねばならないC塚さんのためにも、今晩やっておかねばならない。

『新婚法月綸太郎を囲んで追及する会』

いや、我孫子さんがとばすとばす。法月綸太郎が結婚できる訳がない、という結論に持って行きたいわけだが、もう結婚してるんだからしょうがないじゃん。あまりのスーパーロジックに、ギャグ王キクニが食堂の椅子から転げ落ち、しゃがみこんで涙をぼろぼろ流している。昏倒する周囲に向かって「なに?そんなにおかしい?なんで?」と表情を変えずに言い放つ我孫子さん。笠井さんの持ってきたウイスキーの最後の一滴を飲み干す。わかったわかった、要するに『法月綸太郎の良さが、心底わかるのはぼくだけだ』と言いたいわけだな。『女に取られてくやしい』わけだな。よくわかった。

そのあと、男性陣の泊まっているコテージに移って、話は続く。法月綸太郎のハナシがメインのハズなのに、焦点がすぐ、我孫子武丸にそれてしまうのは、一行の誰にも解けないナゾである。


2/25

寝ついたのは3時。8時半くらいに起きたと思う。なんかあやふやなのは、わたしが目覚ましをかけた時間前に起きてしまうからだ。仕事中、アシスタントより早く起きて、身繕いしてから声をかけるので、その習慣からかもしんない。
洗面をして、目覚ましが鳴ったのを確認して、3人に声をかける。
千織さんC塚さんは起きる。だが、由香さんたらぴくりとも動かん。

「由香さーん、由香さーん」
「……」
「由香さん、起きないと、もむぞ」
「……」
くすぐったがりは、この一言で起きることがあるのである。
でもだめ。
もうひとつの手段に出ることにする。果たして効くだろうか。
「……ママ、こたでちゅ。起きてくだちゃい。ママ」
一瞬で目覚める由香さん。
おい(^_^;)。

朝食中、我孫子さんが玄関に呼ばれる。宿泊客だったふたり連れに面が割れて、一緒の写真を頼まれたのである。ラッキーだったね、お嬢さん方。

さて、ゲレンデ。皆が上の方に行ってしまうので、ひとり下方で練習である。
ところが。
…忘れてる。
昨日の今日なのに、全く忘れてる。斜面で立っていることさえできない。初めて恐怖を感じる。しかも自分自身に。
3倍以上の時間をかけて滑り降り、中ほどでコケていると、「だいじょうぶ〜?」という声がする。上から戻ってきた千織さんである。
うええん、お姉ちゃん〜、と、気分はまるで子供。早くも休憩所で休む。呆然としていると、C塚さんと由香さんが探しに来てくれた。くじけそうなわたしに色々アドバイスしてくれる。
やっと復活。リタイヤしてもしょうがないからやんなきゃ。

3人のレクチャーで、ボーゲンのやり直し。開脚前転か股割か、というくらい足を広げないといけないことに気づく。C塚さんの後から、あひるのひなのごとくついて滑って、ようやく左右のカーブができるようになり、
大悟!!
…の一歩手前。
曲がれるようになったし、スピードはセーブできるし、まあ、よっぽどのことがなけりゃ、死なんでしょう。
ありがとう、C塚さん、由香さん、千織さん。うるうる。
この途端、今まで聞こえていなかった周辺の音が聞こえてくる。
スノボとスキーの滑る音は違うし、なによりもスキー場には、音楽が流れているではないかあ!
全然気づかんかった。
世界はなかなか美しい。

恩人C塚さんは、午後東京へ帰還。大森さんと法月さんも、仕事をしにクヌルプに帰るという。後から聞いたのだが、法月さんもこの日午前のスキーは、なんかダメだったそうだ。自分ひとりのブラックホール現象だったのではないと知って、ちょっと安心。

昼食後、「上へ行く?」と我孫子さんに聞かれ、決断する。どうせいつかは行くんだし、今朝の状況を考えて見ると、明日行くより今日行った方が絶対マシ。ましてや、来シーズンなんてことになったら、目も当てられない。

…で、高速リフトへ。
…リフトが怖い。
揺れる!!傾ぐ!!つかまるバーがない!!悪意を感じる!!

目的地に着いてみると、確かにてっぺん。
なんなの?あの崖っぷちは。そこんとこマイヤーみたいに飛び越えちゃったら、どうなるの?
急傾斜の印象は「白い犬の後頭部」といったところか。
風のうわさでは、このグループの初心者は何人も泣いたそうだが。
べらぼうめ。泣いても慰めてくれるダーリンがいるじゃなし。
行くぜ。

3度ほどコケて、リフトの場所まで。

我孫子さん曰く「もっと怖がるかと思ってたのに」
怖がってたわい。
諦めが早いんだい。
千織さん曰く「男らしい滑り」
あうううううう。
ちょっと悲しい。


今度は、高速リフトよりもっと怖い二人乗りリフト。
呻いていると隣の我孫子さん「リフトのが怖いの?」
…リフトは怖い。リフトは自力で状況が変えられない!!
他人に運命を任せるなんて、いやっ!!

もう一度降りて、林間コースを通り、下山。「わしゃ、止まったら死ぬんじゃあ」「注意一秒、怪我一生」このふたつをお題目のように唱え、1時間かけて午前のコースへ。あとは慣れた道、と思った途端、ふたたび両足がつる。
何分ほど休んだかわかんないが、全然治まらないので、そのまま滑降。地獄を見る。

…は…早く温泉へ…

だが、クヌルプに帰ってまずやったのは、編集部へのファクスと電話での打ち合わせ。しくしく。
玄関にはK木さんが来ていた。色々あって今日しか都合がつかなかったらしい。3/20発売の京極さんのゲラ持参。「スキー用に送った荷物、送り返しにきた」なんて言う。しくしく。

この晩は、翔くんと大森さん我孫子さんが、オリンピックのゲームやるとこ見ただけで、女性陣は早寝。
すっごいスポーツな一日だった。