ヨーロッパ各地の津田理子の演奏評

・ドイツ・メーレスブルク 1999年1月
ショパン:練習曲 Op.10
 特に目を瞠らせる程に柔軟な右手、愛すべき優雅さと響きの輝かしさは、聴衆に深く感銘を与えた。


・ドイツ・アイゼナハ 1999年4月
ファリャ:スペインの庭の夜
 スペインの夜、むせび泣くようなラプソディー風のオクターブのソロパート、装飾されたギターの響き。津田理子は素晴らしいテクニックで雰囲気を充分にかもしだしていた。

フランス音楽雑誌ル・モンド・ドゥ・ラ・ムジク 1999年9月号より
ショパン:練習曲 Op.10、Op.25、遺作三曲
 技術的に何も恐れることのない津田理子は、この練習曲に本物の一貫性をもった解釈を与える音楽性を持っている。
 音のニュアンスに対する鋭い感覚と鋭敏なタッチ、両方を兼ね備えている彼女は、最も力強い曲(作品10-12「革命」、作品25-11番、12番)においてもコントロールした音で、素晴らしく大きな響きでありながら少しも硬い音にならない。
 はっきりとした響きと自然な音の録音は、筆さばきのよい北斎の版画を思い起こさせる。