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マニアック観光 <Maniac目次へ>
サン・ジョバンニ・デイ・レッブロージ <S.Giovanni dei Rebbrosi>
教会までの道の途中には、”アンミラーリオの橋”がある。
最初に建てられていた頃には、この下にちゃんと川(オレート川:現在はやや北側を流れている)があったらしい。後に川の流れが変わり、橋だけが残った。今は公園になっている。
橋としての機能を失った後も、こうして残されてきたというのが凄い。それに、橋の名前にアンミラーリオという役職の名前が残っているのも凄いと思う。ルッジェーロ2世時代の大宰相ゲオルギオスが建てたことから、この橋は彼の役職名で呼ばれている。橋をかけたのが王様や領主じゃなくて、役人だったのだ。官僚が力をもっていたシチリア王国ならではの公共事業といったところである。
ちなみに、この橋は、パレルモ中央駅を出入りする列車の中からも見ることができる。
駅の手前で列車がスローダウンしたあたりで、ちょうど橋が見える位置に来る感じ。線路のすぐ北側に公園があって、その真ん中に橋がある。わざわざ出かけなくても、車窓からのちょっとした観光ができる。
さて、橋を過ぎると、目指した教会はすぐに見えてきた。
マニアック過ぎる観光スポットであるため、観に来てる人は誰もいない。地元の親子連れが散歩に来ているだけだった。
戸が閉まっていて、教会の中には入れなかった。もっとも、現役の教会として機能しているらしく、信者が集まる時間帯には戸が開けられるようだった。
ただ、その日は、空港のストライキが始まり、国鉄のストライキも始まろうという日だった。何となく落ち着かず、教会が開く時間を待つ気になれなかった。周囲を一周して観光終了となる。
教会を背に、バス停のある街道に向かう途中、何とも凄まじい廃墟があった。後で調べてみると、イエヒア城というアラブ建築の跡のようだ。サン・ジョバンニ・デイ・レッブロージは、もともと病院と一緒に建築されたもので、この城も教会と一体のものだったらしい。今はシンプルな小さな教会だが、昔はもっと規模が大きく、複雑な建築物だったのだろう。
この城がどんな使われ方をしていたのか、詳しいことは分からない。マニアック観光としては絶好の標的となるべき遺構といったところだが、やはりストのことが気になり、じっくり観察する余裕がなかった。写真を一枚撮っただけで帰る。
こうしてみると、あまり観光客が来ないこの一帯も、意外に観光資源が豊富である。ZizaやCuba同様、いずれは整備され、観光化が進むのだろう。
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