お待たせ弁当再び


4泊5日の成都の旅を終え、上海へ帰ろうとしたところ、何故かホテルを車が出ると直ぐに公安に車を止められてしまいました。 公安局員の様子が友好的だったので、それほど不安は無かったのですが刑事らしき人と一緒に手錠を掛けられたお兄ちゃんが二人私の両脇に乗ってきたときにはちょっとぎょっとしました。 見たところ明らかに経済犯といった感じだったので最初は彼らにあまり同情はしなかったのですが、 刑務所まで彼らを送り届けるのに付き合わされることになったらしいと判った時には、 見せしめの為処刑されることが良く有る中国の風土を思うとそんなことにならなければと願わずにはいられませんでした。

彼らを刑務所に送り届けたその後、空港へと向かったのですが、 運が悪いことに霧が濃くなってきて、これはまずいかなと思っていると、 タクシーの無線機から「今天飛機到上海没有(本日の上海行きは有りません)」と無情な声が流れて来ます。

結局その日は飛行機が飛ばず、翌日また行って見ると前日ほどでは有りませんがまた霧が立ちこめていて、 時々飛行機の爆音がしたと思うと霧の中から飛行機の先端部がニュッと顔を出したりすると言った案配で、 この日もなかなか飛行機が飛んでくれず、又上の写真のお待たせ弁当との再会となってしまいました。 こちらの方は、上海の物とは異なって味のほうは結構いけるので二日酔いにも係わらずペロッとたいらげてしまいました。

しかし、この時の旅行はよくよく公安局と縁が有るみたいで空港が立て込んでいるのでタクシーの運転手が、 気をきかして頼んでくれた相手がまた成都の公安局員でした。 かれらは三人で上海へ行くところだと言ってましたが、かんぐれば防空壕へ入り浸りになってあちこち写真を、 撮って歩いたことが咎められたのかもしれません。 この前日も飛行機が飛ばず気分が優れなかったので、泊まったホテル錦江賓館の近くにある地下の店黒珈琲へ遊びにいったのですが、 この時も、ディスコの後ろのほうにいた公安らしい人にどうもマークされていたようなふしが有ります。



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