◆ 浜田 真理子 ◆
Mariko は、不意に現れ、いきなり心をわしづかみにした。
1998 年、渋谷タワーレコードのジャズフロアで「Mariko」を聴いた時のことは
今も覚えている。試聴棚にあった真っ黒な CD、試聴してみると
暗く青く燃える情念が歌声にこもり、これまで聴いたことのない空気感を
漂わせていた。
ただ者ではない、と思いジャケットを見直すが、
CD は島根の知らないレーベル、Web サイトを探してみても、
サングラスをかけた不鮮明な姿しか見えず「いったいこいつは何物だ?」
という謎と期待が深まるばかり。
2002 年にやっとセカンドアルバム発売。東京でのライブも告知されたが、
その後延期されじらされた後、11 月に公演。
ここで初めて彼女は人前に姿を現した。
ピアノと歌声でのワンマンライブはジャズの匂いを漂わせ、
変幻自在で完成度が高い。改めて卓越した表現力を見せつけられた。

Mariko [1998]
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あなたへ [2002]
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Love Song [2003]
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夜も昼も [2006]
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ライブ会場で手に入れた彼女のインタビューパンフレット
(*1) があり、
彼女の音楽的成り立ちについては現在までこれが一番の情報源である。
読んでこれまたびっくりなのだが、明るく、あっけらかんとした性格なのだ。
苦労の多い時期を過ごしながらピアノの弾き語りを続け、偶然が重なって
CD が発売された。しかしヒットを飛ばしたいとかプロミュージシャンに
なりたいとかの野望がある訳でもなく、音楽を続けつつ淡々と日々を
暮らして行きたいと言う。たぶん 30 代なかば、独身、子供ひとり。
音楽に対する謙虚さは感心する程だが、もう音楽業界の勘のいい人々は
彼女を放ってはおかないだろう。彼女の歌を熱心に求める聴衆も多いだろう。
そんな状況の中で、シンガーソングライター浜田真理子がこれから
どうなっていくのか、心配だったり、楽しみだったりする。
長く、ゆっくりと、これからも彼女の音楽が聴けることを願う。
*1 :
その後、Web サイトで読めるようになっている。
→
浜田真理子の生活と意見(Link)
▼ アルバムなどの印象 新しい順
- 夜も昼も / 浜田 真理子 [2006/11/04]
- 待っていました、大好きなシンガーソングライターの
4年ぶり3枚目オリジナルアルバム。
年に1・2回はライブを聴きに行き、またライブアルバムや
ミニアルバムがリリースされていたので、そんなに久しぶりの
作品だとは意外な感じ。
11 曲のオリジナル。いくつかは
どこかで聞き覚えがあるが、どれも浜田真理子らいメロディと
詞が強く訴えてくる。しんみりゆったりと、流れる。
演奏は、ピアノ引き語り+αという感じでゲストミュージシャン
が参加しているが、歌を邪魔せず寄り添うような味付けと
なっていて自然。
声がとても好きなのだが、このアルバムの録音では音質が
カサカサに乾いた感じに仕上げられている。可愛いめな囁きを
耳元に聞くような。これまでのライブなどでは時に「強い」声の
表現も好きだったので、その感じがないのは残念。
ジャケットの絵は妙にエロい。絵としてはいいが、
このアルバムには違うだろー。
浜田真理子 Official Website (link)
(2007/01/06)
- 浜田真理子 ホール・ワンマンライブ in 横浜 [2006/09/16]
- テレビCMなどでも彼女の声を聴くようになり、すっかり
有名になりました。1年ぶりに聴くワンマンライブ、
待ち焦がれておりました。
神奈川県立音楽堂・木のホールにて。歴史あるクラシック系の
ホールということもあってか、音響が実に良かった。
ピアノの音の柔らかさと彼女の声の通り具合のバランスがグッド。
「再会の夜」に始まり、ゆったりと語りかける浜田ワールドの
テンポに引き込まれ包まれる。囁くように弱く声がかすれた
次の小節では強くツヤのある声が通る。強弱の表現が広い。
辛く・切なく・苦しい歌で心を揺さぶられるが、最後には
優しさ・暖かさが残る声なのだ。この声が好きだ。
「Song Never Sung」「Love Song」「純愛」が良かった。
11/4 に4年ぶりのオリジナルアルバムが発売されるそうだ。
そのアルバムからも数曲歌った。発売が楽しみ。
浜田真理子 Official Website (link)
(2006/09/18)
- 浜田 真理子 ソロライブ
at 横浜はまぎんホール VIA MARE [2005/09/23]
- 約4ヶ月半ぶりに行われた、浜田真理子のソロライブ。
待ち焦がれておりました。前回は窮屈なライブハウスでの
開催だったが、今回は横浜の広めのホールで落ち着いて
聴くことができた。ステージにはピアノ1台、白いドレス姿で
現れた浜田真理子は、スポットライトを浴びて静かに歌い出し、
ゆったりとした世界でホールを包んでいった。
しみる、しみる、心にしみる。
ピアノとヴォーカル、シンプルな演奏形態だけに、
その表現の巧みさが良くわかる。
彼女のオリジナル曲を中心に、休憩を挟んで2時間、16 曲を聴いた。
「月の記憶」「The Crow」「アカシアの雨が止む時」
「Song Never Sung」「竹田の子守歌」「流転」など。
アンコールに「ふるさと」「純愛」。
浜田真理子 (Link)
(2005/09/25)
- 浜田真理子 & 大友良英 Live
〜New Jazz Small Ensemble Special〜 / 浜田 真理子 [2005/05/05]
- 吉祥寺 Star Pine's Cafe にて行われた浜田真理子のライブ。
昨年からの人気上昇と活躍はすごいものがあり、チケットを
とるのも大変、当日の会場もきちきちに詰まっていた。
ちょっと後姿が見える席で窮屈に観ていた。ライブハウスという
場所で演奏するのはもう辛いレベルになってきている。
今回は大友良英率いるバンド(Guitar, Trombone, Vibraphone,
Contrabass, Drums)との共演となっていて、弾き語りの他に
バンドとの演奏も多く行われた。ビブラフォンの透明な音、
特に弓で弾いた時の独特の音は良くマッチしていた。
演奏曲の幅が広く知っている曲は3曲しかなかった。
ライブ CD「Mariko Live 〜Romance〜」を会場で購入。
Star Pine's Cafe (Link)、
浜田真理子 (Link)
(2005/05/08)
- Mariko Live 〜Romance〜 / 浜田 真理子 [2004/11/04]
- シアターコクーンで行われた、約半年ぶりの浜田真理子ライブ。
待ちわびておりました。先日「情熱大陸」で彼女が取り上げられた
せいもあるのだろう、会場はぎっしりと埋っていた。
聴衆の年齢層が広い。暗いステージにピアノ1台、
彼女ひとりでのライブ。登場しての最初の歌は ♪命短し恋せよ乙女
「ゴンドラの歌」。歌いだすとすぐに真理子の世界にとっぷりと
連れて行かれる。しんみりと、ゆったりと、心地よく。
昭和の歌謡曲、オリジナル曲、ジャズスタンダード曲を2ステージに
わたって披露した。特に昭和歌謡曲シリーズはいい感じだった。
浜田真理子 (Link)
(2004/11/11)
- 浜田 真理子 TBS「情熱大陸」出演 [2004/07/04 23:30-24:00]
- あぁついに TV に出てしまった〜。この間の吉祥寺のライブに
取材に来ていたのはこの番組のスタッフだったか。
やっぱりメディアが放っておく訳がない。
売れることに対しては欲のない、島根での淡々とした彼女の日常が
映し出されていた。素ではのほほんと楽しい性格だ。
ライブのシーンでは音響がいまいちよくとれてなかったが、
これでまた彼女の歌にやられてしまった人々が日本全国に
続出したことだろう。彼女が認められていくのは嬉しいが、
次のライブは席を確保するのがさらに難しくなりそう。
どんどん遠くなっていく感じ。
浜田真理子 (Link)
(2004/07/05)
- 浜田真理子 Live 〜あなたと夜と音楽と〜 / 浜田 真理子
[2004/04/30]
- 吉祥寺 Star Pine's Cafe にて行われた浜田真理子のライブ。
生で聴くのは半年ぶり。少々窮屈な感じに椅子を並べた会場だが、
その分ピアノに近くて表情もしっかり見ていられた。取材の
TVカメラが何台か入っていた。注目されるのも当然のアーティスト。
黒いドレスで1人ピアノに向かい、弾き語る。歌い出すと首筋から
ぞくぞくっと寒気が走る。何回聴いてもしびれるぅ。
オリジナル曲の他に、日本の古い曲も交えて 10 曲を歌った。
「The Crow」「Song Never Sung」「のこされし者のうた」「純愛」
など。
今回は「第一夜」となっていて、5/4 に同場所で「第二夜」ライブが
行われる。
Star Pine's Cafe (Link)、
浜田真理子 (Link)
(2004/05/01)
- Mariko Live 〜こころうた〜 / 浜田 真理子
(Live, 2CDs) [2004/03/12]
- 2003/11/21 に品川 Gloria Chapel で行われたライブの様子を
収めた1枚 16 曲と、その他のライブからの選曲を集めた1枚 14 曲、
の2枚組ライブアルバム。Gloria Chapel でのライブは聴きに
行けず残念だったのだが、ピアノ弾き語りの臨場感あふれる録音で
とてもいい。古い日本の歌を真理子流に歌っている「柔」「安来節」
「船頭小歌」「座頭市」は選曲にもヤラレタ、これがまたすごい。
日本的な表現もしっかり持っているのだなぁと発見。スタンダード曲
「I've Got You Under My Skin」「Sunday」は以前から好きな曲
なので新鮮。
浜田真理子 (Link)
(2004/05/01)
- Love Song / 浜田 真理子 [2003/11/05]
- 新曲が2曲(1曲はインスト)とカヴァー3曲が
収録されたミニアルバム。暗く静かなところで聴いてください。
1曲目がオリジナル「Love Song」。歌が始まるとゾクゾクと
鳥肌がたちます。歌詞と曲とヴォーカル表現の魅力、たまりません。
清く優しく、はかない。
ベースとサックスが入っているのもこれまでと違ったアレンジ。
ライブ感ある録音。またまた、やられっぱなしです。
インディーズの CD として売られているので、入手は難しいかも。
Web Site から通信販売されています。
ジャケットの絵も、とてもいい。
浜田真理子 (Link)
(2003/11/10,11)
- あおやま美音堂「秋」/ 浜田 真理子 (Live) [2003/09/16]
- 謎のシンガーソングライター、浜田真理子の約1年ぶりのライブ。
第1部はシャンソンシンガー、ソワレのステージ。
ピアノと朗読に合わせて越路吹雪の歌った曲など。
第2部に浜田真理子登場。2曲ほど歌った後、共演の
「ふちがみとふなと」の2人。ふちがみさんは強烈なキャラクタで
どうなるかと思ったが、一緒に歌うときれいにハモった。
歌を楽しんでいる。浜田さんはオリジナル曲はあまり歌わず、
日本の古い歌などを浜田風にアレンジしたものが多かったが、
何を歌っても彼女の表現になる。上手い、心にしみわたる。
ホールも生音の響きが良く、幸せな気分になったライブだった。
浜田真理子 (Link)
(2003/09/18)
- Mariko Live 〜月の記憶〜 2002 / 浜田 真理子
(Live, 2CDs) [2003/04/25]
- 2002年11月09日、シアターコクーンで行われたライブをそのまま
CD 化したもの。東京での(ほぼ)初ライブ、緊張感みなぎる
会場の雰囲気が凝縮されている。それでも演奏の質は高く、
ピアノを弾き出した瞬間からスローでダークな真理子ワールドに
心を持って行かれる。ジャズスタンダードを浜田流に歌ったものも
良い。この瞬間を生で聴けたのは幸運だったと記憶がよみがえる。
浜田真理子 (Link)
(2003/09/18,21,24)
- 「月の記憶」Live at シアターコクーン / 浜田 真理子
[2002/11/09]
- 新アルバム「あなたへ」発売記念ライブ。9/2 に行われるはず
だったのが延期され、待ちわびたライブでもある。
ピアノ1台とスポットライト、シンプルなステージに彼女は現れ
ゆったりとピアノを弾き出した。2部構成の1部はスタンダード
などカヴァー曲を中心に、2部は「あなたへ」からの曲を多く
演奏した。語りはほとんどないが冷たい感じではない。
聴いてすぐに、こいつは*本物*だ、と確信した。
ピアノも歌も完成度が高く、彼女の空気感を保ちながら
自在に歌う。英語曲と日本語曲を1曲の中で切り替えて
行き来したり、カヴァー曲をオリジナルな味に変えたりする。
実質メジャーなライブとしてはこれが初めてのものだが、
(本人も観客も緊張し固いところがあったようだが)
とてもそうは思えないほどに卓越し完成された「うた」の表現を
堪能した。これでもう、音楽界は彼女を放ってはおかないだろう。
浜田真理子 (Link)
(2002/11/10,2003/09/24)
- 聖歌 〜はじまりの日〜 / 浜田 真理子 (3 Songs) [2002/10/20]
- シアターコクーンでのライブで歌われた「教訓I」に感動して
会場で購入。「聖歌 〜はじまりの日〜」「教訓I」
「さとうきび畑」3曲を含むマキシシングル。戦争を意識した
3曲なのか、「聖歌」も力のこもったテイクで収録されている。
浜田真理子 (Link)
(2002/11/10,2003/09/24)
- あなたへ / 浜田 真理子 [2002/10/20]
- 「Mariko」に続く2枚目のアルバム。9曲収録。
8/31 にリリースされる予定だったと思うが、期待しじらされて
やっと手に入れることができた。
あやうく消え入りそうなところで成立している歌声なのだが、
同時にまっすぐに訴えてくる歌である。静かに青く燃えている。
この美音堂というレーベルは、売れること抜きにいい音楽を
届けるために彼女のために設立されたものだという。
この魅力、いつまで世の中は放っておけるだろうか?
東京でのライブは、延期されて 11/9 に行われる予定。
浜田真理子 (Link)
(2002/10/20,28,2003/09/24)
- 純愛 / 浜田 真理子 [2002/06/30]
- 背中がゾクゾクする歌、というものを久しぶりに聴いた。
前作のデビューアルバム Mariko (1998) を聴いた時に
こいつぁすげぇと思ったが、この3曲入りマキシシングルは、
一段と研ぎ澄まされている。
ヴォーカルのエコーが浅くなって、響きに少し可愛らしさが
感じられるようになったが、それがまた心を強く揺さぶる。
淡々としたリズムとピアノ、歌詞に込められた情念の深さ、
とつとつとした歌。怖いくらいに迫ってくるものがある。
「月の記憶」「純愛」「知りたくないの」を収録。
8/31 にニューアルバム発売、9/2 には東京でライブがある。
→ ライブは本人急病のため 11/9 に延期された。
浜田真理子 (Link)
(2002/07/10,10/20,2003/09/24)
- Mariko / 浜田 真理子 [1998]
- このアーティストは近いうちに必ず話題になる。覚えておくといい。
渋谷 Tower Records のジャズフロアで、推薦盤として置いて
あった黒いジャケットの CD、表に白く Mariko の文字。
試聴してすぐにゾクゾクと背筋から歌が入り込んでくる。
ピアノの弾き語りで、静かな夜明け前の闇の雰囲気、女の情念。
最初の2曲は流暢な英語の曲で外人かとさえ思ったが、
3曲目は日本語で、この「のこされし者のうた」がすごい。
1998 年に島根のマイナーレーベルから発売された CD で、
記載された情報も少なく、謎が多い。まだまだ知られていないと
思うが、これからどういう形で出てくるのか、楽しみ。
Mariko Hamada (Link)
(2001/04/25,05/06,2003/09/24)
→
浜田真理子 Official Website (Link)
2003/09/24 Takakuni Minewaki
2007/01/06 last modified Takakuni Minewaki
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