掲示板に投稿された夢の中から、心を癒してくれそうなものをセレクトしています。
(その8)





灰色のアスラン  by なつこ 2002/10/01

 
僕は、

埃の舞う、

コンクリートうちっぱなしでそのまま荒れ果てたような黄昏の部屋にいる。

西日がさして、

四角くあいた窓からひかりが、

部屋を金色にそめている。



美術室の女の子  by shige 2002/12/23

 
中学校の美術室に居ます。

外では雨が降っています。

室内には女の子が一人だけいて、白い石膏の像を鉛筆で描いています。

そうしているうちに、石膏の像がアメーバのように動き始めます。

それでも女の子は、その像を描いています。

クロッキー帳を覗くと、鉛筆で描かれた絵も動いています。

違うかもしれません。

2次元の絵が動いているのではなくて、

時間軸を持った絵を描いています。

女の子が鉛筆を動かす毎に、像の動きがはっきりしていきます。

過去から現在、また未来の動きが一枚の紙の上に描かれています。

すごいすごい。

ふと女の子の方を見ると誰も居ません。

クロッキー帳の絵もただの2次元の絵になっています。



エーンヤコーラ  by 神仙 由厨葉  2002/07/07

 
砂漠を旅する私の前に、かつての湖のなごりである船の残骸がたくさん現れました。

中でも、ひときわ大きな船の中から私を呼ぶ声がします。

その船は海賊船めいていて怪しいと思いはしましたが、

好奇心が勝ち、中へ足を踏み入れていくと誰もいない。

私は、その船の中で見つけた日記によって、干上がった湖の事を知ったのです。

そして、その湖には宝物があるということも。

船から出ようとすると、またしても、私を呼ぶ声がしました。

中からではないようです。

外に出てみると、船の女神像でした。

女神像が、久しぶりに人間を見つけ、声をかけていたのです。

私が、宝物の正確な場所を尋ねると、連れて行っててあげると頼もしい返事。

でも、ここにはもう水はありません。船は動けないのではないでしょうか。

船は、「加速さえつけば砂の上でも走れる」と言います。

「そのために身体を軽くするから引っ張ってほしい」と。

私は、頼みを引き受け、船の碇につながるロープを引っ張りました。

すると、少しずつ船は動き出し、宙へと浮いていくではありませんか。

私は、途中までロープにぶら下がっていましたが、

完全に船が浮いてしまったので、ロープを伝って甲板へ上がりました。

しかし、船が空へ飛び立つ気配はありません。

不信に思い地面を見下ろすと、

船のあった場所から噴水のよう湧き出す、水、水、水。

 これが宝物の正体だったのだと私は気がつき、

贅沢にも私だけの湖で、久しぶりの水に狂喜している船と一緒に気の済むまで泳ぎ続けました。



透明  by なつこ  2002/12/21

 
四角い部屋の中であお向けに寝ていた。

そのまま視線を頭の方へむけると窓が見え、

窓枠の中、日が落ちたあとの群青の空に、

星が五つくらいあった。

星の周辺に靄がかかっていて、

アンドロメダ星雲だとわかった。

そのままずっと見ていると、窓枠が消えた。

寝ている床の感覚はしっかりしていたが、

視界はあやふやで、群青の空がひろがっていく。

空を本当に見ようと思ったら窓枠なんて見えなくなるんだな。

と、みているうちに

星が揺れて降り出した。

とてもゆっくりと

雪のように。

マリンスノウだ。

と、なぜか私はそう思った。


そうか、そうだった。

空高く宇宙へ昇っていくと、

海の底に、たどりつくんだった。



死の瞬間  by bless  2003/09/03

 
絶望ではなく、

ただ生きる意味を終えた人間たちが

星の外へ旅立つ。

何らかの実験台として

命を捧げる覚悟を私たちは持っていた。

実験の意味を知らされてはいない。

マンションのつくりをした宇宙船だろうか、

そこが未知の世界なのだという気配だけで

他の存在を見つけることは出来ない。

部屋の明かりが少しずつ消えてゆくにつれ

わびしさがこみ上げてくる。

「死」とはどんなものだろうと、試験台を引き受けたときは考えもしなかった。

「生きる」ことを特別とも思えなかったけれど。

また一つ光が消え、

やがて薄暗くなった部屋に

自分の在り方すらもわからなくなっていく。

真っ暗などこかに急降下してゆくような感覚がきて

今度は「世界」が見える。

そこに見た「世界」は、

自分の体を取り巻くようにはられた分厚い「氷」だった。

氷の向こうにはコンクリートの壁がある。

氷の透明に歪められた有限の世界だった。

どこかへ落ちてゆく。

痛みも、何も感じない。

裸になってゆく。

孤独になってゆく。


扉へ戻る 扉へ戻る

ホームページの冒頭へ