ABIT  BF6/BE6-2
 

ABITの逆襲 新マザー一挙5製品登場
 自作派ユーザーにはすっかりおなじみのABIT。BIOSメニューによるFSB/電圧設定をウリにしたBH6が一世を風靡した後も,世界初のSocket370マザーBP6が話題をさらった。しかしBH6以降,シングルCPUのマザーに関しては,BH6-1.1を投入したもののいささか展開が地味という印象があった。
 だが,さすがはABIT。ここにきて新製品を一気に5種投入し,ユーザーを驚かせた。まず最初に店頭に登場したのが,Intel 810-DC100を搭載したWX6。これに関しては,こちらで詳しく取り上げているのでそちらを参照してほしい。次にここで紹介するIntel 440BX搭載マザーの最新モデル,BF6とBE6- II 。続けてIntel 810E搭載のWB6(microATX),WE6(ATX)も登場する。いずれも意欲的な製品で,ABITの底力を感じさせるマザーボードに仕上がっている。

 

Ultra ATA/66をとるかPCI6本をとるか
 それではBF6とBE6- II について細かく見ていこう。この2製品については,外見上はほとんど同じである。ボードのサイズ,パーツのレイアウトは一部を除いてまったく一緒で,いわば兄弟製品といえる。違うのは拡張スロットの数と,Ultra ATA/66への対応くらいのものだ。
 BE6- II はHighPointのUltra ATA/66コントローラHPT366をオンボードで搭載しており,IDEコネクタも4個装備されている。BF6はUltra ATA/33までだ。ただ,PCIスロットはBF6のほうが1本多い。BE6- II ではHPT366が搭載されている場所がBF6ではパターンのみになっていて,逆にBF6では6本めのPCIがある場所がBE6- II ではパターンのみになっている。
 Ultra ATA/66をとるかPCIスロットをとるかで選択が分かれるところだが,どちらを選んだとしても拡張性は十分なので,後悔することはないはず。BF6を選んだユーザーがUltra ATA/66を使いたくなったとしても,同じくABITから発売されている「HotRod 66」といったUltra ATA/66カードを増設すればそれで十分対応可能だからだ。

 

FSBは1MHz刻みで200MHzまで!
 この両製品の最大の目玉といえば,豊富すぎるくらい豊富なFSB設定。66/75MHzときて,83MHz以降はなんと1MHz刻みで設定できる。そして,設定値の最大は驚くなかれ,200MHzなのである!
 この幅広い設定を生み出すPLLは,カニさんマークでおなじみ,LANカードのチップでも有名なRealtekのRTM520-39Dである。1MHz刻みでFSBを設定できるマザーとしては,国内では最も早く出てきたCHAINTECHのCT-6ATA2で搭載されていたRTM520-39Cの後継チップのようだ。このPLLの詳しいデータは,http://www.realtek.com.tw/cp/
download.htmから仕様書をダウンロードできるので,必要な人はそちらを当たってみるといい。
 ??とはいっても,現状ではFSB 200MHzで動くCPUは恐らく存在しないだろう。CPUをものすごく冷却したとしても,200MHzでシステムが動くことはないと思われる。Intel 440BXマザーの宿命ではあるが,PCIクロックはFSBの1/2か1/3か1/4,AGPクロックはFSBの等倍もしくは2/3にしか設定できないからだ。仮にCPUが200MHzで駆動できるだけの耐性を持っていたとしても,その状態ではPCIクロックは50MHz,AGPクロックは133MHzに跳ね上がる。拡張カードがそれについていけるとは考えにくい。
 ただ,FSBを200MHzにしないまでも,設定が豊富というのがうれしいことであるのに変わりはない。1MHz刻みで,自分の手持ちパーツの限界まで挑むことができる。かなり刺激的なチャレンジが行えそうだ。
 FSBは基本的にはBIOSメニューの「SoftMenu III 」で行う。ここではFSBのほか,クロック倍率,PCI/AGPのクロック,Vcore電圧,I/O電圧(3.2Vから3.9Vまで0.1V刻み)などの設定が行える。FSBだけでなくそのほかの項目も,設定は非常に細かく,マニアックなユーザーでも間違いなく満足できるだろう。
 なお,FSBとクロック倍率は,マザーボード上のディップスイッチでも設定することができる。ディップスイッチだと設定可能なFSBが66/75/83/100/103/112/124/133MHzに限られてしまうが,設定を変更することが少ないユーザーにとってはこれで十分だ。
 BF6/BE6- II のAWARD BIOSは,項目にカーソルを合わせて[Enter]キーを押すと設定可能な値の一覧が表示され,その中から好みの値を選択するタイプ。ここで気になる点が一つ。FSBが1MHz単位で設定できるのはいいのだが,この設定はカーソルキーの上下でしか行えない。
 例えばFSB 100MHzで立ち上がったシステムを200MHzまでオーバークロックしようと思ったら,カーソルキーを100回押さなくてはならないのだ。そこまで極端な例でなくても,ディップスイッチで設定できる最大限の133MHzで起動して155MHzにオーバークロックしようと思ったら,カーソルキーを22回押す必要がある。オーバークロックテストに失敗して次は150MHzにしよう??と思ったらまたカーソルキーを17回である。これはかなりまだるっこしい。数値をダイレクトに入力できるようにするか,5MHzくらいずつ飛ばして上下できるキー操作を用意しておいてくれるとだいぶ楽だったのだが。

 

 マニアなら即ゲットだっ!
 レイアウトは全体的にスッキリしている。ただ,Slot1とメモリソケットの間が若干狭いのは気になる。リテール品のCPUに付属のCPUクーラーなら問題ないが,激しいオーバークロックをするために巨大なヒートシンクを使いたいユーザーにとっては窮屈に感じられるだろう。ほかのマザーと比べて著しく狭いというほどではないが,いかにもオーバークロックを意識したような仕様になっているだけに,より残念な気がした。そのほかのコンポーネントの配置はおおむね良好で,とくに困ることはないと思われる。
 Intel 820の出荷が遅れた今,信頼性が高く,いろいろ遊べる余地もあるチップセットとしてIntel 440BXが再びクローズアップされている。各社がIntel 440BX搭載の最新製品を投入してきているが,BF6/BE6- II は,その中でもマニアックさにおいては最強レベルである。カリカリにチューンナップして遊びまくってみたい人にオススメの逸品だ。

 

スペック
製品名 BF6
メーカーURL http://www.abit4u.jp/
マザーボードタイプ ATX
サイズ 200×305mm
チップセット Intel 440BX
BIOS AWARD
CPUスロット/ソケット Slot1
FSB 66/ 75/ 83〜200MHz(1MHz刻み)
PLL(メーカー/型番) Realtek/RTM520-39D
CPUクロック倍率 2〜8倍(0.5倍刻み)
CPUコア電圧 1.3〜2.1V(0.05V刻み),2.2/2.3V
メモリスロット DIMM×3
最大メモリ容量 768MB(256MB×3)
拡張スロット AGP×1,PCI×5,PCI/ISA×1
オンボード
I/Oコネクタ
PS/2キーボード,PS/2マウス,USB×2,パラレル,シリアル×2
IDE HDD Ultra ATA/33
製品リビジョン 1.0

 

スペック
製品名 BE6- II v2.0
メーカーURL http://www.abit4u.jp/
マザーボードタイプ ATX
サイズ 200×305mm
チップセット Intel 440BX
BIOS AWARD
CPUスロット/ソケット Slot1
FSB 66/ 75/ 83〜200MHz(1MHz刻み)
PLL(メーカー/型番) Realtek/RTM520-39D
CPUクロック倍率 2〜8倍(0.5倍刻み)
CPUコア電圧 1.3〜2.1V(0.05V刻み),2.2/2.3V
メモリスロット DIMM×3
最大メモリ容量 768MB(256MB×3)
拡張スロット AGP×1,PCI×5,ISA×1
オンボード
I/Oコネクタ
PS/2キーボード,PS/2マウス,USB×2,パラレル,シリアル×2
IDE HDD Ultra ATA/66(HighPoint HPT366搭載)
製品リビジョン 1.0

 


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