- 前日は南麓の真狩キャンプ場に宿泊した。夜は雨が降ったが朝にはやんでいた。登山口で届けを記載して登り始めた。あたりには霧が立ちこめていた。木からは雫がたくさん落ちていた。
- しばらく登ると汗をかいてきた。休むと蚊が寄ってきた。鳥の声は少なめだった。針葉樹の森からダケカンバの森になると二合目半に着いた。ここまでは直線的な登りで少しぬかるんで滑りやすかった。
- 二合目半からは斜面を横切って登る道になった。笹原になると濡れた葉っぱをかき分ける道になった。服がずぶ濡れになった。この日は登山者が登っていないらしく所々で蜘蛛の巣が体にかかった。木がまばらになり太いダケカンバが多くなってきた。鳥が盛んに鳴きだした。五合目まで霧の中の登りだった。
- 六合目になるとダケカンバは小ぶりになってきた。代わりにナナカマドが増えてきた。足元にはアキノキリンソウやハイオトギリが咲いていた。七合目を過ぎると、この日最初の登山者、男性単独行が下りてきた。「昨日は霧で風も強く、下りる予定だったが小屋に泊まった」と話していた。
- 八合目を過ぎると花が増えてきた。イワブクロやチシマフウロがたくさん咲いていた。ちょうど見頃だった。九合目では小屋の方にニッコウキスゲの群落が見えた。小屋を経由して山頂に向かうことにした。小屋手前は一面のニッコウキスゲ群落だった。
- 小屋には登山者が二人休んでいた。ちょうど霧が晴れニセコアンヌプリが雲の上に見えてきた。小屋前のベンチで一休みした。小屋番さんによれば前日は9人の宿泊との事だった。
- ウラジロタデを見ながら進むと、比羅夫下山分岐に着いた。ニッコウキスゲがたくさん咲いていた。再び霧が出てきた。
- チシマフウロを見ながら登って行くと小さい方の火口の縁に出た。霧は晴れてきた。家族連れとすれ違った。イワブクロを見ながら登って行くと、大きい方の火口の縁に出た。ちょうど二つの火口の間を登ってくる道との合流点だった。少し広くなっていたので荷物を下ろして一休みした。
- 一休み後、火口の縁を時計回りに進んだ。三角点を過ぎて5分程登ると山頂に着いた。登山者が6人いた。火口の先にニセコアンヌプリが見えた。反対側には麓の平地が見えた。
- 山頂から時計回りに岩場を進んだ。イワブクロがあちこちに咲いていた。思いの外時間がかかって真狩下山口に着いた。
- 真狩下山口からは下に避難小屋を見ながらハイマツ帯を下った。九合目が近づくと子供の「誰か来るよー」と言う声が聞こえた。お父さんの「二人組だよー」との返事が聞こえた。九合目で立ち止まると、小屋から家族連れがやって来た。山頂への登りで出会った家族連れで、5歳位の子供と、小さい子供をおんぶしたお父さん、荷物を背負ったお母さんの4人家族だった。お父さんから「下りて来るのが見えましたよ」と言われた。おんぶされた子供が「バイバイ」と我々に手を振った。
- 七合目まで下ると再び霧になった。小屋泊まりらしい登山者13人が登って来た。コマドリが盛んに鳴いていた。しばらく下ると再び晴れて来た。行きには濡れていた笹原はすっかり乾いていた。長い下りで足の踏ん張りがきかなくなり何度か転んでしまった。最後はすっかり明るくなった樹林帯を下って登山口に着いた。この日は合計30人程の登山者と会った。
- 翌日以降は天気が悪くなったので予定の御鉾岳と長万部岳は中止した。