- 車は笹倉温泉の500mほど先まで入れたが、駐車する場所が無かった。スキーと荷物を下ろし、一人が笹倉温泉に運転して戻って駐車した。
- 快晴。顔に日焼け止めを塗り、シールを付けて出発した。最初の橋の上には、まだ1m近くの残雪があった。
- 橋を渡るとしばらくは林道の登りだった。やがて植林が終わり、斜面が急になって、林道はジグザグになった。雪が多く、林道は全て埋まって平らなところが無くなり一面の斜面になっていた。やや緊張しながら通過した。標高800mまで登ると急坂が終わり、正面に焼山が見えた。ほっとして一息入れた。
- 緩い坂を登り、982mのピーク先の鞍部まで登って幕営した。快晴の青空に焼山が映えていた。山頂左手からは白い噴煙が少し上がっていた。この日はスキーヤー4人とすれ違っただけだった。
- 夜間、少し風が吹いた。翌朝は高曇りであまり冷え込まなかった。不要な荷物をテントに置いて出発した。
- 緩い坂を登っていくと、アマナ平に着いた。広々とした雪原になっていた。雪原を途中まで進んだ後、左手の坂に取り付いて北面台地を目指した。
- 一汗かいた頃、待望の北面台地に着いた、無木立の斜面が焼山へと広がっていた。はるか上にスキーヤーが一人、点になって見えていた。斜面をまっすぐに焼山方向に登った。近いようでなかなか進まない感じがした。ようやく先程のスキーヤーとすれ違い、挨拶を交わした。
- 斜面の上部で少し右手に向かい、谷にぶつかった標高1830mをこの日の最高点とした。風が吹き少し寒かった。ダケカンバの根元で風を避けながらシールを外した。スキーを履き、今までの苦労を忘れて斜面を一気に滑り降りた。標高1600mまで下ると風も少し弱まったので腰を下ろして昼食にした。
- 標高1600mからは北面台地を大きなターンを描きながら下った。快適な滑降は、まるでスキーが上達したような錯覚に陥った。斜面は次第に緩くなり、最後は直滑降で下って台地の滑りを終了した。台地からアマナ平への急な下りは、すっかり雪がゆるんでいて滑りやすくなっていた。アマナ平からテント場まではゆるい斜面で時々歩かなければならなかった。
- テントを回収して笹倉温泉へ一気に下山した。この日、結局、単独行以外とは出会わなかった。