- 山鹿温泉からのバスは1ヶ月前に廃止になっていた。やむなくタクシーでふもとまで移動した。運転手は目的地の地理に詳しくなく、何度か道を尋ねていた。
- 元、バス停の有った尾ノ上でタクシーを下りた。民家から人が出てきた。「やほだけに登るのですか?」と聞かれた。ここで初めて山の名前が「はっぽうがたけ」ではなく「やほうがたけ」である事を知った。
- 歩き始めるとすぐに分岐が有った。庭仕事をしている人に尋ねたら、どちらでも同じ所に着くとの事だった。左手の細い道を通ることにした。年ノ原集落で二つの道は合流していた。
- 養魚場手前の山ノ神集落まで車道を登ると「カニの鋏岩」が良く見えた。
- 養魚場は4月中旬まで休業中だった。「登山者の駐車禁止」と書かれた看板が有った。道標は見あたらなかった。養魚場の左手に入っていくと山道が有った。養魚場を右手に見下ろしながら植林帯を登っていった。
- やがてあまり整備されていない林道に出た。切った枝がたくさん落ちていた。本来の山道が有るはずと右下に少し入ると古い山道が有った。すでに廃道となっているらしく倒木がたくさんあった。苦労して薮漕ぎしながら登っていくと別の林道に出た。くっつき虫がズボンにいっぱいくっついた。林道を回り込むと先程の荒れた林道が登ってきていた。どうやらこちらをまっすぐ登った方が良かったようだった。ここからは踏み跡のはっきりした山道になった。
- 九十九曲がりの急坂を登り、稜線近くなると少し木々が紅葉していた。単独行とすれ違った。養魚場から登ったのかと聞くと「周遊コースだ」と言っていた。続いて福岡からの23人組の団体とすれ違った。「静岡からだ」と言うと、びっくりしていた。稜線に出て一登りすると山頂に着いた。
- 山頂は誰もいなかった。360度の展望だった。遠くの山は霞み、近くの山しか見えなかった。草原になっていて昼寝をしたい雰囲気だった。休んでいるうちに登山者が登ってきて、最後には8人になった。ほとんどの登山者は矢谷渓谷キャンプ場側から登ってきている様子だった。
- 下りは矢谷渓谷キャンプ場側へ下山することにした。こちらの方が登りの道より整備されていた。尾根伝いの道で、木の上の方は紅葉が始まっていた。標高880m付近には展望の良い岩が有った。更に下るとロッククライミングができそうな一枚岩の下を通った。鞍部からは谷間の道を下った。登山口の手前に水場が有った。
- 幸いにも登山口からは山頂で会った単独行者に大牟田駅まで送ってもらった。