- 前年、雪が深くて時間も無く途中で引き返したので、今回は、雪辱を期して山頂まで登る事にした。
- 九頭竜ダムの駐車場に車を置いて歩き始めた。ダムの上の積雪は前年より少なかった。林道を少し登った登山口まで行き、ワカンを付けた。
- 登山道の積雪は約10cmだった。足跡は無かった。送電鉄塔までは割としまって歩きやすかった。軽快なペースで登った。鉄塔でフリースを脱いだ。
- 鉄塔からの登りでは少し倒木が有った。青空で日差しが強く少し汗をかいた。小鳥が鳴いていた。前回の到達点、標高730m地点には難なく着いた。これなら楽勝と思った。
- 標高730m地点から少し登ると林道に出会った。林道横から更に尾根の続きを登って行った。ミズナラとブナの多い急坂だった。積雪は次第に多くなった。
- 標高930m地点で急坂が終わった。周辺の積雪は約40cmだった。緩い登りになり標高が稼げなくなった。雪が重たく感じ、足が疲れてきた。思いの外時間がかかった。
- ようやく着いた山頂は潅木に囲まれていた。木の間に周囲の白い山々が少し見えるだけだった。雪辱を期して登ったにしては地味な山頂だった。積雪は40cmほどだった。雪の上にシートを広げ、ザックを置いて腰を下ろした。晴天で風も無く、寒さは感じなかった。登頂できた喜びに静かに浸りながら休んだ。しばらく休んでから西側に向かう登山道を少し進むと白い山(経ヶ岳)が少しだけ良く見えた。
- 帰りは我々の足跡で歩きやすくなった雪道を軽快に下った。雪が削られた急坂ではワカンが時々登山道に付けられた階段にぶつかった。次第に雪が溶けて少なくなってきたので林道に出会ったところでワカンを外した。最後のジグザグの下りでは土も少し出ていた。
- 登山口には思ったより早く着いた。ダムの上の雪は行きよりも減っていた。ダムを渡り終えて振り返ると青空の中に荒島岳が白く見えた。
- 結局、この日は山中では誰にも会わなかった。