- 盛岡からのバスは、高下に着いたときは数人の乗客になっていた。バス停で時刻を書き写していたら、近所の人が登山口まで車で送って行こうかと声をかけてくれた。丁重にお断りし、道路を歩き始めた。田んぼの稲が、たわわに実っていた。
- 登山口の20分ほど手前に、車止めがあった。5-6台車が停まっていた。車止めから登山口までの間で道が2箇所崩れていた。登山口で届けを記入し出発した。
- 杉の植林帯をしばらく登ると、ブナ林になった。稜線に出ると登りはいったんゆるくなった。高下岳との分岐を過ぎると下りになった。和賀川の徒渉点に着いた。飛び石伝いに渡ろうと探したが、良い場所が見つからなかった。靴を脱いで徒渉した。水位は膝下位だった。水は冷たく、身を切るようだった。対岸にはテント3張りほどのスペースがあった。焚き火の跡があった。テントを張った。夜の間に雨が降った。
- 翌朝、まだ薄暗い中を出発した。ブナ林はところどころ黄葉していた。
- 急坂を登りきり、木の高さが低くなってくると、展望が開け、横岳に着いた。南には真昼岳が見えた。風が冷たかった。和賀岳の山頂には雲がかかっていた。
- 左右のきれいな紅葉を見ながら稜線を山頂へ向かった。ガスの中、山頂に着いた。一帯は草原になっていた。夏はきっとお花畑になるのだろう。しばらく待つうちにガスが晴れてきた。田沢湖が意外な近さで見えた。北には紅葉した山々が秋田駒ガ岳へと続いていた。
- 名残惜しい山頂を後にし、帰路についた。徒渉点でテントを回収し、再び登り返した後、登山口へと下った。登山口からは林道をバス停まで歩いた。高下の田んぼではちょうど稲刈りをしていた。この日、山中で会ったのは5人だけだった。
- 湯本温泉でバスの接続待ちの間に一浴した。