- 黒鴨温泉からの林道は悪路だった。2-3度底を擦ったところで車で登るのを中止して歩いて登ることにした。車を停めた林道分岐点付近は杉植林の暗い場所で道脇には「即身仏発掘の地」との表示が立っていた。
- 林道を登山口まで歩いて登るうちに雨が降ってきた。やがて四駆の軽自動車が1台下りてきた。乗っていたのは50歳位の夫婦で無言で下って行った。どうやら登山をあきらめた人たちらしかった。
- 林道終点には車は無かった。この先登るか否か思案した。出直した場合、また悪路を運転して登ってくるのも気が進まなかったので、このまま登ることにした。レインウェアを着て出発した。
- 最初はカラマツの森の登りだった。登り着いた鞍部の鳥取場は山頂と尖山との分岐点になっていた。先に尖山に行くことにした。
- 急坂を登ると尖山山頂に着いた。展望が開けた。下の方は晴れている様子だった。振り返ると頭殿山山頂が見えた。雨が本降りになってきたので早々に出発した。鳥取場まで戻り大きな木の下で雨をしのいだ。
- 鳥取場からしばらくはブナ林のトラバース道だった。歩きやすかった。一度尾根に出た後、再びトラバース道になった。最後にロープの付いた約40mの岩場のトラバースが有った。その先で一休みした。
- 休んだ所からは登りになり尾根に出た。尾根は急な登りだった。登るに従い紅葉がきれいになっていった。
- 急坂を登りつめるとニセピークに着いた。前方に山頂が見えた。紅葉がきれいだった。ニセピークから山頂までは今までより緩い登りだった。
- 山頂は潅木に囲まれて視界が開けていた。残念ながら周囲の山々は雲の中だった。雨が降り続くため早々に下山を開始した。
- 急坂では木の根が滑りやすかったのでゆっくり下った。急坂が終わる頃には雨はやんだ。岩のトラバース地点では青空も少し見えた。最後にカラマツの森を下ると登山口に着いた。結局、山中では誰にも会わなかった。
- 登山口から林道を歩き車の所に戻った。濡れた服を着替えてから車に乗り込んだ。
- 林道は下りも慎重に運転した。ブレーキを踏む足が疲れてきた頃に、ようやく黒鴨温泉に着いた。