- フェリーが上甑島の里港に着いた時は、すでに暗くなっていた。観光案内所で民宿の場所を聞くと、係の男性が「少し分かりにくいので送ってあげる」と、丁寧に車で民宿まで送ってくれた。民宿では、焼酎をボトルで注文し島の魚料理に舌鼓を打った。
- 翌日はペットボトルに余った焼酎を入れて出発した。村外れには武家屋敷跡が有った。説明板を見ている間に車が横を通って行った。
- ツワブキの花やムラサキシキブの実を見ながら舗装された車道を登っていった。発電用の風車の先に登山口が有った。「牟礼山登山口」の標識が有った。
- 山道に入るとすぐにハナミョウガに赤い実が実っていた。急坂を登って行くと尾根に出た所で坂が緩んだ。「雨タモレノ段」との標識が有った。周囲は照葉樹の森だった。
- 嶺の山(牟礼山)の三角点の先に祠と展望地が有った。東側の展望が良かった。嶺の山からも照葉樹の尾根が続いた。所々にツバキの花が落ちていた。
- 中間点ピークを過ぎると、一登りで遠目木山山頂に着いた。小学校の卒業記念の石が各年度ごとに設置されていた。良い天気で里港周辺のトンボロ(陸繋砂州)の眺めが良かった。
- マムシグサの赤い実を見ながら植林帯を下ると登山口に着いた。休んでいると車道を登ってきたトラックの運転手に「今から登るのか」と聞かれた。「下りてきたところです」と答えた。
- 海岸近くの平地まで車道を下って交差点で休んでいると、トラクターがやってってきて我々の前に止まった。農家の男性で、この周辺の畑で作物を作っているとのことだった。山が好きで北アルプスにも登ったことが有るそうだった。「武家屋敷跡で見かけたので声をかけようと思ったけれど」と言っていた。「今頃だと山にはツチトリモチが有ったでしょう」と言われた。その場でネットで調べると赤い卵形で土の上に出ているキノコみたいな植物だった。「見なかった」と言うと、「シイの落ち葉をかき分けると見つける事ができますよ」と教えてくれた。
- クサギの実やフヨウの花を見ながら車道を登っていくと「長目の浜展望所」に着いた。砂州に仕切られた池と海の眺めが良かった。ペットボトル入れていた焼酎を楽しみながらゆっくりと休んだ。
- 帰りは須口池と海との間の砂州を通った。砂州の道はトベラの並木になっていた。集落の手前まで戻ると先ほどのトラクターの男性がいた。「今日はどこに泊まるんですか?」と聞かれた。「これから船で下甑に行き下甑の山に登ります。」と言うと「あちらの方が標高が高くて厳しいですよ」と教えてくれた。
- 港で昨日車で送ってくれた観光案内所の男性に挨拶してフェリーに乗り込んだ。