- 秩父鉄道の武州日野駅に着いた時は、あいにく小雨だった。とりあえず入渓点まで行こうと歩き出すと、5分もたたないうちに本降りの雨になった。ザックカバーを付け傘を差して雨の中を登った。
- 車道の登り途中に水車が有った。水車小屋には鍵がかかっていた。雨宿りは、すぐ隣りのトイレでするしかなかった。早々に出発した。
- 途中の分岐で標識に導かれて熊倉山日野コースへの未舗装の林道に入った。すぐに登山道の入口に着いた。車が1台エンジンをかけたままで停車していて中には人がいる雰囲気だった。休みにくい雰囲気だったので、すぐ登山道に入り5分程登った登山道の広くなったところで休憩した。
- 登山道は日野コース旧ルートで昭文社の地図では点線になっていた。特に歩きにくいところは無く10mほど下に沢が見えてきた。下りやすいところを選び川原に下った。雨はようやく上がって来た。
- 沢は数日来の雨のため水量が多かった。急流では白い泡が沸き立っていた。それでも水の濁りは無く、水深もさほどではないので、少しだけ入ってみる事にした。メンバーのうちAさんは水量が多いので登山道を歩くことにして、残りの3人で遡行を開始した。
- 流れが早くて水の抵抗が大きく、急流は避けながら登った。最初の登山道が交差する渡渉箇所に着いた。Aさんが水に濡れずに渡渉するのに苦労していたので手を貸した。
- 急流を避けながら小滝を次々登って行った。ガイドブックに「楽に登れる」と記載された滝も脇を巻いて登った。幸い谷の幅は広く、流れの脇を登るのは容易だった。
- 2回目の登山道の渡渉箇所から先は登山道も不明瞭になっていた。水の中を歩く方が安全そうなので結局Aさんも沢の中を登ることにした。
- 右手に林道終点が近づいて来た。ここまでで予定の約半分を終えていた。中止するには良い場所なので、ここで遡行を終えることにした。林道に登り登山靴に履き替えた。目標地点まで行けなかったけれど、水量が多いなりに全員が沢歩きを楽しむ事ができた。
- 未舗装の林道の下りでは湿気に誘われたのか大きなミミズが歩いていた。舗装路に出ると濡れて滑りやすかった。散歩の男性とすれ違った。「熊倉山に登ったのか。人に会ったか」と聞かれた。
- 時間が有ったので途中のあずまやで昼食休憩にした。天気は良くなり青空が出て来ていた。ミンミンゼミも盛んに鳴いていた。冷えた赤ワインをごちそうになりながら、水量の少ない時にまた来ようと思った。最後にあずまやの木の階段を下りるときに足を滑らし、手をしたたかに打撲してしまった。