- 阿弥陀岳から赤岳を経ての縦走も三日目になった。この日も快晴だった。オーレン小屋のテント場は鳥が盛んに鳴いていた。テントを撤収して天狗岳目指して出発した。
- シラビソの樹林帯だった。オサバグサが咲き、ルリビタキとメボソムシクイが鳴いていた。夏沢峠で展望が開けた。奥秩父や西上州の山々がくっきりと見えた。
- 夏沢峠からはシラビソの稜線を登って行った。林床にはイワカガミが咲いていた。簑冠(みかぶり)山の手前で展望が有り、天狗岳が見えた。
- 簑冠山から少し下ると樹林帯が終わり展望が開けた。北アルプスと諏訪湖が見えた。鞍部の根石岳山荘前ではコマクサが咲き始めていた。ウグイスが鳴いていた。風がさわやかだった。
- 根石岳を越え、本沢温泉への道を右に見送ると東天狗への登りになった。岩場だった。イワベンケイやミヤマダイコンソウが咲いていた。
- 東天狗の山頂は岩場だった。登山者が5人いた。北アルプス、南アルプス、浅間山などの展望を楽しんだ。
- 天狗岳(西天狗)への途中でカメラに小さい三脚を付けて持ち歩いている40歳くらいの女性とすれ違った。コマクサの事を聞かれたので「根石岳山荘付近は咲き始めていますよ」と教えてあげると喜んでいた。
- 西天狗山頂はハイマツに囲まれていた。風はほとんど無かった。最初は他の登山者は一人だけだった。しばらく休むうちに次々と西尾根から人が登って来て15人くらいになった。
- 西天狗からの西尾根の下りは急坂で大岩が多かった。歩きにくかった。ストックをザックに付けて下った。第二展望台との鞍部が近づくと樹林帯に入り岩場が終わった。第二展望台までに約15人とすれ違った。
- 第二展望台では雲に隠れそうになっている赤岳が見えた。そよ風が吹き、エゾハルゼミが鳴いていた。
- 第一展望台まで樹林帯を下った。ゴゼンタチバナが咲いていた。第一展望台に着いた時には赤岳はすっかり雲の中に隠れていた。第一展望台からはシラビソの森を下った。ルリビタキやメボソムシクイが鳴いていた。
- 唐沢鉱泉には車が多く停まっていた。日差しが暑かった。ブヨが多かったので、できるだけ風の有る所で休んだ。
- 唐沢鉱泉からはつづら折りの山道を登って、いったん尾根を越え、きれいな苔の道を下って一つ隣の谷にある渋ノ湯に下山した。温泉で汗を流してからバスに乗り込んだ。