- シーズンオフとあって奥平谷キャンプ場には誰もいなかった。「経ヶ岳」の表示に導かれて植林帯を登りはじめた。稜線の馬ノ背で植林は終わり照葉樹帯になった。やがて岩場が多くなった。岩を横に伝って行く険しい場所も有り、いかにも修験者が登った山と言った感じがした。
- 平谷越からは経ガ岳を往復した。ロープの付けられた岩場は少し湿っていて滑りやすかった。山頂からは360度の展望が得られた。5-6人の登山者が休んでいた。反対側の黒木から登ってくる人が多かった。
- 平谷越に戻り、金泉寺へと向かった。最初は経ガ岳の中腹を巻く道だった。照葉樹林の間に、とろどころきれいな黄葉が有った。途中の水場では、岩の上を何本もの水が白糸のように流れ落ちていた。
- 中山越を過ぎ、大きな岩の基部を右から巻くと笹の茂った鞍部に着いた。休むのにはちょう良い場所で3人の登山者が昼食を食べていた。鞍部の先は稜線の左側を巻く道になった。落葉樹林帯で明るい雰囲気だった。ところどころにある名残の黄葉がきれいだった。苔むした岩も多かった。
- 金泉寺で小休止の後、多良岳に向かった。中山への分岐を見送ると急登になった。最初は石段の付けられた道だったが、途中から鎖場も現れ険しい道になった。たどり着いた多良岳山頂には祠が有った。山頂標識は見あたらなかった。雲仙普賢岳がうっすらと見えた。
- 少し時間があったので一つ奥の三角点ピーク(前岳)にも行ってみた。途中は岩が多く梯子やロープが付けられていた。前岳山頂からも灌木越しに展望が得られた。前岳からの帰りは鞍部から急坂を下り、巻道を通って中山分岐戻った。途中には六体地蔵菩薩立像があった。
- 中山分岐からは中山キャンプ場へと下山した。下り始めの多良川の水源地は黄葉がきれいだった。中山キャンプ場は、遅い時間とあって、すでに1台の車も無かった。最後は車道をバス停へと歩いた。振り返ると多良岳と経ガ岳がシルエットになっていた。バスは多良の街中に入るまで乗客一人だった。