- 明るい日差しの中、泥湯温泉の駐車場を出発した。新緑がきれいだった。足元にはキクザキイチゲが咲いていた。沢沿いの斜面に付けられた登山道は少しぬかるんでいた。足を踏む場所のすぐ横にお湯が噴出している所が有った。新湯跡の手前で単独行とすれ違った。
- 新湯跡を過ぎると雪が出てきた。雪渓を何度も渡った。小安岳1.4km標識の手前で高松岳山頂避難小屋が見えてきた。標高1100m付近の雪渓で同行者が足を滑らし、長さ15m、標高差にして5m程滑落した。以後、注意してステップを切りながら登った。小安岳との分岐手前には比較的急斜面の雪渓の横断が何ヶ所か有った。途中で足跡を見失い、少し登りすぎてしまった。標高差15mほど引き返した。
- ウグイスの鳴く小安岳分岐に荷物を置いて小安岳山頂を往復した。少し雪が有り、雪庇ができていた。
- 小安岳分岐から高松岳山頂避難小屋までは、ところどころ夏道が出ている雪の稜線歩きで気分が良かった。雪の上には、かすかな足跡が残っていた。雪の無いところではカタクリやショウジョウバカマが咲いていた。高松岳山頂避難小屋の直下には雪田が有った。水を作るための雪をビニール袋に集めた。
- 避難小屋は他の宿泊者が無かった。満月だった。風が強く、夜の間、小屋の雨戸がカタカタ鳴っていた。
- 翌朝、室温は11℃だった。荷物を置いて、山伏岳山頂を往復した。途中の小鞍部には残雪が有り、道を見つけるのに少し手間取った。
- 小屋から山伏岳へ向かう雪面の下りに足跡は無かった。鞍部付近はブナ灌木帯だった。1261m峰を過ぎると山伏岳への最後の登りになった。右側の尾根を登るのかと思ったら左側のやや急な尾根に赤テープがついていた。そちらをキックステップを使いながら登った。山頂直下まで雪面だった。山頂は地面が出ていた。
- 山伏岳からの下りは夏道を少し歩いた後、雪面の下りになった。。磁石で方角を確認しながら下った。ブナの根元で測ると積雪は80cmくらいだった。標高1130m付近で同じ方角に尾根が二つに別れていた。どちらを進むか持っていた5万分の1地形図では分かりにくかった。標高1080mの小鞍部でブナ根元の雪の融けているところに腰を下ろして休んだ。この付近の積雪は10-20cmくらいだった。
- 尾根はやがて薮になった。薮を避けて右手の雪面に下りていった。谷になったところで登り返すと、すぐに登山道が見つかった。登山道の下り途中に急な雪渓を渡るところが有り、キックステップで苦労して渡った。
- 最後は登山口からの車道を歩いて泥湯温泉に戻った。今回の山行で会った登山者は一人だけだった。