- 植畑上郷のバス停を下りたのはもう一人の登山者と合わせて二人だけだった。車道を登山口に向かった。車の通行のない静かな道だった。登山口のトンネル手前には意外にも車が15台位停まっていた。人気のある山だと思った。
- 稜線に出たところにベンチがあり、すぐ左手が石射太郎と呼ばれる岩山だった。わずかの登りで山頂に着いた。すぐ下は切れ落ちた絶壁でながめが良かった。これから向かう高宕山が見えた。ベンチまで戻り昼食にした。
- 石射太郎からの縦走路を高宕山に向かった。最初は落葉樹が多かった。すっかり葉を落とした樹林の雰囲気が良かった。鞍部付近にはツバキが咲いていた。時々登山者とすれ違った。
- やがて縦走路の両側に狛犬と仁王が現れ、正面に階段が見えた。高宕観音の参道だった。階段を登っていくと左手に仏塔があり、更に進むと岩に半分食い込んだように高宕観音のやしろがあった。やしろの縁側に夫婦の登山者がいて、正面の展望を楽しんでいた。
- 登山道はやしろの向こう側の岩をくり抜いた穴へと通じていた。穴を通り、左手に下りで使う奥畑への道を分けた。はしごの急坂を登り、更に岩に付けられた短いはしごを登ると山頂に着いた。岩の上に山頂標識が立てられていた。振り返ると石射太郎が見えた。南側には小さな山がいくつも連なっていた。地形図で見ても名前がついていない山ばかりだった。
- 分岐まで戻り、アップダウンを繰り返しながら徐々に下っていった。八良塚(はちろうづか)の分岐からは、手すりの付いた整備された登山道になった。奥畑バス停そばのあぜ道には、盛りを過ぎた水仙が咲いていた。