- 広瀬集落から車道を歩き始めた。正面には紅葉に彩られた蕎麦粒山が見えた。遊ランド坂内のスキー場ゲレンデには猿の群れがいた。西俣出合の駐車場には3台の車が駐車してあった。
- 西俣出合から荒れた林道歩いた。ヤブが茂り踏み跡に近かった。草に隠れた岩に膝をしたたかぶつけてしまった。
- 林道終点の手前で、この日、唯一の登山者(単独行)とすれ違った。ヤブのため危うく気付かずにすれ違うところだった。「まだ、上に人がいますか」と聞いたところ「一人すれ違って反対側に下りて行った」との返事だった。登山道は1本だけと思っていたので、「反対側にも道が有るのですか」と聞いたところ、「自分も反対側から登って来た」との事。どうやら周遊できる道が有り、反対側を下山すると駐車場のところに直接出るらしかった。「ヤブがひどいですね。ここを往復するのは大変でしょうね」と言われた。
- 林道終点付近もヤブだった。どこが林道終点が判然としないほどだった。林道終点で幕営した。
- 翌朝のテント内の室温は4.5度だった。沢沿いに少し歩いた後、尾根に取り付いた。木の根もつかむ急登だった。標高900m付近に岩場があり展望が開けた。標高1050mくらいからは潅木のヤブになった。紅葉がきれいだった。稜線に出た標高1180m地点は展望が良かった。
- 1180m地点と山頂との鞍部付近はヤブが濃かった。笹をかき分けながら進んだ。山頂直下になってようやくヤブから開放された。振り返ると雪を抱いた白山が見えた。
- 快晴の山頂は360度の展望だった。植林はほとんど見えず、いかにも山奥の雰囲気だった。
- 下山は前日の単独行に教えてもらった新道を通ることにした。こちらのコースは刈り払いがしっかりできて歩きやすかった。前日痛めた膝が少し痛かった。ストックを使って膝をかばいながら下った。標高1000m付近はブナの黄葉がきれいたった。誰もいないのに思わず「すごい」と声を出してしまった。標高700m付近まで紅葉がきれいだった。一本早いバスに間に合いそうなので少し早足で下った。
- 次第に沢音が大きくなり、西俣出合に着いた。二日目は山中では誰にも会わなかった。西俣出合の駐車場にも車は無かった。集落に戻る道で、猿の群れが歩いていた。新道を歩いたおかげで予定より2時間ほど早く集落に着いた。
- バスを待つ間、バス停向かいの酒屋でビールを購入した。店主の女性に「そむぎに登ったの~。一番早く雪がつくんですよ。ほら、正面に見えるでしょう。朝、戸を開ける時、雪が付いたか必ず見るんです。きつい山なんでしょ。私は一生登らへん。」と言われた。バスに乗ってからも運転手に「そむぎに登ったんですか。私も山は登るんですけれど、そむぎはまだ登っていなんです。日帰りでも大丈夫なんですか。」と質問された。
- 蕎麦粒山は地元の人にに愛されている山なんだなと思った。