- 井出駅前で電話をかけタクシーを呼んだ。5分もあれば来ると思ったが、25分もかかった。「奥山登山口までとの事だったので冬用のタイヤに交換してきた」との運転手の話だった。運転手の予想通り、林道は登るに従い雪が降り出し、うっすらと積もりだした。車が1台だけ通ったらしくタイヤの跡が道に付いていた。
- 登山口の積雪は5mmくらいだった。ちょうど先行の豊橋ナンバーの車の主3人が登り始めるところだった。登山口のあずまやでレインウェアを着て、3人に少し遅れて出発した。
- 最初は小沢を何度か渡った。丸木橋が付けられていた。橋の上は滑りやすそうなので下の沢を直接渡った。うっすらと雪が積もった景色は、一見、山水画風で風情があった。
- やがて沢を離れ、桧植林の間をジグザグに登っていった。山頂直下では少し根雪になっていて滑りやすかった。ちょうどすれ違った豊橋の3人組も転びなから注意深く下っていった。
- 山頂は強風を伴う雪が降っていた。雲に覆われて展望はなかった。手袋をしていても手がかじかんだ。じっとしていると足が冷たくて痛くなって来た。少し南に尾根を下がった風の当たらないところでザックの上に腰掛けて昼食にした。ポットのお湯がありがたかった。
- 下りの予定はガイドブックに記載の東側の御堂への道だったが、タクシー運転手にもらった地図には記載がなかった。道が荒れていたりすると雪道でもあり心配なので、記載の有る馬込登山口への道に変更することにした。ピンクのテープが頻繁に付けられ、道は分かりやすかった。30分ほど下るとようやく風もおさまり落ち着いて歩けるようなった。下山するに連れて、だんだん晴れて来て青空ものぞいてきた。鞍部になった大田切からは富士山も見えた。山頂部は雪雲に覆われていた。
- 集落まで下山して、通りがかった親子連れに駅への道を聞いた。「篠井山へ登ったのですか。今日は寒かったでしょう」と言われた。確かに篠井山に登る条件としては一年で一番厳しかったかも知れない。