- 初日はフェントからリフトに乗り、山頂駅から登り始めた。緩い登り坂は標高2920m付近から急な岩場の登りになった。岩場の登りが終わるとヴィルデスマンレ(Wilds Mannle)山頂に着いた。十字架が立っていた。縦に長い山頂には20人ほどの登山者が休んでいた。日帰りの家族連れが多かった。好天で氷河を抱いたチロル最高峰のヴィルドシュピッツェ(Wildspitze 3768m)が良く見えた。
- 奥へ進んで鞍部から左手のカールへと下って行った。急な岩場でワイヤーが取り付けられていた。カールの底まで下りると池が有った。登り返すとこの日の宿、ブレスラウ・ヒュッテ(Breslauer Hutte)に着いた。大きい小屋でヴィルトシュピツェの基地になっている小屋だった。靴置き場にはゴツい靴がたくさん並んでいて驚いた。2食付き大部屋で53ユーロ(約6400円)だった。
- 翌朝、ヘルメットとハーネスを付けた登山者が次々と上に向かう道を登っていった。我々はU字谷の中腹を横切る道を進んだ。
- 小さなカールをいくつか越えて進んで行った。途中には小さな湖(Platteieck)が有り、谷の対岸の山々がきれいに見えた。
- 大きなカールへ下り登り返すと途中の山小屋(フェアナークトヒュッテ Vernagthutte)に着いた。時間が有ったので小屋のテラスで休んだ。ハーブティーを飲みケーキを食べた。マーモットが小屋の近くにいた。
- 更に2時間余り山の斜面を進み、最後に少しだけ下ると、この日の宿泊小屋(ホッホヨッホ・ホスピッツ Hochjoch Hospiz)に着いた。時間があったので、テラスで午後の日を浴びながら、チロルのリキュール、シュナップスをゆっくり飲んでくつろいだ。2食付き個室で62ユーロ(約7500円)だった。
- 最終日はザイコーゲルを通って谷の反対側に下り、フェントに戻る予定だった。曇り空だった。少し下って氷河から流れる沢を渡った後、岩の多い道を登って行った。やがて雨が降ってきた。いったんやんだものの、再び降ってきて山頂手前では雪に変わった。雪の付いた岩場を三点確保しながら登るのは、あまりうれしくない気分だった。
- 登山路は山頂の右肩を通過して反対側に向かっていた。登山路の最高点から踏み跡を左上に30mほど登ると山頂に着いた。誰もいなかった。幸い雪は山頂到着後5分ほどでやみ、青空が見え始めた。氷河を抱いた周囲の迫力有る山々の展望を楽しんだ.
- 谷の反対側への下りは緩やかで三点確保も不要だった。放牧の羊もいて牧歌的な雰囲気がした。ザイコーゲルへの登り下りでの唯一の登山者一人とすれ違った。小屋(マルティン・ブッシュヒュッテ Martinbuschhutte)まで下ると、イタリアへの峠越えルートが通っているためか10数人の登山者で賑わっていた。食堂に入りコーラを飲んで一休みした。
- 小屋から出発点のフェントまでは林道の下りだった。次々と登ってくる登山者とすれ違った。林道の崩れた箇所では30分ほど迂回路を通った。