- 初日、貝沢バス停から車道を歩き始めた。曇り空だった。やがて雨が降り出したのでレインウェアを着た。
- 林道に入ると、雪がところどころに残っていた。道脇にはミズバショウが咲いていた。前回は靴を脱いで渡渉した登山口手前の沢は、今回は水量が少な目だった。先にザックを中州に放り投げ、後から空身でジャンプして渡った。
- 登山口からは牧場の脇を登った。牧場は三分の一ほど雪で覆われていた。山道に入るとすぐに雪の上を歩くようなった。いつの間にか雨は雪に変わっていた。時々地面が見えているところではイワウチワが咲いていた。
- 標高1020mの前山分岐付近はブナの森だった。風が強かった。冬型の気圧配置だったので、あまり上には登らず、この日はここまでとした。勾配が急になる地点を少し掘ってテントを張った。
- 二日目も雪が降っていた。新雪は約10cmだった。風はあまり吹いていなかった。稜線でもこのままの風量を期待しながら登り始めた。ブナの森からやがて灌木帯に変わって行った。先頭のIさんは新雪に隠れていた雪の割れ目に膝上まで落ちてしまった。なるべく樹林帯の近くを歩く事にした。標高1130mで休んだ時に樹林帯の中に夏道を見つけたので夏道を進んだ。風が無く快適な登りだった。
- 山頂が近付くと無木立の斜面に出た。少し雪が硬めだったが、そのまま登った。途中で念のためピッケルを使った。風が少し強かった。
- 沢尻岳山頂は強い西風が吹いていた。手が冷たくなった。山頂東側で風を避けて一休みしている間に手をおなかにあてて温めた。休憩後、更に大荒沢岳へ進もうとしたが強い西風と雪のためとても進めなかった。やむなく沢尻岳山頂直下東側にテントを張り、翌日の天候回復を待つ事にした。
- 三日目、テント周辺は吹雪だった。小枝にはエビのしっぽが2cm位できていた。新雪は約20cmになっていた。予定では羽後朝日岳に行き更に和賀岳へと進むつもりだったが、予報は、この日いっぱい悪く、翌日も曇りではっきりしない天気だった。断念して下山する事にした。テントをたたむ時に強風であおられてポールを少し曲げてしまった。
- 下山するに従い風は弱まって行った。登山口先の沢は行きよりも水量が減っていた。荷物を背負ったままジャンプして渡った。バス停に着いた時は冷たい雨が降っていた。