- 黒部ダムに着いたときは雨が降っていた。レインウェアを着て歩き出した。ダムを渡り、コンクリート舗装された道をしばらく進むとロッジくろよんに着いた。初日はロッジくろよんに泊まり翌日からの下ノ廊下に備えた。
- 翌朝、雨はやんでいた。薄暗いうちに歩き出した。ダムを渡り、トロリーバス駅の脇から外に出てダムの下への道を歩いた。放水が始まることを知らせるサイレンが鳴っていた。黒部川を渡ったところで一休みした。休んでいる間にダムの放水が始まった。
- 梯子、桟道を通り、岩屋を見て歩いて行くと、内蔵助谷の出合に着いた。一休みした。次の鳴沢小沢合流点まで梯子が多かった。樹林の斜面でところどころにガレ場が有った。岩角は尖って鋭かった。鳴沢小沢はナメ滝となって本流に落ちていた。
- 新越沢合流点までに岩屋が有った。岩をへつるところではワイヤーに捕まって通過した。上から雫が落ちてきた。黒部別山谷出合までワイヤーを頼りに歩くところが多かった。
- 黒部別山谷出合から白竜峡までが未整備区間で緊張の連続だった。白竜峡では道の下側にある足をかけるボルトが傾いていて、ボルトの先の平坦な石の上に足を伸ばす必要が有って緊張した。
- 白竜峡のガレ場を過ぎると整備されて歩きやすくなった。滝の水しぶきを何度か浴びた。樹林の道が増えてきた。
- 十字峡は広場になっていた。赤ペンキマークに従って下に下りると水の合流点を間近に見ることができた。十字峡からは水面までの高さが高くなり絶壁になった。作廊谷合流点の先で滝がシャワーとなっているところが有り、半身ずぶ濡れになってしまった。
- 急な道を下り東谷吊橋を渡ると車道歩きになった。仙人ダムの先は工事現場のような雰囲気だった。トンネルの中でトロッコ列車の通過を待たされた。
- 仙人ダムの先で再び登山道になった。水平道まで登り返し、しばらく進んで再び下ると阿曽原温泉小屋だった。宿泊者は45人ほどだった。テントは21張りだった。露天風呂は1時間ごとの男女交互で、16時からの男性の時間は混雑していた。
- 最終日は6時からの朝食を食べてから出発した。150mほど登ると水平道に出た。時々送電線の巡視路が分岐していた。折尾谷は堰堤の中のトンネルで抜けた。大太鼓の絶壁は道幅は狭かったものの、しっかりワイヤーが着いていて、良く整備されていた。志合谷はランプの必要な長いトンネルで抜けた。水が5cm位たまっていた。欅平駅が近づくと谷の間から後立山連峰が見えてきた。
- 最後は急坂を下り欅平駅に着いた。観光客が大勢いた。食堂で祝杯を上げてからトロッコ列車に乗り込んだ。トロッコ列車はトンネルに入るたびに涼しい風が吹いて快適だった。