- 朝、七ツ沼カールを出発した頃は涼しかったが、北戸蔦別岳の登りになると気温が上がり暑くなってきた。北戸蔦別岳からの下りでは、バッタがたくさん飛んでいた。次の1856mピークの鞍部あたりから熊の掘り返しが見られるようなった。鈴を付けた。登りになると、暑くて楽しむと言うより修行をしている感じになった。(この日ふもとの日高町などでは35度を超える暑さだった。)
- 1920mのコブから1204mのコブの間は岩場があった。日高では珍しくペンキマークが付けられていた。1967m峰への登りでは三点確保を使う岩場の登りがあった。南峰を過ぎ、小さなテント場を過ぎると1967m峰に着いた。1967m峰からの下りのお花畑も暑かった。テント場の有る鞍部を過ぎて登りになると、ますます暑くなってきた。灼熱地獄のようだった。ゆっくりと登った。ピパイロ岳の肩まで登ると風が少し有り気持ちよかった。
- 肩からピパイロ岳山頂までは思いの外短時間で着いた。360度の展望だった。大きな岩がたくさん有った。暑くてグロッキー気味だったので岩陰に入って昼寝をして休んだ。そのおかげで少し元気を取り戻した。ピパイロ岳からの下りにはシナノキンバイの咲くお花畑が有った。熊の掘り返しも多かった。
- 伏見岳との鞍部に着いた。ダケカンバの森で、木陰になっていて快適なテント場だった。縦走路に1張り、5mほど上に2張りのテントスペースが有った。この日は七ツ沼カールを出発してから水を2.8リットル消費していた。水が足りなくなったので水場まで標高差80mくらいを往復した。水を補給したのでテントを設営しようとしたらスズメバチが一匹やってきて回りを飛び始めた。気になったが、素早くテントを張り、中に入り込んだ。スズメバチはしばらくテントの回りを飛んでいたが、日が傾き始めるといなくなった。
- 最終日、気温の低い朝は快適だった。伏見岳への登り途中で久しぶりに登山者とすれ違った。伏見岳に幕営しピパイロ岳まで往復との事だった。ハイマツ帯になると伏見岳山頂に着いた。縦走最後の展望を楽しんだ。携帯でタクシーを予約した。
- 山頂から少し下るとシナノキンバイのお花畑が有った。次々と10数人の登山者とすれ違った。幌尻岳まで行く登山者は「水を6リットル持ってきたが、暑くてここまでに2リットル飲んでしまった。」と言っていた。私自身も登山口に着いた時は1.5リットル飲み干していた。登山口でタイミング良く来たタクシーに乗り込んだ。
- この日も暑い日だった。芽室駅から帯広まで乗った鈍行列車では、扇風機がカタカタと音をたてながら熱風をかき回していた。