- 紅葉には少し早い平日の金曜とあって、鳩待峠は夏に比べ閑散としていた。昼食は山ノ鼻で取ることにして、すぐに出発した。山ノ鼻への木道は、いたんだ所を修理中だった。ちょうど昼休みの時間で作業員が5人ほど昼寝をしていた。
- 山ノ鼻で昼食。広場の端にはトリカブトが咲いていた。食後に湿原を散策した。草紅葉にはまだ少し早く、草原は青々としていた。シダだけが黄金色に黄葉していた。赤いワレモコウがきれいだった。
- 中田代三叉路への途中には池塘がたくさんあった。黄色くなりかけた葉っぱの中に清楚なヒツジグサが白い花を咲かせていた。間をカモが泳いでいた。時々荷物を高々と積んだボッカの青年が通った。
- 中田代三叉路から下田代十字路にかけては木道横の灌木が紅葉し始めていた。下田代に近づくに従い、草原も幾分か黄色みを増してきた。黄金色の草原を背景に、青く咲いているエゾリンドウがきれいだった。
- 下田代のキャンプ場で幕営。テントは3張りだけだった。この冬の雪のためか炊事場の屋根は倒壊していた。横のトイレはとてもきれいだった。夜中に枝をバキバキ折る音が聞こえてきたので用心のため外に出していたカレーのにおいのついた食器をビニル袋に入れテントの中に入れた。
- 翌朝は何事も無かったかのように夜が明けた。朝食のラーメンを食べた後、朝もやが立ち込める湿原を散策した。燧ガ岳がシルエットになって見えた。
- テントをたたみ出発。朝もやは温泉小屋に近づくにつれて晴れ、二日連続での好天になった。温泉小屋横の公衆便所もきれいだった。100円の寄付を気持ちよくポストに入れた。
- 豪快な三条ノ滝をみたあと、燧裏林道を御池へと向かった。木道の続く道で歩きやすかった。ブナや針葉樹の森を通っていくと中田代でようやく開けた湿原になった。昼食を取った。続いて横田代、上田代と広い湿原が続いた。今回の山行で一番きれいな草紅葉になっていた。逆光で草がビロードのように輝いていた。