- 尾根コース登山口で登山届を記載して出発した。直前の記載は5月30日で、あまり登られていない様子だった。
- 最初の杉植林が終わるとブナ林になった。二つの沢の間の尾根道だった。岩がところどころにあった。足元にはギンリョウソウやコケイラン、ギンランが咲いていた。カタクリの実がたくさん生っていた。コマドリやエゾムシクイが鳴いていた。
- いったん坂を登りつめたところが連絡路分岐だった。連絡路に入って九郎神社を探したが場所は分からなかった。周囲のブナ林ではアオバトとツツドリが鳴いていた。
- 連絡路分岐からは、少し下った後、再び登りになった。しばらく進むと、いったん樹林が途切れて笹原になった。朝日に葉っぱが輝いていた。笹原が終わると細い木の多いブナ林になった。緩い登りが続いていた。ツツドリが盛んに鳴いていた。やがて尾根が狭くなった。左手には乙部岳山頂が見えてきた。足元にはゴゼンタチバナが多く咲いていた。
- 憩岩に出る手前の標高900m付近で視界が開けた。ダケカンバがまばらに生える笹原だった。シラネアオイやフギレオオバキスミレが咲いていた。
- 憩岩からの稜線は花が多かった。シラネアオイ、ハクサンチドリ、ムシカリが咲いていた。最後の登りではオオサクラソウが咲いていた。
- 山頂には乙部岳の大きな標識が有った。山頂先の一段下がったところにはアンテナドームの大きな建物があった。山頂の眺めは良く、狩場山がひときわ白く見えた。内浦湾の向こうには羊蹄山やニセコの山々が見えた。休んでいるうちに50代の夫婦が登ってきた。「九郎山に寄る」と言って先に下山していった。
- 帰りもシラネアオイなどの花々を楽しみながら稜線を下った。下の方からはエゾハルゼミの鳴き声が聞こえてきた。日差しが暑かった。稜線を離れるところが九郎山への分岐で赤テープがあった。背丈以上のネマガリタケに覆われていて道はなかった。これでは先ほどの夫婦もあきらめただろうと思った。
- 稜線を離れると急坂の下りになった。ネマガリタケを掴みながら滑らないよう注意して下った。ブナ林になるとエゾハルゼミがたくさん鳴いていた。足元にはマイヅルソウが咲いていた。天狗岩で一休みした。ハエが多く寄ってきた。
- 沢沿いの道になると徒渉を3-4回繰り返した。靴を3-4cm濡らす程度の水量だった。熊の糞が3箇所に有った。1箇所目は1週間ほど前のものの様子だった。2箇所目は真新しく、この日のものの様子だった。3箇所目は同じ所で何度もしたらしく量が異様に多かった。
- 行者洞で熊よけの笛を吹きながら休んでいると先ほどの夫婦が下山してきた。「九郎山に行ってきた。往復1時間かかった。」との事だった。てっきり先行者がいると思って安心して歩いていたが、我々の方が先行者だった。
- 行者洞からは、今度こそ安心して歩いた。エゾハルゼミがたくさん鳴いていた。途中で服にダニが付いていることに気が付き、払い落としながら歩いた。
- 沢コース登山口から尾根コース登山口まで林道を歩いているときに夫婦の車とすれ違った。軽く挨拶した。結局、山中で会ったのは、この二人だけだった。車の所に戻り、シャツを着替え、上着は虫干ししてダニを取り除いた。
- 自宅に帰ってからダニをチェックしたら、二人合わせて19匹服から出てきた。