- 忘年会山行で、一軒宿の秘湯、滝沢温泉に一泊して山登りをする事にした。初日は大猿川の西隣りの粕川上流にある不動大滝まで往復ハイキングをする事にした。
- 不動大滝登山口には他の車は無かった。日影に少し雪が残った登山道を歩いて行った。斜面を横切る道だった。やがて「延命猿水」に着いた。祠の中に猿の像が置かれていた。猿が差し出した手の先からは水がチョロチョロと流れていた。手先は少し苔むしていた。
- 欄干が少し痛んだ橋を進むと滝沢不動尊に着いた。入口には曲がった木でアーチが作られていた。入口両側には70-80cmの不動明王の石像が並んでいた。アーチをくぐって進むと本堂だった。岩壁に半分食い込んだ立派な不動尊だった。
- 不動尊の先で道は河原に下りていた。少し進むと渡渉箇所が有った。靴底を濡らす程度の深さだった。少し道が荒れ気味だったので一行のうちの女性二人はここで引き返す事にした。
- 沢に沿って進んでいくと舗装された林道をくぐった。更に岩場を横切って進むと不動大滝の直下に着いた。垂直に落下する滝は迫力が有った。
- 帰りは途中で沢を渡って「国定忠治のかくれ岩」へ寄ってみた。洞穴入口の下り階段はロープで通行止めにされていて、中に入る事はできなかった。説明板には中が広くなっている事が書かれていた。
- 再び沢を渡って往路に合流し、ゆっくりと元の道を戻った。不動尊の先の日の当たる場所で待っていた女性2人と合流して登山口に戻った。この日は他の登山者には会わなかった。
- 二日目は大猿川周回尾根を登ることにした。快晴だった。登山口の「おおさる山乃家」のキャンプ場で、居合わせた夫婦の登山者に集合写真を撮ってもらってから出発した。
- 少し雪の残った階段の道を登っていくと、つつじが峰合流点に着いた。ここからは大猿川西側の尾根道になった。ミズナラやツツジの木が多かった。紅葉は終わっていた。林床にはミヤコザサが生えていた。標高1100m地点を過ぎると少しやせた尾根が有った。所々に急登が有ったものの歩きやすかった。標高が高くなるにつれて登山道に残る雪が増えてきた。登りつめたところが横引き峰だった。左折して銚子の伽藍に向かった。
- 最初は緩い尾根の下りだった。右手は平坦にくぼんでいて、カルデラの外輪山を歩く感じがした。やがて道は急な下りになった。下って行くと河原に出た。周囲は5cmほどの雪が積もっていた。河原を少し進むと銚子の伽藍に着いた。流れて来た水が集まり、漏斗のようになって一気に岩の間に落ち込んでいた。落ち口を覗き込むと5mほどの滝になっていた。吸い込まれそうで迫力が有った。
- 横引き峰に戻り、今度は反対側に向かった。茶の木畑峠に着いたところでシートを敷いて昼食休憩にした。白ワインで乾杯し、ゆっくりと休んだ。木の間からは白く輝く富士山が見えた。やがて登山口で写真を撮ってくれた夫婦が追いついてきた。「登山口の先に有る神社には寄ったが、銚子の伽藍には行かなかった」との事だった。
- 茶の木畑峠からは大猿川の東側の尾根を「おおさる山乃家」まで下った。上部では雪が少し残り、下部では少し紅葉が残っていた。この日、山中で会った登山者は2人だけだった。